139.《ネタバレ》 “My Life as a Dog”『僕の人生は犬同様』。 イングマルは他の子と比べても、性格もやる事も幼い印象を与えます。兄のせいもあるけど、子供らしい失敗やイタズラが病弱なママを苛つかせます。時間が経つごとに、自分が成長するごとにママの病状は悪化していく。でもちょっぴり大人なカエルちゃんはグイグイ誘ってくる。 田舎に行ったら風変わりな人がいっぱいいた。みんながイングマルを暖かく迎えてくれる。そして今度はサガがグイグイ誘ってくる。美女の裸をのぞきはしても、直接的な性に興味を示さないイングマルは、これ以上成長することに怖さを感じていたのかも。時間とともに病状とイライラが悪化するママ。幼い頃の優しかったママを思って、子供なりの抵抗をしていたんじゃないかな? 母が亡くなり、再び田舎へ。でも時間は経過して、田舎の事情も大きく変わっていました。隣人アルビドソンさんは亡くなり、今はギリシャ人家族に。「家が狭いので寝る時は叔母さんの家へ」厄介者のような扱いに心を痛めるイングマル。サガもより女の子として成長していました。成長していないイングマルに残された“当時と変わらないもの”が愛犬シッカンの存在。でもシッカンは既に殺処分されたのは薄々わかってます。サガの自分への愛情もわかってます。犬のマネで、幼稚にその場をはぐらかそうとしたんでしょうか。シッカンの死をサガに突き付けられたイングマルは、精神的に追い詰められ、あずま屋に閉じこもる。本当にライカ犬のように。 後半の2人の本気ボクシングの場面で、サガってのはあだ名でフロイドが実名だと勘違いしました。そして最後の方、イングマルとフロイドの試合がラジオで掛かってて「え?2人が本当にボクサーに?」って勘違いの上塗りを… スウェーデンの映画です。よく知らなかったけど、このスウェーデンって国、大戦中はドイツにもイギリスにも組みせず終戦まで中立を維持。戦後も西側諸国と交流をしつつも、ソ連を刺激しないようNATOには加盟しなかったんですね。 映画の舞台は'58年から'59年、この年代は近代スウェーデンがもっとも輝いていた年代です。日本で言えばおそらく'64年東京オリンピック前後でしょうか?'58年、劇中のラジオで掛かっていた自国開催のサッカーワールドカップで、史上最高成績の準優勝をしています。そして翌年、ボクシングでイングマル・ヨハンソンがフロイド・パターソン(米)を破りヘビー級王者になりました。映画には出てきませんが、この時ボルボが世界初の3点式シートベルトを開発し、この時サーブが世界最高速の実用戦闘機ドラケンを創りました。…ちょっと脱線しましたが、イングマルという名は、輝かしいスウェーデンの象徴と思っていいと思います。日本で言えば、今なら大谷翔平。当時なら力道山とかでしょうかね? サガを友達から女として受け止め、子供から大人への一歩を踏み出したイングマルを、世界に羽ばたいていった当時のスウェーデンと重ね合わせた映画なんじゃないでしょうか?「スウェーデン万歳!」 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2024-10-21 08:44:34) |
138.《ネタバレ》 原作は未読です。小学生くらいの男の子が主人公。母親が病気なのですが、やさしいけど病弱という、よくありそうな設定ではなく、ノイローゼ気味で、子どもに対して怒りをぶつけることはあっても、子どもの話を受け止めることは放棄という、ここまではそれでもありがちな育児疲れと言えなくはないです。だがしかし、父親が海外のバナナ工場に勤めていて帰ってこないとのこと。もっとマシな嘘を吐けというツッコミ待ちでしょうか?父親不在がどうも不幸の原因のようです。そんな主人公の少年が経験する生活や、少年の目線から見た人間関係を、ごく自然に描いていく作品です。明確なストーリーがあるわけではなく、間を持たせるのが難しいと思うのですが、ありそうな話を上手く紡いで、上手くつないでいるなと感じました。スター役者は登場せず、ごく自然です。主人公もごく自然にブサ・・・そこら辺にいそうなタイプです。そのわりに、主人公がやたらモテることが解せぬ。それだけが解せぬ。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-01-24 20:03:12) |
137.《ネタバレ》 数々の賞を受賞した作品であるが、どうも私になじめなかった。 各年齢層に一定数変な人がいる事は救いであるようには思った。 社会になじめない人たちを受け入れるのが心の広さなのかもしれない。そういう人たちはこの作品もさくっと受け入れるのであろう。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 5点(2022-03-20 18:43:28) |
