★1.《ネタバレ》 70年代に流行ったパニック・サスペンス大作がひと段落してた頃、作るべくして撮られたパニック映画のパロディものです。などと言っちゃうと(でも他に言いようがないんです)といかにも志しが低いと感じますが、意外とムダに豪華なキャスティングではあります。と言ってもネッド・ビィーティやリン・レッドグレーヴなどの渋い顔ぶれですけどね。 プロットははっきり言って超おバカです。バス会社がなぜか社運をかけて原子力バス(!)を開発してNY→デンバー間のノン・ストップ路線を始めるという、バカバカしさ満開のプロットで嬉しくなってしまいます。それを劇中に説明がないんで正体不明の“アイアンマン”という大富豪が爆弾を仕掛けて妨害しようとします。“アイアンマン”と言っても例のアメコミヒーローではなく、なぜかいつも鉄の肺(そういや昔こんな医療器具がありましたね、たしかポリオ治療用だったかな)に入っていて顔だけ出して部下に命令するヘンな奴、これを名優メル・ファーラーにやらせるんだから泣けてきます。考えてみると、お話自体は『チキチキマシン猛レース』みたいな感じです。小ネタのギャグでくすぐりながら20分経ってようやく原子力バス・サイプロス号が登場、驚くことに二階建てバスを二台繋げて実走するプロップを造っちゃったんですよ。最後部にジェット・バスですからジェット・ノズルもちゃんとつけてあり、このモンスター・バスが走ること走ること。まあそれだけが見どころの映画ではありますけど。 このバスが走り出してからの車中で繰り広げられるギャグは、前半のキレがなくてグダグダしてるだけの典型的なB級コメディです。まあ若き日のストッカード・チャニングがエリザベス・テイラーにそっくりだったことを再認識できたことが、この映画の唯一の収穫だったかな。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-10 23:30:20) |