159.《ネタバレ》 前作と違い、『脅迫されて借金返済からのスタート』だから、最初から気持ちが萎えちゃいますね。
前作の良さは、一人一人の特性を活かした一大作戦の面白さ。正統派泥棒活劇。
今作にはそれがありません。メインを除いて、個性が死んじゃってます。
更には、ルマークという強力な第3者の力が、今回の作戦成功のカギというのも情けない話。つまりは、終盤ライナスやテスが繰り広げた卵強奪のドタバタはすべて茶番だったってことですもんね。そこから参加のソールなんて、ピエロも良いとこです。
オーシャンズを留置所から連れ出したFBIグループ、『実はライナスの母親でした。』
『ファベルジェの卵は実はオーシャンズが先に盗み出していました。』
この『実は・・・』というのが、今作のキーワード。
『結果』を先に見せて、そのプロセスを『実はこうなっていた』、と、後だしで真相を明らかにするパターン。面白いんですけどね、このパターン。『ああ、そーゆーことだったのか。』ってなるに決まっているし。ダニーやラスティのほうが、一枚も二枚も上手でしたって印象付けられるし。
ただそーなってくると、純粋にオーシャンズの力だけで勝ち取った前作に比べて、チーム戦ならではの爽快感がなくなります。
ついでに言うと、今作は観る人に対して明らかに不親切です。はっきり言って凄くわかりにくいです。『難しい』のではなく、『わかりにくい』のです。何度も巻き戻して確認するわけです。
ラストまで観ると、それなりに面白かったとは思えるんですけど、なんかノリと勢いでごまかされた気分です。
『ナイト・フォックス』にしても、どれだけの天才大泥棒かと思いきや、『知略』ではなく『体術』の達人。そんなんやり始めたら何でもアリになってしまう。
最終的には、借金返済は、勝負に負けたリッチピープルのナイト・フォックスが全部やってくれます。オーシャンズはビタ一文払っていないのが、まあ良かったです。それに『これからナイト・フォックスが、結局カジノから盗っちゃうぜ』って予感させる引きもよいです。
ただやはり個人的には、オーシャンズの活躍を見たかったわけであります。
『借金返さねーと、全員あの世行きだぜ』って言うやつから、更に金を盗むくらいの話が見たかったです。
今回は、実際仕事しているのは6人くらいなので、6点あげますね。