136.《ネタバレ》 兄とも折り合いが悪く、母親にもあんまり愛されてなさそうな、ちょっと弱々しいイングマル少年。 彼の毎日はかなりつらそうだ。 望んでもいないのに宇宙に飛ばされたライカ犬よりはマシ、が彼の自己防衛。 そんな彼が大好きな母親と離れて預けられた先が、叔父夫婦の暮らす片田舎なのだが、この町の人々がイングマルの心を解きほぐしていくさまが、とにかく心地よい。 叔父夫婦も、日がな一日屋根に登って修理を続けるおじさんも、イングマルにファッション雑誌を読ませる老人も、スタイル抜群の憧れの女性も、みんな自分の人生を楽しんでいる。 生きている限り、そこに喜びは見つけられるんだ。 そんなささやかな幸せに気づくことを、この映画は教えてくれる。 ハルストレム監督らしい、じんわり心にしみてくる穏やかな映画。 そしてなんと言っても素晴らしいのは、イングマルの相手役のサガ。 まさに宝石のような愛くるしさで、彼女の成長物語としても成立する作りになっている。 男勝りだった彼女がスカートをはき、イングマルと笑い合う場面は、本当に記憶に残るワンシーンになった。 いや、いい映画。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-08-29 00:47:46) (良:1票) |
135.ちょっと退屈に感じてしまった。少し変わったキャラクターが多く出てくるんだけど、どれもが魅力あるキャラにまでは成っていない印象。 他の方も言っているけど、イングマルがもて過ぎる。親はともかく、他人からあれ程モテるほど愛らしい性格に見えない。それどころか、最近ネットで見た「芦田愛菜が生まれるかと思っていたら、全然聞き分けのない子が生まれて凹んだ」みたいな話を思い起こすほど、扱いづらく見える。 最後に翻訳 戸田奈津子と出てきてビックリした。あの人英語以外の翻訳もやるの? それとも英語版からの孫翻訳? とにかく誤訳がありそうだなあと思って、後味が悪かった。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-29 08:34:44) (良:1票) |
134.子供の成長過程を描いている作品だが、全く共感出来なかった。北欧の国とは環境が随分違うようだ。主人公イングマルはいじめられっ子だったが、曲げることなく強い子であり、大人になるにつれて色々な感情が芽生えてくる。いいお話しではありました。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 4点(2017-08-03 02:24:45) |
133.母子家庭で母が病気であったり、親戚の家に預けられたり、愛犬の死を知らされたりと、悲しいことがあるとスプートニクに乗せられたライカ犬よりは不幸じゃないと自分に言い聞かせる。子供といえども悲しみに立ち向かうにはそれなりの自己暗示が必要なのだ。様々な運命に振り回されながらも、イングマルを取り巻く大人たち、子供たちが押しつけがましくなく優しいのが観ていて癒やされる。イングマル役の演技もさることながらボーイッシュな少女のかわいさにもやられてしまう。好み30/50、演出8/15、脚本10/15、演技9/10、技術7/10、合計64/100→6/10点 |
132.《ネタバレ》 まぁ昔のスウェーデンはこんな感じだったんだろうね~と思わせる、のどかで平和な雰囲気がいいですね。しかし肝心の内容はあまり各人物がそれほど目立たない今一つ印象の薄いものだったかな? 正直犬との対比もピンと来なかったし、まぁ当時の世相を伺えるものでゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-25 07:01:08) (良:1票) |
131.すごく期待してみたけど、とっても退屈に感じてしまった。 |
★130.のどかな風景やちょっとおかしな人たちに囲まれて成長していくイングマル、、、なんだけど、肝心の成長がそんなに感じられず。異性への関心も、いまいち中途半端。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-16 16:12:22) |
