120.要するにヌーベルバーグというのは、「雑に撮りました」ってことですかね。配管むき出しやコンクリート打ちっぱなしの建物がかえってカッコいいみたいな。 ヒロインが魅力的だったのでずっと見続けましたが、ストーリーがどうのこうのより、撮影すること自体を楽しんでいる感じ。実験は実験室だけで完結してほしかったという気がしないでもありません。 そして何より、時代が違うとはいえ、チェーンスモーカーぶりがひどい。まるでこちらの周囲まで煙たくなりそう。もしかすると、それも実験の一部だったのかな。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-10-05 01:50:28) |
119.《ネタバレ》 ~À bout de souffle~息が続かない、息切れ。内容と結びつきにくいタイトルだ。 車を盗んで白バイに追われ、警官を撃ってしまうミシェル。セフレから金を盗み、元カノの部屋に勝手に入ってイチャイチャ。 何とも場当たり的でいい加減な主人公だ。でもこういう男はモテる。…まぁ映画を見てない女性にミシェルのマネをしても、ウザがられるだけだろうけど。 仕事に勉強に頑張ってるインテリっぽいパトリシアと、ヤりたい感アリアリな、ちょっと幼稚なミシェル。会話も噛み合ってるんだかズレてるんだか。 パトリシアとのイチャラブが延々と続き、見ていてなんかもう勝手にしろよ…って気持ちを邦題にしたんだろうか? だけどカメラワークや音楽の入り方は印象的で美しく、ミシェルの見せ方は格好良く、パトリシアの仕草は可愛いのだ。 パトリシアがエスカレーターに乗るシーンがやけに心に残ってる。何でかはわからないけど。 そうそう、灰皿あるんだから、使えよ。 タイトルは知っていた。ヌーベルバーグも何となく知っていたが、作品自体観るのは今回初めて。どんなレビューを書けば良いのか難しい作品だった。 映画を料理に例えると、この映画は料理全体の完成度より、使われた調味料の新しさが話題になったのかもしれない。 胡椒、ターメリック、マヨネーズ、パクチー…後年どの家庭にもある調味料。 今ではもう当たり前に口にしている味なので衝撃は受けないけど、最初に世の中に登場した時は凄かったんだろうな…なんて。 そんな感じで観たけど、万が一こういうのが映画の主流になっていたら、私は映画について行かなかったかも。 イメージビデオっぽくもあって、間接照明の部屋とかで垂れ流してたらお洒落そう。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-03-06 23:58:55) (良:1票) |
118.会話と雰囲気を楽しむ映画なのだろうが、実験国家としてある意味似たもの同士である米仏の近親憎悪的関係を理解していないと、2人のやりとりがよくわからないのかもしれない。 |
117.《ネタバレ》 英題"Breathless"が邦題と全然違うので、一度観たのに間違えてprime videoで買ってしまった。ベルモンドがスカートめくるシーンで気づいた。映画史上最もアホなBGMを使った作品ではないだろうか。全てが滑稽。アメリカ女がハリウッドのメタファーで、ベルモンドがフランス映画のメタファーで、「映画は自由であるべき」ということを表現したかったのだろうか。こんな映画は他に無い。 【なす】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-21 10:48:20) |
116.《ネタバレ》 歴史的作品。と理解はできるのだが、今見ると、ちょっと退屈。特に、音楽の使い方が。ピエロの方は、そうでもなかったのだが。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-04-25 14:56:22) |
115.ゲリラ撮影、即興演出、ジャンプカットと、メジャースタジオとは真逆の、型に嵌らない映画製作が世界中に革命をもたらした"映画史の教科書的名作"。リアルタイムで見ていたら衝撃を受けていたかもしれない"常識を覆す映画"だったが、独立系映画で嫌ってほど見る現在となっては"かつて常識を覆した映画"でしかない。映画史において避けては通れないし、お洒落で勿体ぶった雰囲気である以上、高評価を付けなければならない空気はあるが、自分は頭の良い馬鹿ではないので感覚的にこの点数。しかし、"コロンブスの卵"的な立ち位置であることに未来栄光変わりはない。 |
