61.《ネタバレ》 気がつけばまたメキシコの闇映画だった。 結局ケイトが呼ばれた理由は最後の最後「捜査にはなーんも問題ありませんでした」の言質とらせるだけでした。 ベニチオ・デル・トロはやっぱり太ったブラピにしか見えない。 この人がなんでもない普通の役をするわけがないので、出てきた時点でクロです。 もう見てる人全員にバレてるのがすごい。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-12-19 22:01:44) |
60.終始シリアス。展開がわかりづらい部分が徐々にわかっていく系。「どういうことだ?」と考えつつ観るうちに入り込む系。 その視点は本作の主人公ケイトの視点のようであり、主人公はどちらかというと巻き込まれる側で、主体となって立ち回る側ではない。 「毒をもって毒を制す」を警察視点で描いた作品。つまり、法を根拠として設置されている警察が超法規的な手段をもって目的を達成しようとする様を描いた作品。 【53羽の孔雀】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-12-02 20:12:49) |
59.《ネタバレ》 ケイトさん (エミリー・ブラント) としては、ちょっと切ない役どころ。なんせ、対麻薬カルテルチームの内部統制上、「FBI」の肩書きだけを必要とされて選ばれただけですからねぇ・・。それともう一つ、彼女が美人だったから、ですかね。ここは、荒くれの猛者ばかりの世界です。だから、連れていけば敵の尻尾を掴むための色仕掛け担当として役にたちそうやな、、そんな期待が上層部側 (特にマットのオッサン) にも少なからずあったと思います。実際、成り行き上とは言え、BARのくだりでは "女" であることが役に立ちましたよね? 表題は、決して国境だけではなくて、階級や男と女といった、ありとあらゆる「ボーダーライン」を指している、そう思ってます。 麻薬戦争の凄惨さは目を覆いたくなるものでしたが、またそれを増長するように音楽と映像が素晴らしい。特筆すべきはラスト近く、地下トンネルに突入する直前の、紅い夕陽の異様なまでの美しさ。今から多くの血しぶきが飛び散るであろう光景を予感させて、その戦慄に身震いしたものです。 そして、麻薬王の大邸宅に一人潜入する、アレハンドロ (ベニチオ・デル・トロ) 。この場面は、かの「スカーフェイス」のラストを目線を変えて映したような趣きがあり、アレハンドロの姿にあのターミネーター風のグラサン男がかぶって見えたのは私だけではないはずだ。 以下余談。本作は数年前の真夏に部屋で初鑑賞しておりましたが、劇中の「花火は好きか?」のあたりで、部屋の外からは多摩川花火大会の ドーーーン!! が鳴り響いておりました。(実話) ここ (日本) は平和だな、、と改めて感じた次第 (笑) 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-10-02 21:54:36) |
58.《ネタバレ》 -Sicario-スペイン語、メキシコで“暗殺者”を意味するそうな。 オープニングのFBIとSWATの突入シーンから緊張感が高まる。35人以上の死体が練り込まれた家ってどんなだろう?って思ったら、ニュースで上空映像入れてくれる親切さ。 フェニックス州の乾いた土地の普通の家に、あんな沢山の死体と爆弾のトラップがあるなんて。 エンドレスで掛けたら滅入ってしまいそうな音楽も、緊張感を高めてくれて素晴らしい。 あれよあれよと“修羅の国”フアレス市に突入していく展開が見事。メキシコと言えばソンブレーロ被った陽気なメキシカンがタコス食べてコロナビール飲んでる印象だったけど、ネットの怖いサイトに、マフィアの処刑動画とかがいっぱい出てて、近年ガラッと印象が変わってしまった国でもあり、そんな“怖いメキシコ”を題材にしたこの映画は、ネットで見た現実とリンクした恐怖と緊張感を感じさせる。 国境を超えたギレルモ引き渡し作戦は、まるでブラックホーク・ダウンのような緊張感。デコボコの道。高架に吊された死体。市民はスカッシュして遊んでる。「爆竹じゃないぞ」銃の音。「危険なのは国境だ」。並走してたパトカー消える怖さ。国境越えて渋滞で進まない車列。先手必勝は違法行為。凄い。 テッドの豹変も怖かった。国境を超えたこちら側にも犯罪は根を張っている現実。麻薬カルテルをコントロールするためにFBIを利用するCIA。夕闇に消えるデルタ部隊の映像の美しさ。ケイトたちに見せる予定の派手な銃撃戦。見せるつもりのなかったその先。汚いものの先に更に汚い現実。銃を突きつけての誓約書のサイン。 トランプ元大統領が国境に壁を作るって言ってたけど、この映画見たら反対する理由が思いつかない。 本当によく出来た怖い映画だ。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-09 17:37:27) |
