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ルックバック

[ルックバック]
2024年上映時間:58分
平均点:8.00 / 10(Review 20人) (点数分布表示)
公開開始日(2024-06-28) (公開中)
ドラマアニメ青春もの漫画の映画化
新規登録(2024-07-04)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2024-07-13)【Cinecdocke】さん
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河合優実藤野
吉田美月喜京本
森川智之4コマ漫画の男性
坂本真綾4コマ漫画の女性
作曲アントニン・ドヴォルザークSymphony No.9 in E minor, "From the New World"
製作エイベックス・ピクチャーズ「ルックバック」製作委員会
集英社「ルックバック」製作委員会
配給エイベックス・ピクチャーズ
あらすじ
小学4年生の藤野は学生新聞で4コマ漫画を連載していた。クラスメートから絶賛を受けていた彼女は、ある日、一緒に掲載されることになった不登校の同級生・京本の4コマに愕然とさせられる。漫画を通じて、ライバルとして、尊敬する師として、互いの背中を追い続け、技術を磨いていく関係になった二人は高校卒業後、それぞれの道を歩み始めるがその矢先に…。『チェンソーマン』の藤本タツキ原作の読切漫画を劇場用アニメ化した中編。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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20.《ネタバレ》 1時間くらいの作品なので
ネタバレなしでいきなり視聴して欲しい作品ですね。

なので、鑑賞してから見て欲しい口コミになりますが

自分も小さい頃漫画を描いていたので響くものがかなりありました
自分のアイデンティティである漫画への情熱を掛けても
勝てなかった相手が実は自分を尊敬していた

ってことを知ったあの感情は分かるなぁ。

とにかく絵を書くことが大好きな二人の物語ですが
監督の押山清高さんの情熱が映画のように情熱投入された作品でもあります。

監督やキャラデザだけでなく
作品中の半分のカットの原画や動画もやっちゃうって
並の情熱じゃ成立しない作品だと思います。

良いものみたなー
シネマレビュー管理人さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-11-17 11:32:11)《新規》
19.良い青春で良い人間ドラマだね。
何を書いても野暮になっちゃうけど、志を共にした仲間ってのはやっぱりいいな。
アニメ作品としても良い出来で、映像で感情を表現しようとする姿勢というか、
きっと漫画では表現できなかったであろう点をアニメ・映像で表現していて無駄な部分なく感情の押し付けもなく、良いアニメでした。
Keytusさん [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-17 04:03:57)《新規》
18.わずか58分という短い尺に凝縮された青春の輝き、そしてクリエイターとして生きることの覚悟と矜持。喜びの苦悩が入り交じる狂気の世界で、光と闇は共存し、互いがその輪郭を際立たせるために存在していることを雄弁に伝える極めて濃い58分間。
Amazonプライムで配信されたばかりの本作を満を持して観て、思わず2回連続で鑑賞してしまった。初めの58分間では整理がつかなかった、というよりも、作品世界から抜け出せず“ループ”してしまったという感覚が強い。

この夏、劇場での鑑賞を見送ってしまったことを激しく後悔した。しかし、その一方で、配信鑑賞だからこそ衝動的に2周目の鑑賞に至れたことも、また幸福だったと思える。
映画を観終えた深夜、感情の整理が追いつかぬまま、手中のスマホで原作漫画を注文した。そして、原作を読んで、この映画がなぜ58分という短い時間の中に収められたのか、その意図を深く理解した。
映画世界同様、漫画世界もまた、濃縮された密度とソリッドな描写で構成された表現だった。このタイトな映画が、原作漫画が伝える物語と、登場人物たちの心象風景を丁寧に汲み取り、そのすべてを表現しきったものであったことを、思い知った。

雪深い田舎町で出会った二人の若きクリエイター(藤野と京本)が、小さな世界の中で互いに肩を寄せ合い、互いの才能を補い伸ばし合い、広い世界への「道」を開いていく様は、藤子不二雄Aの「まんが道」を彷彿とさせる。この物語は、令和の時代に生まれたもう一つの「まんが道」とも言えるだろう。
短くシンプルな物語でありながら、その解釈や捉え方、揺れ動く感情の在り方は、無限に広がる。きっと鑑賞者一人ひとりの経験や価値観、生きてきた時代や環境、その他その人を象る様々な要因によって、この映画や彼女たちから受ける心象は大きく変わるだろう。

