★10.《ネタバレ》 菅原文太が主演するだけでもはや『仁義なき戦い』とはなんの関係もなくなった物語で実録路線でもないフィクション、ここまで来るともはやタイトル詐欺、『組長の首』にしてもペキンパーの『ガルシアの首』のパクりですしね。ヤク中で破滅するサブキャラになんと山崎努が起用されているのが驚き、彼は東映初出演だったが本来は松方弘樹が予定されていたキャラだそうです。でも『暴力金脈』の単独主演が成功して役者としての自信が出てきた松方はキャスティングを拒否、文太も「わしゃぁもう実録路線には出演せん!」とごねた挙句の完全フィクション脚本、いろいろと製作には苦労があったみたいです。でも山崎のシャブで破滅する大物組長の娘婿というキャラはさすがにいい演技を見せてくれ、なんかお得な気分になれました。“修羅の国”北九州が舞台で文太が演じるキャラの方は単に“旅人”としか説明がない流れ者、でも『仁義なき戦い』の広能昌三とは違ってなんか脂ぎって執念深い生々しい男で、自分が対立組長を射殺して7年も懲役くらったのに出所後の対応が酷いと流れ者のくせにゴネて老舗組織をひっかきまわす。仁義とか義理なんて眼中になくひたすらカネと地位を追及する男で、考えてみればこいつさえ存在しなければ西村晃も成田三樹夫も室田日出男も死なずに済んだんじゃないかな、最後に自分だけは野望を成就して終わりってなんか酷くない?実在のモデルが存命中だった『仁義なき戦い』ではでは無理だったリアルなヤクザ像を、フィクションであるからこそ文太のキャラに投影できたんじゃないかな。あと抱いた男がみな死んでしまうという究極の死神女・ひし美ゆり子が強烈な印象を残してくれます。なんせあのアンヌ隊員が脱ぎまくるんですからね、こりゃ衝撃ですよ。薄幸の女という梶芽衣子が演じそうなキャラではなく、自分の魔性を自覚しながらしぶとく世渡りするしたたかな女だったところも良かったです。この死神女ぶりを判っているのに愛人としている成田三樹夫の(ちょっとここでは書きづらい)厄除け法が面白い、というか笑っちゃいます。けっきょく彼もジンクスは破れなかったけどね(笑)。まあ『仁義なき戦い』に拘らなければ、普通に退屈させないヤクザ映画だったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-24 23:49:02) |
9.とうとう、これはフィクションです、というテロップが冒頭に登場し、もはや仁義なき戦いでも何でも無くなってしまったのですが、これが意外に面白い。とは言っても、こんなのを面白がってていいのか、という不安は何となくあるんですけど、面白かったんだから仕方がない。 刑務所で過ごした7年間の補償として500万円を要求する、菅原文太の狂犬ぶり。というほど自身で何をするわけではないけれど、それでも「何をやらかすか判らない」という危険な匂いがプンプンと。それ以上に異常な、山崎努の狂人ぶり。それって、いつも通りじゃないの、という話もありますが、兎に角、危険な匂いが充満していて。 若者が呆気なく命を落としていく、という点、仁義なき戦いの世界を感じさせる部分ではありますが、芋クサく泥クサいカーチェイスは実録路線から大きく逸脱していて、意表を突かれます。さらにはひし美ゆり子姉さんの脱ぎっぷりの良さ。確かにこりゃ、フィクションだ。 という、だいぶ変な路線にはなってますが、単純に欲望が突っ走ってる感のある内容が小気味よく、これはこれで、魅力的な作品だと思います。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-12-14 22:45:23) |
8.《ネタバレ》 どこまで行ってもヤクザがヤクザを殺す映画だし、まあこんなもんじゃないかと。無印の中だるみした作品よりはサッサと話が展開するので個人的には好き。というか成田三樹夫をボスにしたのがきっと良かった。山崎努も良かった。 【なす】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-11-30 17:16:39) |
7.《ネタバレ》 西村晃、室田日出男、成田三樹男、皆さんの撃たれっぷりがすごい。 こんな映画、今はもう作れないのだろうな・・・・ 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-12-16 20:01:27) |