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129.《ネタバレ》 イングマルを見てると、子供ってつくづく面倒臭いものだと思わされる。 でも、自分も多かれ少なかれ幼い頃はそうだったのかも。 決して悪気はないけど、空気が読めずに面倒なときに面倒な事をしてくれる。 イングマルと母との間にはもちろん愛情はあるものの、病気や父の不在などの影響もあって噛み合わない部分が感じられたが、イングマルより母の方に同情してしまう。 余裕のあるときには温かい目で相手をしてやれるが、ないときはイライラしたりもする。 それがこの作品に出てくる都会人と田舎の人の違いで、イングマルへの対応にはっきり出ていた。 不幸な境遇にある少年は、いつも宇宙船に乗せられたライカ犬よりはマシだと自分を慰める。 母や愛犬の死で傷ついた心も、一風変わった人達に囲まれた田舎での心豊かな生活でずいぶんと癒されただろう。 この年代なら男同士のエピソードがメインのはずだけど、お国柄が違うのか異性とのエピソードばかり。 雰囲気は悪くないのだけれど、琴線には触れなかった。 こういう子供が主人公の話は、その頃の自分と重なる部分がないと共感するのが難しい。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 4点(2014-08-12 21:09:29) |
128.60年以上も前の時代設定で30年程前に作られた映画ですが、スウェーデンでは今でもこの映画に出てきたような村社会が残っているのでしょうかね。この共同体の中で主人公の悲しみが無理やりにでなく自然に癒されていく様子がとてもいい感じに描かれていました。映画の中の登場人物の暮らし方を見るとこの国は当時からいわゆる先進国だったんですね。素直に面白い映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-08-09 10:56:43) |
127.《ネタバレ》 病気のお母さんがどういう気持ちでいたのか、もしかして子供らにちょっと冷たいお母さんだったのか、それは謎のまま。ふつう私たちは家族の愛情、特に母親の愛に支えられて厳しい世間に出ていく、とイメージしている。そこでも家族の絆が支えになっていて、やがて歳をとれば、自分の親や家族のことを改めて振り返り、その絆を確認したりもする。けどこの映画は逆だ。少年は、病弱だが「本ばかり読んでる」お母さんとの絆にずっと悩んでいる。あらかじめ失われた絆をどうすれば結びなおせるのか、どうすればよかったのかと考える。「犬のような人生」だと考え、人工衛星に乗せられたライカ犬より「自分はまだマシ」と慰める。ところが過酷に見えた外の世界ではあったが、叔父さん夫婦やその周りの人々、学校や新しい仲間、男の子のふりをしている美しい少女とのつきあい、それらみんなが少年を慰め、見守り、成長させて行く。そうやって少年の傷をいやしていく。もしかして、こちらの方がより真実に近いのかもしれない。そしてこう考える方が救われる。元気が出てくる。すばらしい映画だった。 【柚】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-07-18 01:26:39) |
126.叔父さん夫婦がまたいいキャラで救われます。「犬のような人生」、の犬はライカ犬と常に比較しているところから、「自分はまだマシ」と思うようにしているイングマルの幼いながらも自己防衛の本能からだろう。お母さんは本当にあの兄弟に手を焼いて早く手放したかったのか、病を移したくなかったのか、、、子供が知りうる限度でのみストーリーが進んでいくのがすばらしい。 || ところで、大人の言うことをそのまま信じてしまう「うぶ」な頃ってあったなあ、と思い出す。自分もいまだにあれはだまされたのかな、と記憶していることがある。。イングマルも本当に犬がまだホテルにいると思っていたのだ。それが嘘とわかったとき、裏切られた思いでいっぱいだったと思うが、それで、本当に大人への階段も上ったのだと思う。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-07-14 15:13:42) (良:1票) |
125.少年の成長と再生の物語、という内容だが普通とはちょっと雰囲気が違う作品。 面白くも切なく淡々と過ぎていくところに、少年少女の色恋が若干絡んでいる。地味だが異色でいいかも。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-07-11 22:35:06) (良:1票) |
124.少年を装った少女や屋根修理に専念する人、女性下着雑誌を読む老人など、一風変わった個性豊かなひとたちが何人も登場する。それが脈絡なくパラパラとページをめくるように続くのだが、雰囲気があって少しも嫌にならない。また犬を乗せたソ連の人工衛星やスウェーデンでのサッカーワールドカップやヘビー級チャンピオン誕生など50年代末の時代をよく表している。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-12-23 14:39:11) |
