14.《ネタバレ》 西部の無法時代に鉄道が来るようになりアウトローが時代に葬られていく時代、というのはレオーネの「ウエスタン」を思い出せられたがずっと描写はコミカル。主人公ロイ・ビーンは当初はならず者連中を保安官にしてやりたい放題もだんだん口舌の徒や強欲な元娼婦らに富みをかすめ取られ、時代に取り残されつつも自分がルール、まだ見ぬ女優リリーへの忠節という信念だけは持ち続ける。 後段怒り爆発の痛快アクションの中で花と散り(?)、それなりのカタルシスもあるのですが、その後は油田もなくなりあっさり終わるのかと思いきや、最後に女優リリーが記念館となった酒場を訪れ、亡きビーンの思いに触れるラストには泣かされました。 【クリプトポネ】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-01-01 17:35:20) |
13.《ネタバレ》 酷評するコメントが一つも見当たらない中で勇気をもって言わせて頂きますと、自分にとってはこの映画は典型的な駄作。 冒頭から熊のように肥えた体を見せられた時点で、「ウワッ!イヤな予感!」と思い、立て続けに銃の乱発シーンも見せられれば、「はいこの映画、終了~」となってしまうわけなのであります。 こんなしょーもない映画を最後まで見た自分を褒めてあげたいと思う中で、読み取ったストーリーはというと、元々あった町には無法者が住み着いていて、そこにロイ・ビーンがやって来る。銃をブッ放して一網打尽にしたところで何処からともなくアンソニー・パーキンスが登場し、死者を弔って早々と退散(「その後、自分は死んだ」というモノローグでしたが、どこから語ってんだ?)。 熊を連れた男が現れ、熊を引き取って共に暮らすという展開になりますが、簡単に人を殺してしまうこれまでの流れを踏むと、熊だって同様に映画の最後までは生き延びることはできないだろうという事は容易に想像がつくわけで、元々の飼い主よりは画面に映る時間は長かったもののやはり大した役割やメタファーも与えられることのないまま死亡(死んだ時の血糊のリアリティのなさは失笑モノ)。 更に話は進み、白髪の殺し屋もさんざん叫び狂った挙句背後から撃たれて瞬殺だし(ここは笑うところ)、この土地は自分のものだと主張する弁護士もロイ・ビーンに軽くあしらわれ、ストーリーにおいての存在意義は熊にすら及ばずこちらも即終了という有様。これだけの脇役が町に現れては消えてゆくという展開の上、終盤の銃乱射に続く大迫力(笑)の町の炎上シーンの後に映画は完結・・・ともなれば、タイトル通り主人公ロイ・ビーンの物語と言うよりも、むしろ舞台となったこの町の沿革物語としたほうが良いような気もしてきます。 最後の手紙の内容も、まぁ、何となくお涙頂戴っぽい感じでフィニッシュに漕ぎ着けてはいますが、それまでのハチャメチャ感との落差には唖然とするしかなく、感動とはまた違った涙が出てきそうになりました。(て言うか、あれだけの大炎上で何で六法も手紙もポスターも焼けずに残ってんだ?) 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 4点(2014-02-12 00:25:00) |
12.《ネタバレ》 「西部の男」を視聴後、無性に本作が観たくなったので2周目鑑賞。そしたらもう見え方が全然違う。ロイ・ビーンといえば、①やりたい放題の悪徳判事②リリーに首ったけ な人。この先入観があり、かつロイ・ビーンというキャラクターが好きな私は、9点か10点かでかなり迷いました。先入観の助力があるからこそ「リリー」という名が出てきただけで笑っちゃうわけで。「あ、ロイ・ビーンの琴線に触れたなw」とその先の展開が予想できちゃうわけで。酔っ払いが銃を乱射してんのに全く無視なポーカー軍団がリリーのポスターに狙いを定めた瞬間に制裁を下すところなど、ユーモア以外の何物でもありません。ロイ・ビーンのキャラクターを前提として、一見「無茶苦茶」なところを「ユーモア」として楽しめるかどうかによって、前半のさりげない会話や無法者を処刑するシーンなどのイメージが大きく変わりそうです。 本作は最初から最後まで全て、ポール・ニューマン扮するロイ・ビーン中心に回っている。自分が世界の中心だ!自分が正しいと思ったことをやる!的な。現代の価値観で冷静に見ればロイ・ビーンの行動は「いや、違法行為じゃん」とか「そんなやり方は認められない」となるんですが、ロイ・ビーン本人としては全くそんなことを思ってないし気にしていない。というか、そんな考え方そのものがない。誰に何と言われようと、「自分の考えが正しい」と本気で思っている。そんなロイ・ビーンも時代の波には逆らえない。「自分が正しい」が通用しなくなる時代がやってくる。しかしそれでも、ロイ・ビーンはロイ・ビーンのまま。リリーへの絶対的な愛(崇拝)は忘れないしポーカーで勝てないところも変わらない。時が過ぎれば消えてしまうものかもしれないけど、そんな男がいたという証は子孫によって、また「記念館(笑うところ?)」によって僅かながらも繋がっていく。なんか上手く言い表せないけど、とにかく素晴らしい作品だと思います。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-30 05:27:50) |