6.シリーズ通算7作目。主な舞台が広島から九州に変わり、飯干晃一の原作とは関係のないオリジナル脚本となり、完全に最初の五部作とは別の一話完結の物語になっているが、どうもシリーズとしての勢いがなくなってきてる印象。確かにカーチェイスなど五部作になかった見せ場があるのだが、どうも空回りしているし、菅原文太扮する主人公のキャラも広能に比べて魅力がないように思う。深作欣二監督が撮影中に絶賛したという山崎努は確かに良かったとは思うけど、なんかエピソードが中途半端で演じたキャラクターがあまり印象に残らない。「広島死闘篇」の上原靖子役が印象的だった梶芽衣子の使い方も勿体無く感じる。ヤクザ相手に男から男へ渡り歩く女を演じるひし美ゆり子は「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役でお馴染みなだけにこういう役を演じていること自体に驚くが、この女のエピソードをもっと膨らませればドラマにもっと厚みが出たのではないか。それと金子信雄が出てないことも残念。大和田組長を演じる西村晃は山守役の候補にあがっていた人で、貫ろくのある組長を見事に演じているが、やはり金子信雄演じる山守ほどのインパクトがなく、物足りなく感じた。それでも娯楽アクション映画としてそれなりには楽しめるものにはなっているとは思う。でもやっぱり物足りなさが残る映画だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-05-12 13:53:52) |
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5.シリーズは退化していく。菅原文太がかっこよくなってしまった。みっともないしぶとさが魅力だったのに、どんどん作っていくとみっともなさがスタイルになってある種のかっこよさになってしまい、それだけでなく、この作品など昔風のニヒルなかっこよさにまで退歩していると感じられる部分もあった。ケライに殴り込ませて死なせておいて、ただ眉しかめてるだけなんて、昔の文太はやらなかった。本作の新機軸としては、跡目を狙って次々と男を渡り歩くひし美ゆり子(アンヌ隊員)がユニークなところだけど、決してこれはしたたかさとして感服するようなことではなく悲惨な状況であろう。しかしどうも作者は、ここに女の強さみたいなものを表現したつもりでいるみたいだったのに違和感。このシリーズにカーチェイスは似合わず、成田三樹夫もあんまり良くなく、梶芽衣子も中途半端。でもそれなりに楽しんでしまうのは監督の力量か。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-10-11 12:01:19) |
4.新シリーズ第二段。大ヒットの『仁義なき戦い』とは全く異なるカラーを出そうとしているのはいいのだが、例えばカーアクションはまさに前シリーズにはないアクション映画への変貌がよく表れているわけですが、その挿入が無理やりなんだなあ。そんなバカな罠に誰が引っかかるの?というお粗末な罠に「罠かもしれないぞ」と言っておきながら罠にかかって大騒ぎしてる文太がとにかく頭悪そう。ぶれまくるカメラの躍動感は深作監督の味が出ているけど、バヒュンバヒュンと撃ちまくるだけの車の追いかけっこもなんだか滑稽。策士・成田三樹夫も終盤は怯えまくって滑稽。梶芽衣子が絡むエピソードの中途半端さは深作っぽくていいんだけどファム・ファタールの匂いをプンプンさせて登場するひし美ゆり子の後半の存在の薄さはかなりもったいない。それでも許せてしまうのは、無理やりだけど勢いがある、ということに尽きる。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-05-23 11:07:28) |
3.ストーリーの詰めの甘さなど色々あるけど、このシリーズが好きなのでちょっと甘めです。 【MEL】さん [DVD(吹替)] 5点(2006-03-19 02:00:31) |
2.ここからほぼ完全フィクションです。舞台を九州に変え、焦点を文太さん個人に当てた物語となりました。やや二枚目キャラだった広能昌三のイメージをぶち壊した前作の続きが観れなかったのは残念です。自分は三上寛の「返せー!」が好きなシーンです。 |
1.この映画もやはり「インテリ系」の人が多かった。 でも多くの陰謀が渦巻いていて、前作よりか面白かった。 でもやはりノンフィクションの5部作には勝てないかな。 カーチェイス(?)シーンは良かったです。 【金髪の按摩】さん 6点(2003-12-20 13:43:23) |