1.これ最高です!
この映画は「なんでサンタは世界中の子どもにプレゼントを配れるの?」という子どもの疑問にバッチリ答えてくれます。はじめのその「仕事」のシーンは「スパイもの」のノリで、すっごく楽しいんです。
しかも本作のアイディアはそれだけにとどまりません。最初から最後まで斬新orツボを押さえたアクション満載で実に楽しませてくれます。
「大人も子どもも楽しめる」というファミリー映画としても理想系です。
子どもには「サンタ家族の大冒険」
大人には「ダメ人間の成長物語+α」
として楽しめるのです。
映画を観てわかるのは、主人公のアーサーや、一見してやり手に見える兄、はたまた父のサンタまで、欠点ばかりを抱えた人間であること。
主人公はどう行動し、そしてみんながどう変わっていったのか─
このダメダメな家族の「変化」、その行動に、大人であればきっと思うことがあるはずです。
さらに言えば、この映画には「世代交代」に関わるドラマが内包されています。
明らかに父サンタの描写は、定年退職を迎えつつある大人をピンポイントで狙っているので笑ってしまいそうになりました。てか笑いました。
さて、今作の不満点は、作品そのものではなく
①「タンタンの冒険」「怪物くん」がすぐに控えている公開日
②あんまり宣伝がされていない
③字幕版の公開がない
ということ。
公開日は作中でも意味がある日になっているし、ねらいもわかるのですが・・・なんと興行収入は10位圏外という有様。
この作品の出来の良さに反した、宣伝への不満は「ヒックとドラゴン」を思い出しました。
しかし「ヒック」は口コミによって良さが広まった作品でもあります。
なので自分も本作を「本当に面白い」と言い続けたいと思います。
間違いなく「ヒック」にもひけをとらない大・大・大傑作なのですから!