11.《ネタバレ》 ○これもニューシネマの代表作。同じポール・ニューマン主演でも「明日に向って撃て!」とは一味も二味も違う。○他を逸するポール・ニューマンの存在感。憧れをもちつつ、正義に奔走する姿と時代遅れとなりながらもその姿勢を崩さず立ち向かう姿は素晴らしい。更に舞台を西部劇としたのもなかなか。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-10 21:42:19) |
★10.《ネタバレ》 純情一筋のポール・ニューマンが良かったですね。悪党をつるしまくったロイ・ビーンをファンタスティックに描いていますが、ひげもじゃでむさ苦しいながらもカッコよくてかわいいロイ・ビーン像はジョン・ヒューストンの実像とだぶるところがあります。ジャクリーン・ビゼットは私にとっての「リリー様」なので、全盛期の美しいビゼット様を拝めて感無量です。それにしてもクマのブルーノ君、信じられないような名演技でした。ブルーノ君のお墓が立派なのも爆笑でした。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-03 23:18:57) |
9.《ネタバレ》 「砂漠の流れ者」に似てますね。この時代の「男」を描く映画には「元気」がもらえる。熊が出てきた時点で、この映画は変わってる!と思いました。最後の大暴れで、酒屋の2階のテラスで 馬に乗って、ポーズを決めた時に、やってくれるよ!!と奮い立つような感動を覚えました。僕の感じたところでは、女優のポスターをべたべた貼ってたのは、綺麗な女性だな、くらいは感じてたかもしれませんが、ホントは妻のメキシコ女性が好きだったんじゃないか、と思います。照れ屋のビーンの、素直になれない男心ではないでしょうか?あの一見、やさおとこ風の弁護士にはむかついた。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-07-10 23:35:31) |
8.《ネタバレ》 子供の頃にテレビで見たっきりで大好きな映画だったのですが、ヒューストン生誕100年の昨年、ようやく再見することが叶いました。やってることはかなり残酷なのですが、冒頭で主人公が襲われ、金を巻き上げられる一連のシーンをサイレント喜劇を彷彿させる早送りとコミカルな音楽で見せるというとんでもなくアンバランスな演出を催すことでこの映画の残酷な面、主人公の残虐な面を「映画」と割り切って笑顔で迎え入れることができます。そして会ったこともない一人の女優をひたすらに愛し続ける主人公の無邪気さと正直さが、この身勝手な主人公を愛さずにはおれなくする。どうやったって会えないことがこの男に下された刑罰なのかもしれません。彼がいなくなった彼がいた場所に女優がやってくるといういかにもな、そして安っぽいドラマのようなシーンがなぜか子供の頃は好きでした。一度去り、再び帰ってくる「破壊」のシーンは脚本のジョン・ミリアスならではの容赦の無さがあり、イーストウッドの西部劇にも通じる「主人公の怖さ」を堂々とさらけ出している。数十年ぶりに見てもやっぱり大好きな映画でした。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-19 12:04:07) |
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7.お気楽西部劇な感じで、なかなか楽しめました。ラストもくだりも良いです。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-06-14 20:21:40) |
6.《ネタバレ》 無法者を取り締まるビーン自身が、一見無法者のようにも見えるが、己の正義を忠実に実行しているだけである。リリー嬢を愛し、熊を愛で、人種にとらわれず、メキシコ人を妻にしようとするなど、ビーンは本当にピュアでお茶目な人物であり、好感が持てる。 全体的にコメディタッチの作品ではあるが、泣かせるところは泣かせ、勿論西部劇なので、活劇も有り、かなり楽しめる、痛快な娯楽映画である。 【ogawa3594】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-17 20:48:08) |
