2.《ネタバレ》 レオン・ヴィターリはスタンリー・キューブリックに魅せられたというより取り憑かれたとでもいえるような半生、そしていまも無償でフィルムなどの整理にあたっている。一コマ事の露出や明度にまで精通している、36時間こもりっきりで画像をチェックし、仮面をかぶって8役をこなしながら現場を駆け回って、、、一時期30キロにまで痩せてもほとんど30年間寝ずにキューブリックの片腕(以上!)に映画製作(Filmworker)にかかわる。よく過労死しなかったものです、各国に出す違うVersionの予告編を作り、翻訳し、ポスターに使うたった一枚の「あれ!」という画像を探して、フィルムコピーを15部…気が遠くなるような代物ではない…なのに経済的に困窮してしまう。。。なぜ、レオンはそこまで滅私、献身できるのか。
幼少期の虐待経験もあるのか、強いキューブリックに翻弄され、利用され、制作会社に疎まれても「粗探しをしているわけではない、間違いを見つけたら敬意をもって指摘するだけ」という姿勢が印象的で、彼こそが映画界の宝ではないだろうか。
バリー・リンドンが好きでしたし、衝撃的な作品だったから貴重な裏話が聞けたのもうれしい、同時に彼が俳優を続けなくなったのも残念、という複雑な気持ちにもなった。
レオンの、彼の家族の幸せを願わずにはいられない。