4.《ネタバレ》 馬鹿馬鹿しいほどに悪趣味なB級モンスター映画であることは明らかなのに、想定外のクオリティーを見せ、世の好事家たちを興奮のるつぼに叩き込んだ前作はサイコーだった。
続編の製作が早々に決まったということで期待はあるにはあったが、前作とは監督が変わってしまった時点で、この続編がB級以下の映画に成り下がってしまうことはある程度予想できた。
そもそもが“お下劣上等!”のスタンスで臨んでいる映画なのだから、間違っても真っ当な娯楽映画的なクオリティーを求めるべきではないのだ。
そうやってハードルを十二分に下げ切って、ある意味開き直って鑑賞に至れれば、まだまだ楽しめる映画だとは思う。
前作に対してピラニアの恐ろしさも、被害の規模も明らかに縮小してしまっているが、その分というかなんというか、エロさと、ナンセンスなユーモアは、過剰な程に増幅している。
前作よりもユーモアとしての程度は遥かに低く、映画としての良さには全く繋がっていないが、馬鹿馬鹿しさと悪趣味さは、より突っ切っている。
「ナイトライダー」のデヴィッド・ハッセルホフが本人役の自虐的キャラクターとして登場するくだりや、彼と絡む“坊や”の顛末などは、無意味さと悪趣味さが脇目も振らずに突っ走っているようで、それに対して悪態をつく方が馬鹿らしく思え、逆に印象深い。
“悪役”と言えるキャラクターが二人登場するが、両者とも“ピラニア”に襲われるのではないのに誰よりも痛々しい死に方をするのが、この映画世界のブラック性を象徴しているようで良かった。
間違いなくクソ映画だけれど、鼻糞でもほじりながら無意味に馬鹿馬鹿しいというか、はっきり「バカ」な展開と、“おっぱい”を楽しめば、それで充分だろう。
個人的には、前作に続きクリストファー・ロイドの健在ぶりを確認出来ただけで良し。