初鑑賞から一週間が経ち、私自身の感情においても様々な思いが駆け巡り、今なお作品世界から抜け出しきれずにいる。
あくまでも現時点で、私の心の中で帰着したものは、本作の作者自身の根幹に存在するのであろうクリエイターとしての覚悟、漫画家としての矜持だった。

作中でプロ漫画家となった主人公(藤野)は、掛け替えのないかつてのパートナー(京本)の喪失に伴い、多大な罪悪感に苛まれると同時に、クリエイターとしての存在意義を見失いそうになる。
そんな藤野の元に、異なる世界線から送られてきた一つの4コマ漫画が届く。それは、これまで“ストーリー”を紡ぎ出すことはなかった京本が、初めて生み出した“ストーリー”だった。
そのまるで自分自身の漫画の作風を模したような軽妙な4コマ漫画『背中を見て』が伝えるものは、本当は代わりなんて存在するはずものなかったかつてのパートナーからのメッセージであり、同時にこれからも生き続け、描き続けなければならない自分自身への叱咤でもあったように見えた。

小学校の卒業式のあの日、もし彼女の部屋の前まで行かなければ、思いつきのまま4コマ漫画を描いたりしなければ……。
主人公の部屋に飾られていた映画「バタフライ・エフェクト」のポスターが象徴するかのように、「もしあのときこうしていたら」という悔恨は尽きない。

それでも、それでもだ。
辛いことも、苦しいことも、悲しいことも、そのすべてを“糧”にしろ、そして“ネタ”にしろ。
「そして、どうか、どうか藤野ちゃんの漫画を描き続けて」
そんな京本の声が聞こえてくるようだった。

空白の4コマを窓に貼り付け、狂気の世界で、再び終わりなき創作活動に向き合う主人公の背中には、そんな声なき声に対する、プロ漫画家としての覚悟が滲み出ていた。



自室から抜け出せず、唯一絵を描き続けることでしかアイデンティティを見出だせなかった少女時代の京本にとって、ふいに届いた4コマ漫画は“救い”であり、それを生み出していた同級生の作者は、紛うことなき「神様」だった。
彼女は、最初から最後までその背中を見続け、世界を広げ、幸福な時間を生きた。(絶対にそうだと信じたい)
冒頭とラストにおいて、時間をかけて映し出される主人公の背中を“見続ける”カットは、彼女の視線そのものだったのかもしれない。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 10点(2024-11-16 07:16:06)《更新》
17.《ネタバレ》 キラキラと流れるような切なくて美しい映画。
音楽がとても印象に残った。