114.初見時はあまりの退屈さに、パトリシアの家での延々と続く会話シーンで鑑賞を断念したのですが、あれから3年がたった今、改めて観てみると意外と楽しめました。退屈で仕方がなかった二人の会話がなぜかとても楽しく感じたのです。二人の会話はまるで噛み合わず、好みも異なる。そんな二人がお互いを試し合い、騙し合う姿が素敵でした。ぶつ切り編集とテンポの良さ、観客への独白など、ゴダールの魅力が詰まった作品だと思います。ゴダールの映画は娯楽映画ではないから、楽しめない人には全く楽しめません。ヌーヴェルヴァーグは自主制作映画のようなもの。大学生の自主制作映画はエゴのかたまりで、とてもじゃないけど娯楽作とは言えないものが多いでしょ?私だってゴダールは苦手だけど、本作は良い!と思っただけのこと。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-11-19 11:11:37) |
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112.《ネタバレ》 全編に渡るモノクロタッチ、唐突なぶつ切りカット、カメラ目線での観客への語りかけ…。気狂いピエロに通ずるゴダールの革命的な手法が存分に楽しめました。 特に男と女の会話での洒落たセリフは、こりゃフランス人じゃなきゃ思いつかないようなセンスであり、理性のフィルターを通さない感情むきだしなもので、何か分かんないけどすげーイカしてると思いました。 まあこの作品は最初からストーリーはあってないようなもんだろうと思っていたので、むしろ思ったよりストーリーというか話の展開はあるじゃんと思ったくらいです笑。 ヤらせろヤらせろと素直すぎるアプローチばかりをするミシェルも、分からない時は分からないと本当に考える事なくボンボン発言するパトリシアも僕にとってはめちゃめちゃ魅力的。 本当に思考がなくて、感情の赴くままに生きている彼らの感じ。2014年の日本では憧れる人も多いんじゃないでしょうか。と思ってみたりして。 |
★111.《ネタバレ》 わたくし、はっきり言ってゴダールは嫌いですけど、本作だけは別。50年代にこんな映画を撮るなんて、もう間違いなく映画に革命を起こした様なものだったんでしょうね。映画で出来るなら、って現実世界でも革命を起こせるとと勘違いしちゃったのがゴダールの間違いだったわけです。 ジャンプ・カットを考案したいきさつやら脚本がなくてほとんど即興撮影だったことなどはすっかり知れ渡っていますが、やはりベルモンドとセバーグの即興会話に注目です。意味のない駄ばなしみたいに聞こえますが良く聞くとちゃんと詩的な対話になっていると思うんです、もっともベルモンドの方はただひたすら「やりたい」を繰り返している様にも感じますが(笑)。これはこの二人の俳優としての素質の高さがなせる業だと感じます。 そしてジーン・セバーグ、彼女の顔の整った美しさはオードリー・ヘプバーンをも凌駕してます。セシル・カットの絶妙さといい、現代でも十分通用する美女だと思います。若くしてこの世を去ってしまったのは実に残念です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-05-08 20:42:30) |
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110.《ネタバレ》 つまらないストーリーで退屈。 男が執拗に関係を迫るくどきを延々と数十分も観させれられても苦痛。。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 4点(2014-03-22 01:29:22) |
109.《ネタバレ》 個人的にゴダールは「はなればなれに」や「女は女である」、「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」といった小品の方が好きだし、未だに「勝手にしやがれ」や「女と男のいる舗道」「気狂いピエロ」なんて退屈な映画の衝撃が延々と語られ続ける現状に違和感を覚える。 ジャン=ピエール・メルヴィルが長々とインタビュー受けるわ、「大人は判ってくれない」で助監やってたフィリップ・ド・ブロカがカメオ出演しくさるわ、この映画の監督本人が主人公を“殺す”キッカケを生むフザケ振り(短編でもジャン=ポール・ベルモンドの吹き替えを敢行した男)。ヒッチコックでもここまでやらんわ。観客をナメ腐った腹立たしいほど遊んでやがる。その遊び心にハマる奴はハマる中毒性。 ストーリーはシンプルかつ面白い。盗んだ車で走って逃げて殺して逃げて盗んで女ひっかけて逃げて盗んで逃げて盗んで逃げてを延々と繰り返す。