9.《ネタバレ》 なんかやだ、こーいうの。 そら喧嘩で爆発が起きて、首に致命傷をおった人間が生き返る三池監督ですが…。 ハリウッド(的な脚本)を借りてくるなら、ちゃんとドンパチ主体で押して押して押しまくれば良いのに。 そーじゃくて、ドンパチはあくまでも書き割りで、クズを護る主人公の内面葛藤を書きたいなら、例えば新幹線に乗ってからの数時間を使って、もーっと密室劇的に「画」を造ればいい。 どーも映画のベクトルが拡散しているから、至る所に「ゆるい設定」が出てきて、それがこのドラマが妙味である「危機的な状況をかいくぐる」カタルシスを物語の進行とともにどんどん緩くしてヲイヲイになる。 カタルシスがあるからこそ『クズを護る葛藤』が活きるんじゃないんですかねぇ? だってさぁ、一台もクルマが走らない街道(山道)をとぼとぼ歩いてて、そこに過去にクズに娘を殺された被害者の父親がクルマを運転してきて、まさにご一行とドンピシャ出会う?そらないでしょ? 主人公達がそれぞれの正義をやたら語るのは、そらそれで良いけど、その見栄を切るあいだ、だれも通行人の居ない人気のない住宅街とか、これもやだ…。 今、日本でもっとも金になる男が乗っているその車両からいとも簡単に乗客を移動できてしまう新幹線、は? それからサイズから見て電源部が無い“マイクロチップ発信器”を埋め込んだ手首の傷とか? なんでそんな皮膚が薄い、しかも可動部にあんなでかい装置を埋める?じゃなくてもっと脂肪分のある(要するに埋め込むスペースがある)腹部とかにやらない? っつーか警察バッジにでも仕込んでおけよと…。究極は全国緊急配備かかってるんでしょ?なのになぜ他県ナンバーのおんぼろタクシーがスイスイと検問を潜っていつの間にか桜田門まで到達して、しかもその時の周囲は大群衆に囲まれてメディアもいて、しかも懸賞金をかけた爺さんとその取り巻きまでスイスイ寄ってくる始末。ヲイヲイヲイヲイ!警察庁を馬鹿にしてんのかよ…と じゃ、なにかい?北九州の高速道路や新神戸駅の危機的「状況」なんか、県警たいしたことないじゃん。 終端の桜田門の状況の方が遙かに超した超!ウルトラ!スーパー!オルティメット!「危機的状況」なのに、また主人公同士が見栄を切ってる??? どーなのこれ? やっぱやだ、こーいうの。 |
8.台詞が多すぎる。 余貴美子に語らせる、殺人未遂者の動機の補足説明などは完全な蛇足だ。 特に、後半での大沢たかおと山崎努の二度に渡る問答やら、 岸谷五郎の熱弁やらの長々とした弁論に至っては、 平行して藤原達也を放置する映画内時間の間延び状態となり、 作劇上の瑕疵ともなっている。(松嶋菜々子の扱いに関して) 機敏なアクションの連続で緊張感を持続させた前半からの失速ぶりが勿体ない。 監視社会化のアイデアを駆使してひたすら危機突破の活劇に徹すれば また違った面白さを獲得しただろうが、 後半はA級的内面ドラマに傾きすぎたということだ。 藤原の逃走シーンでの木々の不穏なざわめきや、 杖をつく山崎努の着衣をなびかせる風の感触など、 後半も台詞の無いシーンこそ所々で光る。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-05-19 21:07:43) |
7.ちょっと現実味のないところもあったが話に勢いがあるため最後まで気にせず観れた。それにしても藤原竜也はこういうクズの役がなぜかハマりますね。 【しっぽり】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-05-13 20:50:34) |
★6.《ネタバレ》 藤原竜也の醜悪な演技にヤラれました。 この映画のストーリーは簡単に要約してしまうと「極悪人であっても法の下に平等に扱うべきかどうか」ということだと思います。この作品は二つの解を提示する。 一つは主人公が選んだ"どんな人間も法を無視して殺されるべきでない"というもの。ましてや賞金を得るために人を殺すなんてとんでもない。 もう一つは劇中の誰もが話すように"更生が絶望的な社会のクズは法に関係なく排除すべし"というもの。この感覚を観客が共有するには清丸が更生不可で社会に害しか及ぼさない完全な悪である必要がありますが、藤原竜也は少々やり過ぎな感もありましたが、その役柄に求められるキャラクターを見事に演じ切っていたと思います。 私も主人公の最後の決断を支持したい一方で、清丸の様な人間なんて問答無用に殺してしまえばいいと思ってしまったので、まんまと三池監督の掌の上で転がされてしまっていたんだと思います。 この清丸のキャラクターの描き方は秀逸で、母親の死を知り泣き崩れる姿を見て、「ああ、やはり生まれついての悪人はいないんだな。だから更生も可能な筈だ」と思わせておいて、松嶋菜々子演じる白岩の殺害(殺した理由がオバさん臭いというのも嫌悪感を増大させる)、死刑判決時の「どうせ死ぬんならもっとやれば良かった」という発言により、観客をとことんアンビヴァレントな状況に追い込んでいく。この辺りの脚本は素晴らしいです。 それから『十三人の刺客』の稲垣五郎、『悪の教典』の伊藤英明に続いて、いつも基本的に良い人しか演じない大沢たかおのイメージを逆手にとったキャスティングも見事でした。 少し気になってしまったのは役者さんがややオーバーアクト気味だったこと。芝居がかり過ぎているというか、Vシネ時代の三池監督の作品を見ているようでした。具体例をあげるなら岸谷五朗の「無い!絶対に無い!断じて無い!!」っていう台詞とかね。まあ気になって程度ですが。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-06 23:41:02) (良:2票) |