5.もうすぐDVD発売されるそうでめでたい事です。偉大なるほら話という感じでとても良い作品だと思います。最後の殴り込みはかなり興奮しました。ジャクリーン・ビセットもきれいでした。ジョン・ヒューストンに(かなりその頃低迷していたにもかかわらず)これだけ好き勝手にさせるという事は制作会社の懐の深さを感じます。 【Dr.H】さん 8点(2004-06-28 00:12:39) |
4.そうそう、こりゃまさにニューシネマ風、そんでもってポール・ニューマンが主演で、もう『明日に向かって撃て!』そのまんまやんけ、と言いたくなるシーンも。違いは、サンダンス・キッドが熊やっちゅうことだけやね。はっはっは。ちなみにこの熊を連れて来るGrizzly Adamsを演じるはジョン・ヒューストン自身ってか。ま、そもそも、映画冒頭のクレジットからしてミョーにメルヘンチックな字体で、嫌な予感がしたんですが、予感的中、内容もほとんどお伽話の世界。ホノボノしてます。まとまった筋立てはあまり無く、細かいエピソードの積み重ねでストーリーが綴られていきます(基本的には、吊って吊って吊りまくるおハナシ、ですかね)。そんなわけで、ジョン・ヒューストンの悪乗りが目立つ異色作です。オフザケやノリの悪さ(音楽も)は、当然ワザとやってるんでしょうが、ワザとやってりゃ何でも許されるってもんでもない。じゃあこの映画ダメなのかというと・・・そんなことなくて、実は結構味があるのね。クライマックスのブッ飛び具合なんぞ、断然買いですよ、これは。観終わった時には、意外なほどの爽快な気分が味わえます。う~む、ただ、やはり人には向き不向きがあって、やっぱり悪乗りならジョン・ヒューストンよりもサム・ライミに軍配が上がるよなあ、という気はします。が、これはこれで良いのです。ところで最後、熊くんもちゃんとクレジットされてましたね。ブルーノ君、という名前だそうですが。なかなかの名優です。 【鱗歌】さん 7点(2004-03-27 00:40:24) |
3.舞台は19世紀末の西部。町の治安を守るため、私刑により犯罪者たちの所持金を巻き上げ、私腹を肥やしていたのがこの物語の主人公“自称”判事=ロイ・ビーンだった。この男、相手を倒す為なら背中から撃つことも平然とやってのけ(S・キーチ演じる悪党のどてっ腹に、デフォルメされた風穴が空くという、劇画チックなシーンが用意されている)、そうかと思えば、未だ見ぬ舞台女優リリー・ラングトリーに憧れを抱きつづけるという、従来の“西部の男”というイメージからは程遠い存在である。このユニークなアンチ・ヒーローとしてのキャラは映画的には格好の素材で、J・ヒューストン監督が珍しくアメリカン・ニューシネマ的手法を取り入れ、エピソードの各シーンごとに演出スタイルを変えるなどケレン味たっぷりに描き、ロイ・ビーンを無邪気で人間味溢れる男として見事に浮び上がらせている。劇中、熊と戯れるシーンにA・ウイリアムズの歌を挿入させるなど、明らかに「明日に向かって撃て」を意識した作りとなっているが、言わんとするところは同じで、古き良き(西部)時代の終焉とそれに対するレクイエムであろう。クライマックス、彼の姿が夕陽に煌めきシルエットとして浮び上がるショットは、映画的高揚感が最高潮に達した瞬間として、忘れられない名シーンであった。 【ドラえもん】さん 8点(2003-12-05 00:09:14) |
2.変な判事をポール・ニューマンが飄々と演じていますね。これがまた独善的な殺人者だから困ってしまいます。ミリアスの脚本はこいつをヒーローに仕上げているから、嫌いな人には受け入れられないかもしれませんが、私はこういうのけっこう好きです。モートルの玉さんもお書きですが、熊とのエピソードはいいですね。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-20 07:51:06) |
1.終わり行く時代に生きた独善的でかわいげのある人間の魅力と純心をニューマンが好演。冒頭の瀕死状態やアンソニー・パーキンスの牧師がデビッド・ワーナーもどきに見えたりして「砂漠の流れ者」を意識したような雰囲気が垣間見えるのは脚本がジョン・ミリアスだからかしらん?いじらしい演技を見せてくれる立派な熊もそりゃあそりゃあ素晴らしいんですが、なんつっても鳥肌がたつほどゴキゲンなステイシー・キーチの強烈な存在感は爆笑もの!何なんだコイツは!?面白すぎるぜ!わずか5分で見事に燃え尽きた男キーチの役者魂に乾杯! 【モートルの玉】さん 7点(2003-10-28 19:56:29) (良:1票) |