盗みやっといてあーだーこーだ言い訳ごねる映画です(多分)。 帽子を被った主人公のミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が颯爽と登場、様子を伺う顔・顔・顔、配線を繋いで盗んだ車で走り出す。 手に入れた得物を乗り回してはしゃぎ、我が物顔で独り言をほざき散らす。 タランティーノといいホークスのマシンガン・トークといい、この手の映画は字幕を追うなどという退屈な作業は避けた方がいい。たとえ山田宏一や蓮實重彦といった面々がこさえた最高の字幕だったとしても、原語で聞き映像だけを追った方が楽しいし面白い。 フランスの田園風景を疾走するのどかさ、主人公も半分浮かれながら見えざる追っ手の存在に不安を抱き始める。ブツ切りの音楽、変な飛び方をするカットが気になる。最初はイライラするが、何時の間にか慣れてしまう不思議。 白バイとのジリジリした追いかけっこ。 ショートのパトリシア(ジーン・セバーグ)も良いが、途中出てくるセミロングの黒髪の女性の方がそそられる。男の誘いに服を一枚一枚脱ぐように折れてしまう女心。この一連のシーンは物凄く退屈だが、物凄く心地良い退屈さでもある。 ところどころで警察と入れ違うスリル、トイレでの盗み、妙に暗いエレベーターにおける緊張。 ラストシーンの何とも言えない切なさ。 徐々に弱々しくなり、力なく地べたに倒れる姿。最期の言葉はそのままの意味か、それとも自分に対しての言葉だったのか。それはミシェルにしか解らない。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-28 19:12:36) |
108.《ネタバレ》 雰囲気はあるけどストーリーはこれといったものがなくて惹かれない。 このオシャレな雰囲気に酔える人には面白いと思うが、エンターテイメントとして好き嫌いが分かれそう。 フランス映画らしい男女の小洒落たセリフには共感できず、ベッドでの会話がやたらと長くて退屈だった。 そして、その退屈感こそが男と女に真の会話が成り立っていないことを示す監督の狙いの一つでもある。 なので、そこを面白いと思えないとこの作品を好きになれない。 インタビューでの作家の禅問答のような答えもストーリーに意味ありげに関わっているが、これも気取ったようで好みじゃない。 ヌーヴェルヴァーグは他の作品でもピンと来なかったし、相性が悪いのかも。 若き日のジャン=ポール・ベルモンドとベリーショートのジーン・セバーグの姿が新鮮。 その後のセパーグの短くも波乱に満ちた人生を知り、悲しい結末が惜しまれる。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-09-16 21:45:01) |
107.映画を作る上での常識を覆した作品と思います。計算し尽くした映画作りというよりも、その場のノリや雰囲気でどんどん撮っていっちゃった感じがします。肩の力が抜けた感じの作風が魅力とですね。しかし、全てにおいて荒いです。そこをつくと映画を全否定してしまう気もしますが。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2013-08-14 11:42:54) |
【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-05-04 23:26:03) |
105.ヌーヴェル・ヴァーグの代表作で、ストーリーはほぼ0点、演出はほぼ満点という、 いかにも鑑賞者の感性で評価が別れそうな作品。ジャン・ポール・ベルモンドはまだ若くて、 本作ではとぼけたカッコよさがあり、恋人役の女の子もコケティッシュでかわいい。 初期のルパン三世が、このあたりの作品の影響を受けていることがよくわかる。 映像、音楽面でも出来はいい洒落た映画。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-05-17 08:03:38) |
104.《ネタバレ》 突き放したような乾いたタッチと小じゃれた男女間の会話。やたら紫煙を上げる煙草。セシルカットが世界一似合う首筋も美しいジーン・セバーグと縞模様のワンピース。おしゃれです。でも上辺だけです。人物も話も美しくない。男の反応を見るために妊娠をちらつかせる女と、“お前のせい”と冷淡な男。チャラ男とヒキョーな女がいちゃついているのを見せられてもなにも響いてこないのです。こういう斜に構えた雰囲気が当時はウケた、ということなのでしょうか。私はどうも。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-11 00:53:15) |
