★13.《ネタバレ》 70年代に『フレンチ・コネション』でこのジャンルの頂点を極めたフリードキンなのに、80年代にまた刑事ものを撮るとはほんと晩節(という歳でもないか)を汚すようなことは控えて欲しかった、というのが観る前の率直な印象でした。本作のウィリアム・ピーターセンとジミー・ドイル刑事の共通点はどっちもちょっと頭がおかしいんじゃない?と言いたくなる行動力。でもピーターセンの蛮行はジーン・ハックマンを凌駕しています。なんせ捜査官のくせに捜査用の資金捻出のために誘拐・現金強奪、しかもそれがFBIのおとり捜査だったとはシャレになりません。いくらフィクションでもこれは捜査官としてはアウトでしょ、こういう狂ったキャラを描かせたらフリードキンの独壇場です。そしてフリードキンらしさが迸るのがやはりカーチェイスで、絵面的には地味目だけどけっこう凄いことやってます。逆走シーンでは、猛スピードで飛ばしてるのに相棒が身を乗り出して「どけ、どけ!」と叫び続けるのが可笑しいなんか。やたら80年代っぽい音楽をガンガン流してスタイリッシュを気取ってるけど、ドキュメンタリー・タッチだった『フレンチ・コネクション』の監督なのでなんか背伸びしすぎてるって感じがします。 ちなみにピーターセンは刑事ではなく財務省捜査局いわゆるシークレットサービスの所属で、それで冒頭の大統領警護のシークエンスがあるわけ。捜査権限は偽造通貨の取り締まりで、それで敵がウィレム・デフォーが率いるにせ札偽造団というわけです。もっとも9.11以降は財務省の管轄から離れてしまっているそうですけど。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-09-28 21:58:56) |
12.《ネタバレ》 「その男、凶暴につき」に影響を与えた映画だということで興味を持って観ましたが、なるほど、主人公の狂気やラストシーンでの相棒の変貌っぷりなど、かなり共通点の多い作品だと思いました。カーチェイスシーンは迫力あるし、全体になかなか緊張感があります。打ち込みによる音楽が今の耳には古くさくてちょっと残念ですが、良く言えば80年代の雰囲気は良く出てます。 【すらりん】さん [地上波(字幕)] 7点(2014-11-15 13:53:18) |
11.公開時にはまるでカーチェイスを売りにした作品のような紹介のされ方をしていたような記憶があるのですが、まあ確かにフレンチ・コネクションにかこつける(か、さもなくばエクソシストにかこつけるか)しか、配給元としては仕方がなかったのかな、と。なにせ、何ともクセのある、暗いオハナシ。ラストなんてまるで、松本清張作品のような、やりきれなさが残ります。だもんで、分かりやすい宣伝としては、カーチェイス凄いです、ってことになるのでしょうが、クラッシュシーンを連発する荒唐無稽なものではなく、基調はあくまで、リアリズム。主人公の車が反対車線を突っ走る場面が見所ですが、その車線には、撮影のために大量の自動車が配置されていて、そこをフレンチ・コネクションさながらに車載カメラが突っ切っていく。リアルさと誇張とがうまく噛み合って迫真のチェイスシーンになっているのは、丹念な撮影の賜物でしょう。さて物語はというと、これもフレンチ・コネクションみたいにハミ出し刑事が主人公(同じくカーアクションを備えるとともに、「2」みたいに走って追跡する場面もある)、しかしこちらは、橋からバンジージャンプするシーンにも象徴されるように、いささか無謀にハミ出し過ぎる刑事のオハナシで、事態がどんどん取り返しのつかない方向へ行ってしまう(なので観ててスカッとするような刑事アクション路線という訳にはいかず、暗い方向に)。さすがにこの主人公、「狂気」を感じさせるところまではいかないのが、作品としてよかったのかどうか、というところですが、あくまで一本気に突っ走る姿は、やはり印象的で、熱演といってよいでしょう。主人公とその相棒が話す場面はしばしば、切り返しをあまり用いず、一連の動作からの流れとともにワンカットで描写されたりしますが、そういったところがいかにも、行動のヒト、という感じ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-03 22:53:18) |
10.何かこう、これまでとちょっと違ったオシャレでスタイリッシュな刑事物を作ってやるぞうという意図は見えるのだが、脚本や演出が全然それについていっておらず、輪をかけて今聴くと脳天気なだけの音楽が邪魔をしまくっているという、悲しい作品。まさにこのダサさは85年ならでは。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-06-08 02:09:14) |
9.《ネタバレ》 昔観たかなと思いながら観たんですが、途中まではそこそこ面白いのですが途中から無茶な展開になり2回も観なけりゃよかったと思うはめになった。 銃で顔面を打たれる描写したかったんでしょうか、最後には主人公まで顔面撃たれてましたね。 【草のつるぎ】さん [地上波(字幕)] 4点(2014-05-24 15:05:54) |
