7.《ネタバレ》 実はピーター・セラーズズの出演作品も苦手なほうで観ていないといっていい。
それがこれを観て、観てみようかな?と思いましたから・・
そんな私がなぜこの作品を観たのか?
主役がジェフリー・ラッシュだからです。
舞台俳優で史劇俳優のお手本のような人がコメディなんか合うのだろうか??
しかも共演があのシャーリーズ・セロンときている(両方オスカーです)
はっきりいって、ピーター・セラーズ苦手だった私は揺れています。
これからセラーズの作品を鑑賞する機会があるかもしれません。
セラーズについては全く知らないのでこの作品で判断すると危険なのですが・・
まずオープニングがセンスいいアニメ(ビートルズのイエローサブマリンみたいな)
で、プッシーキャット(子猫チャン)の歌が流れます。
幕が上がりコメディのような人生物語が始まりますが・・
映画の演出も見事で何役もラッシュが演じ分けていて面白い。
現存する役者の中で一番うまい人だと思っていた自分がうれしいです。
これもセラーズという役者がうまかったからうまい役者でないとだめなんですよね。
いや、だからセラーズを誤解して観ていないのもあった。
博士の異常な愛情はリメイクされればこの映像描写で・・
というほど見事な色使いでした。
「チャンス」につながる場面では感動して泣きそうになりました。
空っぽの俳優だから何にでもなれるというのは痛いですよね。
自分がないんだから。
こういう映画を観るとありきたりな言葉が浮かんできます。
人生は自分探しのたび・・セラーズが自分を見つけたのは最後の「チャンス」
あの池を傘をさし歩くシーンがとてもいいですよ。
エンディングが最高にいいのが後味が微妙に残りいいです。
こういう自伝は泣かせ系に走ったほうが感動作として成功しやすいものですが、
逆にこのエンディングは品を感じさせ今でもセラーズが生きているかのような切なさも。
ところで・・「博士の異常な愛情」について大変な誤解をしていました。
私がいかにピーター・セラーズを知らなかったかがわかります。
う~ん・・「ピータ・セラーズの愛し方」この作品に本人はもちろん出てないけれど、
セラーズの人生のメイキングとでもいえるできばえです。