69.《ネタバレ》 まず勧善懲悪ヒーローものの爽快感を求める人は見ないほうが良い作品。
そこから1歩踏み込んで、正義のヒーローの存在意義や、
善悪の基準ってどうやって決めてるの?など疑問を持ち、
追求妄想したことのある人は一見の価値はあるかもしれません。
ウォッチメンのメンバーの中でもドクター・マンハッタンの存在は興味深かった。
他のメンバーが普通の人よりやや優れた程度の存在なのに対して、
ずば抜けた力の持ち主で、その力を使えば恒久的な平和も作れてしまうのではと思えるほど。
しかし人間離れした存在となったゆえに、人類に対しての興味が薄れているようであり、
まさに神に近い存在として書かれているのがおもしろかった。
そしてもう一人、ロールシャッハの揺るがない正義感は格好良かった。
彼は神の存在を否定することで、自らの心の中で善悪を判断することになるが、
マンハッタンとは別の意味で神(正義)の心を手に入れたように思える。
ヒーローらしからぬ風貌がまた心憎いキャラクターだった。
しかしまあ、おもしろい作品だと思うが素直に楽しめたかというと微妙。
ヒーローが現実に存在したらという仲間内の妄想話のレベルのものを、
映像作品化されたものを見せられて、そこまで乗っかれないかなという感じもしました。
原作を含むアメコミを読み込んでいれば、また違った感想を抱いたかもしれませんが…
(こちらのレビューを見るまで原作の存在を知りませんでした。
一応ファン向けの映画ということでしょうね)。