133.《ネタバレ》 ここでの評価が極端に分かれていたので、
興味を持ちました。実際に観て確かに評価の分かれる内容
ではありますが、自分的にはほのぼのとした青春の情景が
嫌いではありません。
もっとスクールカーストを露骨にどぎつく描いた作品か思った
のですが、意外とまったりとした青春映画という感じでした。
そもそも世に言われているスクールカーストというのもはたから
想像するよりも実態はこんな感じのものなのでしょうか。
鈴木先生とか他の学園ものと比べて、子供たちの演技にメリハリ
がなくだらだら感があったのですが、それは監督が過剰演技を
排除した結果なのでしょうか。まあこういうのもありなのかなと
は思いました。
この映画のキモはやっぱり、桐島君本人が全く登場せず(終盤に
映画部の連中が屋上に上がる階段のところですれ違うのが彼だと
いうことらしいですが)、彼がバレー部を辞める理由も明らかに
ならないまま話が進行するところで、やはり映画史に残るプロット
ではあると思います。
終盤のゾンビシーンは「カメラを止めるな」を彷彿とさせて、もし
かしたら、この映画からヒントを得たのでしょうか。
ところで一つひっかかったのは、バレー部は桐島君のワンマンチーム
のようで、それゆえ彼が抜けた影響が大きいという設定なのですが、
一方で彼のポジションはリベロだというところです。
バレー部の花形ポジションといえば長身のエースアタッカーであり、
小柄なリベロは日陰の存在。桐島君が校内の人気者という設定には
似合わないような気がします。スラリとした梨紗ちゃんにはやはり
長身男子ではないのでしょうか。(この頃の山本美月さんって
むちゃくちゃ可愛かったんですね)
桐島君がエースでその代役をさせられるのが久保君の方が良かった
のではないかと思うのですが、作者の意図を聞いてみたいです。
最後に、高校生たちがやたら使っていた「提出」という言葉。
これって今どきの高校生たちの言葉なんでしょうか。自分が
高校生の時には皆無でした。逆によく使った「サテン」とか
は全く使われないのですね。