103.《ネタバレ》 登場人物に感情移入しながら一歩引いて物語を鑑賞するという従来の映画の殻を破り、映画の中に入って心地よい映像と音楽に身をまかせて体験(トリップ)するタイプの映画。粒子の粗いフィルム、俳優のカメラ目線、人体の極端なアップ等、妙に生々しい演出になっている。何よりも映像のリズムを重視している。男が警官を射殺する場面の極端に省略された編集に注目。これだけで従来にない映画とわかる。又アングルを固定して多カットでつなぐ手法は、外での撮影の場合、背景がどんどん変わる。それでいて会話はぶつ切になっていない。何とも斬新な手法だ。言葉は途切れることなく、背景音楽のように流れ続ける。会話のほとんどは気の利いた愛の科白や人生の警句で、それはそれで心に残るが、それがそのまま意味を持つというよりも、サブリミナルのように意識下に語りかけてくる。ストーリーの流れもタメやユーモアがなく、ノンストップ状態。俳優以外の人(エキストラ)がカメラや俳優をのぞき込んだり、まるで観客が映画撮影の現場に居あわせているようでもある。このように意図的に作成された言葉と映像のリズムに乗る事により、従来にない疾走感を体験できる。◆物語は単純。車の盗難を稼業とする男が警官を射殺してしまう。男は惚れている女の所に行き、ローマに行こうと誘う。女は男を愛しているかどうか分らない。男が女を愛しているといえば言うほど嘘に聞こえる。パリでしたい事もある。迷っている間に男は刑事に追い込まれる。女は密告し、男は射殺される。◆男は人生に絶望しかけており、息も絶え絶え(breathless、英語の原題)だ。その象徴が煙草を吸い続ける事であり、しかめっ面をする事。てっとり早く金を稼いで、女とヤリたいだけ。だが最後に男は気づく。「くやしいけど女のことが頭から離れない」初めて恋を知ったのだ。次の瞬間男は射殺される。「最低だ」という科白は女にではなく、自分に向けられた言葉。◆女は愛よりも自由を選んだ。妊娠していることも気にしていない。だが朗読するフォークナーの「野生の棕櫚」は「医学生と人妻が駆け落ちするが、人妻は堕胎手術に失敗して命を落とす」という内容で、女の将来を暗示する。◆唇を指でぬぐう仕草は、強い決意の表れ。女はラストシーンでこの仕草をするが、それは男との別れの決意。そしてカメラ目線で観客と一瞬向き合い、背を向ける。女と観客の体験が終了したのだ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-11 03:16:30) |
102.《ネタバレ》 ハイ 初ゴダールです なるほどこれがヌーヴェルヴァーグと呼ばれるものの代表作なんですね~ 確かに独特な雰囲気がムンムン 多用される長回しと雑で粗い編集 事前にそれを知った上で観たけどそんなに驚きがなかったなぁ ということはなにげに この新しい手法がいろいろな作品に使われ 知らず知らずにそれを体感してしまっていた ということなのかな? と考えれば この当時にこんなモノをつくったことは 間違いなくスゴイ才能でしょう 中身に関しては …タバコよく吸ってるねぇ(タバコでタバコに火を付けての連続吸い+吸殻ポイ捨て!) ちと退屈な内容でそんなところが気になってシマイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-26 06:40:01) |
101.《ネタバレ》 たぶん3度目の鑑賞。これまではつまらないとしか思いませんでしたが、今回はちょっと面白かった。ワンシーンを細かくつないだ編集。複数のテイクを使ったのか、あえてつなぎをおかしくしてリズムを崩してあります。かと思うと、ミシェルとパトリシアの場面では、長回しを使ったり。あとは、アメリカがモチーフとなっているようです。パトリシアはアメリカ人だし、ミシェルはハンフリー・ボガートにあこがれている様子。それと、アメリカ車がたびたび話題になっています。アメリカに倣ったということで、暗にアメリカを揶揄しているとも思えます。 ただし、それ以外は相変わらずつまらない。特にミシェルとパトリシアの会話は退屈。話の流れも、警官を殺して警察に追われているのだということが、今回初めてわかったような。多少の面白さはありますが、個人的には「ジャン=ポール・ベルモンドが人気スターになった」という以上の価値は感じられません。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-22 21:39:16) |