57.《ネタバレ》 FBI捜査官ケイトとそのチームが誘拐犯宅に奇襲捜査をかけるがそこで多数の死体が発見される。 ケイトは誘拐事件の首謀者である麻薬カルテルのボスの捜査チーム配属を希望し了承され、 そこで正体不明のマットと行動を共にすることになる。 そのチームでは捜査の為に違法行為が行われケイトは不満を募らせる。 更にFBIである自分が参加させられた理由がFBIの権限を利用する為だけだったことでケイトは怒り爆発。 しかしマットの正体が家族を殺された元検事でその復讐をしていることを知り渋々マットに協力する。 マットは麻薬カルテルのボスを従える麻薬王を家族ごと暗殺し復讐を遂げる。 全てが終わったがケイトはマットに銃口を向ける。 といった内容。 良い映画だった。 主人公はケイトと思わせといて実はマットが主人公。 ケイトは捜査にまともに参加できなくて安全圏にいるため緊張感は少ない。 しかも悪を持って悪を征すマットを妙な正義感で妨害しようとするので邪魔者でしかない。 脇役視点の映画もこれはこれで面白かったが なんならケイトの正義感から仲間が殺されてマットの言う「狼」に化けて復讐に参加するのでも良かった。 【Dry-man】さん [インターネット(吹替)] 6点(2021-07-23 11:10:28) |
56.《ネタバレ》 序盤に5台の車が隊列を成してメキシコに乗り込むシーンが一番好き。 見知らぬ怖い街に侵入していく緊張感がたまらない。 そして、それを盛り立てる音楽も素晴らしい。 家族を殺された事による復讐心ってのは、やはり人間が持ち得る復讐心の中でも最強か。 それを思い知らされる作品。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-01-30 22:36:04) |
55.《ネタバレ》 リアル一辺倒で大変すばらしかった。リアルでなかったのはエミリー・ブラントが捜査官の割には華奢すぎるのとデル・トロが一人で宿敵のボスのところにたどり着けるのがちょっとご都合主義かなというところぐらい。この作戦の全貌もすごいといえばすごい。毒をもって毒を制す。コロンビアの組織とアレハンドロという毒を使用してコントロールできる毒で麻薬組織を支配するアメリカの覇権主義。途中でワクチンの例えも使っているし。脚本のテイラー・シェリダンはそういう自国の汚さを告発しているのかも。「ウインド・リバー」を撮っているぐらいだから。それにしてもデル・トロとジョシュ・ブローリンはしっかりハマっていました。その中でもやっぱりデル・トロの存在感は光っていましたね。役柄もおいしいいい役だしね。それにしても麻薬組織っていうのは映画の題材にどれだけ貢献しているのやら・・。悲しい事実だけど。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-28 22:22:59) |
54.麻薬組織と捜査官との戦いを描いた作品、なんだろうけれど、主人公のエミリー・ブラントが終始、蚊帳の外に置かれたような立場であるのが、この作品の一風変わったところ。だもんで、ストーリーがあるような無いような。だけど、ひたすらヤバい、ということはヒシヒシと伝わってきます。そして、実は、思ってたよりもさらにヤバかった、という展開に。 作品にモヤモヤとしたつかみどころの無さみたいなものがある分、クライマックスはなかなかに衝撃的です。 ベニチオ・デル・トロの存在がやたら不気味で、まるで、深奥からこちらをのぞき込んでくるような表情。闇に引きこもうとするような、あるいは逆に光をはねつけるかのような。 終盤近く、部屋にいる彼の後ろのキッチンに灯りがともっていて、その分、手前にいる彼の表情には影が差しているのだけど、彼が主人公の方に近づいてくるとき、それはより明るい側へと歩み寄っているにも関わらず、彼の纏う闇はさらに色濃くなっていて、その表情もまたさらに闇に閉ざされる。 日常と闇の世界との境界、というものを象徴的に描いたような作品でした 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-23 21:30:54) |
53.とても臨場感のある映画だった。監督・撮影者が相当腕が立つんだろうと思う。 ストーリーも推理小説的な謎解きではなく、状況が把握できない謎にひきずられる感じで引き込まれた。終わってみれば よくある話ではあるんだが、そこまでの持って行き方がうまいと感じた。 メキシコって本当にやばいよなあ。どうやったら改善するんだろう・・・ 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-06 22:28:58) |