8.《ネタバレ》 試写会で鑑賞しました。鑑賞直後は絶句してしまいました。いったい何を描きたかったのでしょうか、フリードキンは。しかし、何か引っかかるものがあって、その後繰り返し見ることになりました。そのたびに思い入れが増し、評価が高まってしまったのですが、理由は役者の魅力と素晴らしい音楽ですね。この映画の後、ウィレム・デフォーは「プラトーン」で大ブレイクを迎えます。主役のウィリアム・ピーターセンは低迷しますが、TVドラマ「CSI」で全米に名をとどろかすこととなります。そしてポップ・グループ、ワン・チャン(Wang Chung)による「To Live and Die in L.A.」や「Wait 」は実に映画にマッチしていて格好良い名曲と思います。冷静に考えるとストーリーは5,6点といったところですが、私の好みの映画なので、破滅へと向かう疾走感に10点献上です。 【ジャッカルの目】さん [試写会(字幕)] 10点(2010-11-09 01:40:34) |
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7.《ネタバレ》 この時期はなぜかポリスアクションが流行ってましたね。そんな時代の1本ですが、70年代に頂点を極めた監督の作品とは思えないほど珍妙な仕上がりとなっています。当時はかっこよく見えてたのか知りませんが、気の抜けるようなダサダサのスタイリッシュが画面を席巻。全裸のウィレム・デフォーが偽札を燃やすシーンには爆笑してしまいました。「新しい信仰 ”気にしない”という宗教」という意味のわからない歌詞の主題歌がいかにもかっこいいでしょってタイミングで流れたりと、フリードキンが柄にもないことやってんの丸出しで、見てる私が照れてしまう程です。とにかくこの映画で使われる曲はどれも意味不明で、サントラが欲しくなってしまいました。ただしそんな無様なスタイリッシュを除けば、フレンチ・コネクションの血を引いた無骨な刑事アクションとなっています。たまたま刑事やってるだけで根は悪人と変わらない主人公が、どんな手段を使っても標的を追い詰めるという漢の物語。主演は「ビースト/巨大イカの大逆襲」でおなじみのウィリアム・ピーターセン。「ビースト~」の時は胡散臭いおやじという印象だったピーターセンも、本作ではマシュー・マコノヒーを思わせるイケメンとして登場します。本当にかっこいいので女性方は驚いてください。そんなピーターセン演じるチャンス捜査官、彼女に対しては常に冷たく当たり、捜査についてもルール違反はへっちゃらな男の中の男なのですが、いかんせん弱いのが難点。すぐに敵の反撃を受け、準備してた捜査プランがどんどん悪い方向へと転がっていくバカっぷり。そしてラストでは、主人公なのにあんなことに…。リッグス刑事かアクセル刑事に弟子入りすることを強くお勧めしたい逸材です。それに対するはウィレム・デフォー。怪優のイメージの強い御仁ですが、本作ではミステリアスなイケメンカリスマ犯罪者として登場します。本当にかっこいいのでこちらも女性方必見です。そんなふたりの対決ですが、脚本の出来がいまひとつで話があちこちへ飛んでいってしまうので、対決という一番おいしい部分に焦点が合っていないのが残念。役者のハマり具合や話自体は悪くないので、もう少し整った脚本であればよかったと思います。冒頭の爆弾魔だとか明らかに必要のないエピソードが混じってるわりに、描くべき部分が端折られたりしていましたから。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-04-08 02:20:43) (良:1票) |
6.単に主人公が薄かったせいもあるだろうが、デフォーファンの間ではなかなか評価の高い作品。ウィリアム・フリードキンは「フレンチ・コネクション」や「エクソシスト」で大御所の仲間入りを果たしたかのように見えたが、結局普通の映画監督でしかないことをこの作品で決定的にさらけ出した。観る人の期待度にもよるだろうが、あまり期待せず、普通よりややレベルの低い刑事ドラマと思って見ればそれほど大きく裏切られることもないと思う。正直、デフォーのファンでもない限り、わざわざお金を出して観るほどの映画ではないと思うが。 【anemone】さん 5点(2003-11-29 18:06:26) |
5.途中なんかチープなところがあるのが気になる。もっと、デフォーの変態ぶりがみたかった。 【phantom】さん 6点(2002-08-23 03:13:16) |
4.<ネタバレスコシアリマス>最後まで観てしまうと・・・・・ねぇ・・・・・。主人公を殺してしまうのも良いですが、何か救いようのないストーリーでした。 【イマジン】さん 5点(2002-06-25 12:34:14) |
3.このポリス・ムービーが興味深いのは、善と悪との対決といった単純な図式で描いていない点で、同僚の復讐の為には汚い手口も厭わない主人公と、偽札造りに執念を燃やす犯罪者も、根は同じと言う事。ほとんど無名に近い俳優を使って、一種ドキュメンタリー・タッチで徹底的なリアリズムを演出し、些かのカタルシスももたらさないあたり、いかにもW・フリードキン監督らしい。フリーウェイを逆走する派手なカーアクションもあるが、基本的にはアメリカの病んだ生々しい現実と現代の不安感を追求した作品として見るべきで、生きた都市の息づかいを捉えた独特のロケーション映像は見事というしかない。 【ドラえもん】さん 7点(2002-04-26 17:50:42) |
2.フレンチ・コネクションの再現かと期待した人も多かったのでは? 【眼力王】さん 4点(2002-02-16 03:34:59) |
1.テンポはいいんだけど、話が好かない。映画自体の特徴がないんだよなぁ、、、、、車の逃走シーンはよかったけど、もっと全体的にぱっとしたつくりがないとねぇ。 【あろえりーな】さん 4点(2001-11-23 17:27:49) |