2.いや~ようやく見ることができました。って言っても映画の存在自体をほぼ忘れておりましたが。
ゴールデン洋画劇場でやる、っていうので、見たかったんですけど、その放送日の私は、大学入試の1日目。しかもその日の首尾たるやそれはもう惨憺たるモノでしたから、地獄のコマンドなんて見てる場合じゃない。しかし、もしあそこでヤケ起こしてチャック・ノリスのアクションを堪能していたら・・・幸い2日目の試験で挽回できたらしく、2週間後の合格発表で無事、肩の荷を下ろして、ホテルのテレビで見たゴールデン洋画劇場の『ターゲット』(85年)の、何と面白かったことか。
と、どうでもいいことばかり書きましたが、要するに、この『地獄のコマンド』、私の人生に何の影響も与えていません、ハイ。なのでどうかご安心ください。
それにしてもこの作品、どっからどう見ても安そうな、キャノンフィルムズらしさ溢れる一本なのですが、何だかよくワカラン軍団がアメリカに上陸して破壊活動を繰り返し、戦車までも登場する一大バトルに発展する、という、なかなか豪快な一本でもあります。まさに「なんちゃって超大作」です。
テロ軍団のアメリカ侵攻計画は、テロリスト曰く18時間ほどで完了するらしく、なるほどこうやって物語にタイムリミットを設けたワケだ、と思いきや、その後、適当に昼のシーンと夜のシーンが入り混じり、何日経過したのかわからなくなってきます。多分、どうでもいいんでしょう。
破壊活動を繰り返すと言っても、どこやらの田舎町で民家を壊したりする程度で、何がやりたいのかさっぱりわかりません。わかりませんが、少ない予算でなるべくたくさんの破壊シーンを見せようと思えば、やっぱりコレしかないでしょう。
脈絡なく破壊が繰り返され、そこに脈絡なくチャック・ノリスが(少し遅れて)やってきて、敵を成敗する。敵の方でもなぜか妙にチャック・ノリスのことを恐れ、警戒しているんですけど、何ででしょうね。何でかワカランけど、とりあえず「さすが、我らがヒーロー、チャック・ノリス」という感じになってます。なってますけど、基本的に支離滅裂ですね。物語の繋がりも何も、あったもんじゃない。
というワケで、「なぜそんなトコロを破壊するのか」「なぜそこにいつもチャック・ノリスが現れるのか」とかいう疑問は完全に無視したままアクションが羅列されてるのですが、物語が無い分、破壊活動の描写は結構、丹念に描かれているし、クライマックスはド派手にちゃんと盛り上げているし、何よりチャック・ノリスのチャック・ノリスらしさが堪能できる。
こんなイカした作品を、私は28年半も見逃していたんだなあ。ま、別にいいですけど。