52.《ネタバレ》 観る前は「女性FBI捜査官が麻薬組織を追う」ような映画だと思ってたら全然違ってんじゃん!!という感想が世間に満ち溢れてますが、ほんとそれです。 僕も観る前はそんな映画だろう…と思ってましたがこの映画のエミリーブラント、ただの狂言回しですからね… 杉作J太郎が「松任谷由実のコンサートに行ったら、舟木一夫が歌ってた」とこの映画を例えたそうですが、なるほど上手い例えです。 全く遊びがない暴力的な映画なんですが、リアリティ…というより生っぽさと言えばいいんでしょうか、とにかく映画全体の生っぽさがすごくて目が離せません。 監督の手腕が確かな事は映画の端々に感じられて、どんな素人でもこの監督すげーな…と思うんじゃないでしょうか。 (まぁ実際に評価されたから「メッセージ」「ブレードランナー」と大作を任されてるわけですが) エミリーブラントという女優は、ガールオンザトレインとかクワイエットプレイスのような幸が薄くて暗い役がぴったりなわけですが、この映画の彼女もそうで、これだけイメージがついちゃうと他の仕事は難しいんでは…と余計な心配しちゃいます。 ところでFBIという組織も不思議なもので、ダイハードみたいな映画で「FBIだ」の一言で場をしきる偉くて威張ってる謎の奴らみたいな描かれ方をされる一方で、この映画のように末端の雑魚のような扱いをされている映画もあります。 これだけ振れ幅があると、普通のアメリカ人がFBIという組織をどう思っているのか…ちょっと聞いてみたくなります…が残念ながら普通のアメリカ人の知り合いがいません。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-08 11:53:59) |
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51.久しぶりにベニシオ・デル・トロを見ました、相変わらず怖い。 そこにいるだけで怖い俳優のひとりで、その存在感も相変わらず凄いです。 ビーサン履きのジョシュ・ブローリンにデル・トロだもの、ペンタゴンでもCIAでも元検察官でも胡散臭さは満載で、 普通に対麻薬カルテルの話じゃないことはわかるんですけど、私もケイトと同様 「真実はなんだ」「何が目的なんだ」これで引っ張られました。 現場での経験も豊富で優秀なケイトがまるで新人、駆け出し捜査官のように見えてしまうくらいの メキシコの現状というのがよく伝わりましたねぇ、緊張感が途切れることのない見ごたえある映画。 エミリー・ブラントは「ガール・オン・ザ・トレイン」でもそうでしたけど 化粧っけなし、髪ボサボサ、傷だらけで苦悩する戦う女がよく似合うという貴重な女優さんだと思います。 ところでデル・トロってプエルトリコ出身で、両親兄弟は弁護士だの医者だのという知的で裕福な家柄であり、 実母が亡くなって父が再婚したのが理由かどうかわからないんですが、 思春期の頃に荒れてアメリカの寄宿学校に入れられたとか、「アクターズスタジオ」で語っていたと思う。 新藤兼人監督を敬愛してて、自身で監督にインタビューもしてる。 ニコッとよく笑うし、その笑顔が非常に愛嬌があり、映画の役柄とはかなり落差を感じる人で それが魅力的で増々好きになりましたね。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-04 15:22:53) (良:1票) |
★50.これは思わぬ掘り出し物でした。 メキシコの犯罪組織を扱っているのですが決して勧善懲悪ではないストーリーに心を奪われました。 始めはよくわからない展開だったのですが、点と点が結びついて終盤へもつれ込んでいく展開に夢中になりました。 さあ、今から続編を楽しむことにしよう! 【クロエ】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-01-17 14:19:00) (良:1票) |
49.《ネタバレ》 中盤までは、意図的な演出だが状況がよく分からないまま進み、実話ベースの衝撃的な描写のいくつかが映画のテンションを保っている(が、やや退屈)。しかし終盤、それまでを更に上回るショッキングな展開と、繰り出されるデルトロの鬼気迫る演技に圧倒される。エミリー・ブラントの疲れ果てた様も中々良いが、これは完全にデルトロの映画である。近年稀に見る傑作アクション。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-01-17 01:01:33) |