「藤野が暴漢から救ってくれたけど実は背中に凶器が刺さっていた」
この4コマ漫画の存在は何なのか?
悲劇を予知した4コマ漫画なのか?
ここがよく理解できず。
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-15 23:04:34)
16.キンコンカンコン♪ キンコンカンコン♪ 10点満点!!! (「ギフテッド」以来 6年ぶりの10点!) 泣きました..3回 泣きました..さらに エンドロールでも 涙..よかったです~ 心に刺さりました..押山清高 監督 ただものじゃない..演出 編集が 一級品! 画が語ります、画が語ってくるんです..作画も上手い!! カメラアングルも 映像表現も アニメ描写も すばらしい! そもそも この物語を アニメ化するっていう センスが すばらし~い!! アニメから また 傑作が生まれました..押山監督! ありがとう!! ハマる人は ハマると思います~ オススメ!!
コナンが一番さん [インターネット(邦画)] 10点(2024-11-11 23:19:35)
15.短いが印象的な作品。それぞれのモチーフはポイントを絞って描かれるので密度が濃い。
好きなことはいくらでも集中が持続する、それはつまり絶対的な量を確保出来るということ。才能はそこにある。
simpleさん [インターネット(邦画)] 6点(2024-11-09 11:36:39)
14.原作は田んぼの雨のシーンのところまでしかなぜか読んでいなかったので、結末は知らずに鑑賞。多少音楽がうるせーとは感じてしまう場面もあったが、雨のシーンは原作のあの何とも言えない静止画が最高オブ最高なのだけど、これはこれで映画ならではの良さが爆発してるんだよなぁ、、短尺の中で本当に色々な感情を体験できました。感謝!
ヴァリストンさん [映画館(邦画)] 10点(2024-09-16 01:46:34)
13.《ネタバレ》 あの事件を思い起こさせる話ですね。とても悲しい映画でした。
よしふみさん [映画館(邦画)] 8点(2024-09-14 20:17:24)
12.《ネタバレ》 周りで評判が良かったので仕事帰りに観に行ってみました、アニメ映画を映画館で観るなんていつぶりだろう…。原作は未読です。
面白かったです、特に序盤から終盤に入るまでは素晴らしかったです。出会いと別れ。描くことが好きだったはずなのに、泣きながら描いても追いつけない相手がいること、などなどなんだかノスタルジック。平成初期ぐらいの感じかなぁ、なんて考えながら観ていました。終盤、唐突に悲しみポイントが訪れますが、これ本当に必要な描写だったんですかね。なんか安易な気がして、ちょっと冷めてしまったかな。映画館内ではファンの方も多いのか、この辺りで大泣きの人もいましたが…。とにかく、間を見せてくれる感じとか、言葉で説明しすぎ無い感じとか、とっても良かったんで、一層もったいないなぁと。
はりねずみさん [映画館(邦画)] 7点(2024-09-04 21:26:30)
11.《ネタバレ》 ◇「なぜ、描くのか」に対して、本作では「描きたいから」「あなたのその顔が見たいから」という二つの動機を示しているように思います。その二つが揃う幸福について、表現・表情豊かに、でも淡々と最低限のセリフで進められます。◇どんな創作でも仕事でも、「やりたい」ことが見つかってそれを尊重してくれたり、喜んでくれる人がいるのは、本当に幸福だと感じました。
◇そしてまた、その幸福を理不尽に奪われることがあることも。自分にはどうしようもないことに心が支配されてしまいそうになりますが、それをまた救ったのも「創作」の世界でした。◇鑑賞後に原作を購読。原作は映画よりももっと研ぎ澄まされたコマ割りで、説明少なに話が展開されていました。最近はタイパが好まれ、説明過多の表現が好まれますが、そういう作品は見た後すぐに忘れてしまうことも多いように思います。こういった作品の方が、自分の心にいくつもの引っ掛かりが残る気がします。ありがとうございました。
ハクリキコさん [映画館(邦画)] 8点(2024-09-01 15:57:52)
10.《ネタバレ》  1時間ほどの小品作品。
「またね!」の後の畦道での溢れ出る喜び表現、いいですね。
 凶刃の後、出会わなければ良かったと思っても、結局二人は出会って投稿する未来しか想像できない。
 京本はその瞬間まで充実した人生を送れていた。背景しか描けていなかったのにストーリーのある4コマを描けるようになった。
そんなもの残されたら目の前に貼ってしまう気持ち分かりますね。
 つくづく、京アニの犯人は許せません。
ぶん☆さん [映画館(邦画)] 6点(2024-08-03 22:57:29)
9.《ネタバレ》 原作は読んでいません。主役2人の関係性に違和感があり、素直に映画を見ていられませんでした。しかも、友人であったのに、失ってみて何に気付けたのでしょうか?好きなことへのひたむきさと頑張りの描き方は、すごく良いものを感じられたので、少し残念でした。
shoukanさん [映画館(邦画)] 6点(2024-08-03 22:42:25)
8.《ネタバレ》  観るかどうか迷ってたのですがネット上の評判が非常に良かったのとタイミングが合って視聴。
 原作も最初のWeb版で読んで、当時非常に評判良くて、たしかに良作と思うけど自分はそこまでかなあって印象で詳細は忘れてました。

