6.《ネタバレ》 予想を上回る程でもなく、下回る程でもなく、予想通りの内容。
確かにショッキングな映像は多いが、ダイレクトにそれを捉えてはおらず、間接的に映像化しているので、そこまでキツくはない。
この内容で、直接至近距離で撮ったらR-18になってしまうだろうから、おそらく意図的だろう。
沢尻エリカが、撮影後に境界型人格障害(ボーダレス障害)になったとも言われるが、文字通り“体当たり”の演技をしている。
他に光ったのは、メイク役を演じた新井浩文と、マネジャー役を演じた寺島しのぶ。
沢尻エリカには失礼だが、主役を食うほどの演技力。
他にも、味のある出演陣が脇を固める。
沢尻エリカが演じた「りりこ」の役柄は、決して突飛とは言えない。
美を追究するあまり、整形手術地獄にハマった女性という設定は、むしろ容易なキャラ設定である。
誰もが予想する破綻への道筋。
それを2時間以上もかけて描くもんだから、全体的に間延びしている。
終わらせ方にも疑問符がつく。
破綻してアッサリおしまいの方が、かえってキレ味が増したようにも思う。
又、性描写が多すぎるというクドさも感じられる。
その一方で、極彩色で彩られた映像の数々は、蜷川実花監督の真骨頂を堪能できる。
重そうでいて意外と重過ぎもなく、大衆受けするイメージがする一方で性描写が多過ぎて、リアルな設定でありながらどこか在り得ない感じもして、「全体的にアンバランス」というのが個人的雑感。
そういう意味でも、ヘルタースケルター。