48.《ネタバレ》 リアルな画面に緊迫感溢れる演出で面白いアクション映画だと思います。メキシコってあんなに殺伐としているのでしょうか。途中、我らが主人公のケイトのあまりの無力さにイライラしますが、いつの間にかアレハンドロが主役になっていました。続編も必ず観ますよ。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-01-16 14:01:03) |
47.最初から最後まで緊迫感が連続のとてもパワフルな作品です。そしてエキストラに至る全ての俳優陣の演技がリアルで、ドキェメンタリーと錯覚しそうな内容です。エミリー・ブラントが体当たりで頑張ってました。メキシコの無法地帯、恐ろしすぎます。。。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2020-01-05 10:35:14) |
46.《ネタバレ》 吊るされた死体。山積みになった麻薬。 我々が異常と思う世界に住む彼らにも、息子とサッカーをする日常がある。 アレハンドロは単なる復讐者であって、メキシコの闇を救う救世主ではない。 ケイトもまた然り。 たった一人の暗殺者に怯えるようでは、正義を貫くことはできない。 やり切れなさが全編に漂う映画。 でも、これが世界の裏側の現実。 |
45.《ネタバレ》 すごい緊迫感だった。全く予備知識が無かったので、余計に先の読めない展開だった。ヒロインの立ち位置といい、ベネチオ・デル・トロが何者なのか?とか。原題をある程度残してたら(スペイン語で殺し屋)何となくわかってしまうから、そういう意味では良い邦題だったかと。警察官とサッカー少年の親子の日常の描写が印象に残る。 【ラグ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-21 23:24:50) |
44.《ネタバレ》 最初から最後まで緊張感が張り詰めていて気を抜く瞬間がない。監督の演出も俳優達の演技にも一分の隙もなく、音楽を含めた映画のあらゆる部分が完璧だ。 邦題がダサいのだけが残念。 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 8点(2019-03-03 21:27:30) |
43.《ネタバレ》 映像が美しく、世界観に浸れた2時間。 ちょい役の運び屋の警察官の家庭をしっかり描くことにより、現実味というか、重みを感じた。 言葉は悪いが、「雑魚だって人間だし、家庭もあるんだ」というリアリティか。 【チェブ大王】さん [DVD(字幕)] 6点(2019-02-09 11:37:03) |
42.公開時から観よう観ようと思いつつタイミングを逃してしまい、各種配信サービスにおいてもウォッチリストに必ず入れながら観られていなかった今作を、続編公開のタイミングでようやく鑑賞。 評判通りに物凄く面白かった。さっさと観ておけば良かったと只々後悔。 この映画を一言で表現するならば、「闇の淵」という感じだろうか。 邦題「ボーダーライン」が表す通り、エミリー・ブラント演じる主人公は、メキシコ麻薬カルテルを枢軸とした巨悪と、そこに渦巻く絶望的な「闇」に呑み込まれるか否かの“境界線上”に立たされる。 FBI捜査官の主人公は、得体の知れない強大な闇の一端に触れ、覗き込もうとする程に、その深さに絶望し、自らが信じ命を懸けててきた「正義」がいかに表層的なものだったかということを突きつけられる。 エミリー・ブラントは、“こちら側”の代表として、この世界の“向こう側”に巣食う悪の理を目の当たりにするFBI捜査官を熱演している。相変わらず、この女優は芯の強い女性像を演じきることに長けていて、今作においても魅力的な人物像を体現している。 ただし、この映画が面白い最大のポイントは、その主演女優が演じる魅力的な主人公が、ストーリーテリングの中心に存在していないということだ。 主人公は終始、知り得なかった別世界の闇の存在を感じ続けはするけれど、結果的にその深層に入り込むことを許されない。あくまでも“部外者”のまま、物語は進行し、終幕する。 では、この映画世界の真の主人公は誰であり、真の闇の中で生き続けている人物は誰だったのか。その巧みな映画的構図と、研ぎ澄まされたストーリーテリングが、上質なリアリティとエンターテイメント性を生み出しており、圧巻だった。 ドゥニ・ヴィルヌーブ監督による、絶望的なまでに美しく、神々しい映像感覚と音楽も素晴らしかった。 原題「Sicario」はスペイン語で「殺し屋」の意。 闇の淵に主人公を置き去りにし、一つの目的を果たした“殺し屋”は、闇の更に奥深くに突き進んでいく。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 9点(2019-01-12 23:58:25) |