5.予告を見た時は「どうせダークナイトの二番煎じでしょ」と思っていましたが、結講見応えがあって良かったです。どちらかというと、昔の西部劇(「決断の3時10分」など)を、現代日本でやるとこうなる、と感じました。それに「ダークナイト」よりも、大衆が襲ってくる動機やプロセスを丁寧に描いているので、一般市民を単なる衆愚として描いてない点はいいと思いました。結局、私刑するにしても止めるにしても、金次第なのかと思うと見終わってゲッソリします。同じところを何度もぐるぐる回る議論も見てて疲れたー。「十三人の刺客」や「悪の教典」でバッサバッサ殺しまくってたのがウソのようです。 最近の三池監督の作品は良い意味で「一般ウケ」する作品が多く、このクオリティの娯楽映画がもっと増えればいいなあ、と思います。主題歌の選曲で大人の事情が露骨に現れてますが、それで予算が下りて本編が充実するなら、少しくらい我慢しまっせ(笑)。むしろ監督、わざと露骨にやってる? 【ゆうろう】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-05-04 03:56:57) |
4.テーマは面白そうだけど、でも日テレ・・・。どんなもんかなぁと思ってましたが、面白かったです。娯楽映画として、十分に合格点です。 もちろん、トレーラーの炎上シーンなんかは、ハリウッドで作ったほうが迫力はあるのでしょうが、十分に見応えのある(2時間退屈させない)ものでした。 松島奈々子のSP役が、なんかちょっとSPシリーズの真木ようことかぶってみえたところと、華がほしいのはわかるけど、そもそも護送メンバーに女性が入る意味がちょっと弱かったところが減点。 【なつこ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-03 23:02:14) |
3.そんなに悪くない。 ストーリーをひねってない分、余計な布石を気にせず素直に浸れる。クズの扱いと金の誘惑に翻弄されながら観るのが正しい鑑賞方法かと・・どうせ結論は出ないと思うし。 新幹線降車までの迫力は結構なものだ、細かいツッコミ所はあるにせよ力技でグイグイ引っ張る演出はたいしたもの、今日本でこのレベルの映画を撮れる人が他にいるだろうか? 役者の演技は皆大味ながらも、うまくこなしてると思う、後味の悪いラストも三池監督のほくそ笑む顔が浮かぶぐらいイヤミで感慨深い、スンナリ進みすぎた話にチクリと来るイライラ感が味だろう。 エンドロールで流れる曲のダサさにはちょっと驚いた、何か考えがあるのか?鑑賞後そこだけが妙に気になった。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-05-01 11:31:19) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 賞金がかかった殺人犯をSPが守る、という設定を聞いただけでも面白そうな話で、その期待には概ね応えていると言えるでしょう。全体的にはそこそこ楽しめるストーリーなのですが、正直、予想の範囲内を超えなかった感もあります。結局のところ、白岩(松嶋)からも奥村(岸谷)からも蜷川(山崎)からも、何度も問われた「この犯人を守る価値があるのか?」「殺してしまった方が良いのではないか?」という問いに、主人公の銘苅(大沢)が正面から答えないまま、最後まで話が進んでしまうことが、すっきりしない要因でしょう。ただ、これに関しては監督・脚本ともに答えを出そうという気は端から無く、見る側の判断に委ねているのでしょう。それを見た私自身も、答を求められても結論は出ませんが…(それだけに、あえて答えを見せて欲しかった感はあります)。常に困った顔をしながら、その実何を考えているのか分からない大沢たかおにはぴったりの役かもしれません。キャスティング的には岸谷五朗もよかった。藤原竜也もこういう役は得意ですね。山崎努も適役でしょう。杖を突きながら必死に歩く姿は、往年の「マルサの女」をちょっと思い出しましたが。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-04-30 21:59:41) |
1.《ネタバレ》 大沢たかおと松嶋菜々子のW主役なんで見ました。 そこそこは良く出来てますが、根本的な疑問が2つ解消されないままでした。 まず、この依頼自体が成立するんでしょうか?犯人を殺しても10億円は受け取れないのでは?殺人教唆の契約自体が無効でお金は受け取とっても最終的に国に没収されるのでは?と思いました。テレビで「犯人を殺してもあなたは殺人罪に問われるだけで10億円は受け取れません」と言えば軽はずみな奴も犯行を思いとどまるのでは?と思いました。まぁ、それを言っちゃあ終わりだとしても、もう1点は、犯人の護送も何故ヘリを使わないのかと言う疑問。新幹線なんて一番危険でしょう?なぜ危険満載の地上移送を行うのかこれも理解できませんでした。 この2つの疑問に目をつぶれば、それなりに楽しめる・・・と言いたいところですが、主役の大沢&松嶋コンビだと、堅物だし命に代えても犯人を守り抜くであろう事は明白だし、犯人役の藤原竜也が一片の同情の余地もないクズっぷりを見せる事も容易に想像がつくので、予定調和的で意外性が感じられなかったです。評価できるとすれば、松嶋菜々子が意外にフラフラして危なっかしい事と、藤原竜也が福岡県警で見せた切れっぷりぐらいですね。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-04-30 14:21:30) |