123.《ネタバレ》 やるせない悲しい現実の世界に生きる無垢な少年イングマル。結核を患うお母さんのために、彼は大好きな犬とも別れ、田舎の親戚の家にしばらく引き取られることに。美しい自然の世界で、自由奔放に生きる個性的な人々に出会い、イングマルは少しずつ大人になってゆく。常に屋根の修理をしている人、下着カタログを読んでもらうことで心の平穏を得る老人、ちょっとエッチなお姉さん、そしていつも男の格好をしている美少女・サガ。そんな何処かおかしなところがあるのだけど、とても魅力的な登場人物たちとの交流を通して、思春期入りたての子供たちの一瞬のきらめきを見事に捉えた本当に美しい映画でした。特に、心優しい人々ばかりの瑞々しい田舎の風景と対照的に、都会の大人たちがみんな冷酷なところが印象的。若き日のラッセ・ハルストレムの、その類稀なる才能の萌芽を充分堪能させてもらいました。 いつも男の子みたいに振舞っていたサガの切ない恋心が、めちゃくちゃ可愛かったー。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-27 10:20:45) |
122.《ネタバレ》 不思議な映画。異文化のせいで不思議なのか、もともと不思議なのか。時代は、スプートニク2号の飛んだ1957年11月3日と、ボクシングのインゲマルが世界チャンピオンになった1959年6月26日の間。不思議はたくさんある。次々と家庭で問題を起こすイングマンが、不幸な運命に見舞われ、それを克服する物語のはずが、あまりにモテすぎ。お医者さんごっこできる仲のガール・フレンドがいて、田舎に行けば男装の美少女サガとクラスメートの一人から好かれ、優しいグラマー美人にも可愛がられる。最後も男装を解いて少女となったサガと添い寝。バラ色の人生である。どうして二枚目でもないのにモテる設定にしたのか?母親が重篤となり入院し、伯父の元で育てられる次第となるが、そんな大変なときにどうして父親が戻らないのか。治癒が難しい結核であれば尚更のこと。可愛い息子たちに電話もよこさないのか?不思議な人が多く登場する。緑色の髪の少年や男装の少女は置くとして、おちゃらけたレコードばかりかけ、他人の土地に東屋を建てる人、ランジェリー・カタログが好きな老人、乳房のモチーフが好きな芸術家、がらくたで宇宙船の乗り物を作る人、屋根を修繕し続ける人、自転車で綱渡りする人、雪の川で泳ぐ人、みな魅力的だが、揃い過ぎると作為がみえてしまう。最重要な母の死を直接描かないのでわかりづらい。悲劇があってこそ、豊かなユーモアに溢れた周囲の人間の姿やみずみずしくも美しい子供たちの成長していく姿が輝いて見えるのに。クライマックスに欠けるのだ。描かないことで想像させ、詩的に昇華させる手法だろうが、高尚すぎる。ところで母親な本当に死んだのか?犬が死んだ時のほうが落ち込んでいる。コップの水は飲めるのにコップの牛乳を飲めないのはどうしてか。犬の死を知り東屋に閉じこもるが、このとき終始ニヤついているように見える。演技に難あり。犬のふりして吠える姿が心に響かない。サガはどうして犬が死んだのを知っていたのか?イングマルとサガはどうして世紀の一戦のラジオを聞かないで寝ているのか。わざわざそれを聞くためにサガの家に行ったのに。遊び疲れて寝たのだろうが、納得しかねる。最後は屋根の修復を続けるおじさんで締め。これは「人生とは心の傷を修復し続けることだ」というメタファーだろう。これはわかり易い。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-24 09:20:39) |
121.《ネタバレ》 ○主人公の境遇はいろいろ変わるが、ほのぼのさせられる。思春期のちょっとしたエロもいいスパイス。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-03 01:13:34) |
120.《ネタバレ》 星空を見上げながら誰々に比べればマシだと自分を慰めるイングマル、もう一つ思うことは「ママが元気なときにもっと話せばよかった」という後悔。どんなにガミガミ言われても、子供はお母さんを嫌いになれないものだ。そして距離を置いて見ることで子供ながらにいろいろなことが見えてくる、分かってくる。悲しい話なのに、それをあまり感じさせず、逆に少年時代の楽しさや、懐かしさを思い起こさせる映画。国も時代も境遇も違うのに不思議…。イングマルに笑顔が戻って良かった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-09 21:07:11) |