 映像は素晴らしいクォリティで音楽も良くて、若干ノスタルジックな曲が感動を押しつけがましく押し付けてる感じがしてどうかとも思ったんですけど、要所要所のブラックなオチの4コマ漫画のキレがすさまじくて実にうまいなあと思いました。

 例の事件に触発された描写については雑誌掲載時にその改変がネット上で紛糾してたのが映画では元の表現に戻ってて良かったと思うんですけど、本作はその事件に触発されたとはいえそこが主題ではないと思ってたので、個人的にはどっちでも良いかなという感じでした。

 で、映画を観て思い出したのですが本作が良作ではあるけど個人的にはあんまり刺さらなかったのは、本作って「いじめっ子視点の贖罪物語」かなあって思ってしまったからで、映画を観てもその認識は変わりませんでした。最近だと、有名人が「昔はやんちゃなことをしてしまったことがある」的な違法スレスレな悪事を武勇伝みたいに語るのがメチャメチャ叩かれたりしていますが、やってることはそれと変わらんかと(あくまで私の個人的な印象ですが)。

 重要なのは主人公が、ののせこそが絵の天才で一生かけてもその技量に追いつけないと思っていて、にもかかわらずののせが引きこもりで表に出られないのを利用して漫画の背景を手伝わせて、背景描いてるだけなのは大したことないと貶め、ののせが独り立ちして絵の勉強をしようとしたのを邪魔したということへの嫉妬心と罪悪感を、普通創作家コンビの話だと歳を取った後に、実は君こそが天才と思っていた悔しいから絶対言いたくなかったんだけど、とか告白するんですけど、本作では相手が亡くなってしまったので一生告白できなくなって、でも向こうにとっては自分こそが漫画の天才だと言ってずっと応援してくれてたので今も漫画描いてるみたいな話で、結局最後まで

「君こそが天才なんだ」

とか一言も言えずに終わるので、それが実にいじめっ子の贖罪話だなあって感じるわけです(誰しもなにがしか罪悪感のいくつかは抱えているものなのでそこが味わい深い所ではありますが話としては100点満点中80点には届くかもしれんけど決して100点にはならないよなあみたいな)。

 そんなところでした。
simさん [映画館(邦画)] 7点(2024-07-27 13:47:57)
7.《ネタバレ》  原作マンガはごくごく私的な物語として描かれていると思うの。作者の個人的な気持ち、感情の発露。そしてそれは京都アニメーションの事件をなんとか自分の中で消化して昇華して(もちろん、しきれないのでしょうけれど)って作者の葛藤があって。

 だけどそれをアニメ映画として企業と多くの人の手を経た作品にするとなるとニュアンスに違いが生じてきてしまうと思うのね。商品としてパッケージングされ公開されるものへと移行してゆく、そこに個人的にどうにもこうにも割り切れなさが生まれてしまうの。良かった、感動しました、で消費して完結していいモノなの?っていう。アレはまだ全然終わってないのに、終わり様もないのに。

 アニメとしては良く出来た作品よね。原作にほぼ忠実な映像化だし、キャラの心情に寄り添う、その細やかな表現に心が動かされるわ。でもこれはあくまで藤野の物語。京本の「もしも」の物語はあくまで藤野を救済し一歩を踏み出すための存在。京本に訪れる理不尽な出来事を打ち消すモノではなくて。
 そしてだけどアタシは藤野ではなくて京本に心を寄せていた。と言うか京本の物語としてしか捉えられなかった。ので、そこに閉じ込められたわ。塞がった感覚ね。そこにあるのはただ藤野を見送る視点。閉ざされた未来。

 京都アニメーションの事件を経て、でもそこから先に進んでいる人たちがいるわ。新作も生まれているし、そこから離れて新たな進化を続けている人もいて。
 だけど勿論それぞれに疵と痛みを抱えているのでしょうし、そこから先に進めなかったり、消化も昇華もできなかったり、立ち止まったままだったりって人も存在していて、それを否定はできないわよね。

 アタシにはまだこれを商品として消費するのは無理だったわ。そして多分ずっと無理ね。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 6点(2024-07-18 16:07:25)
6.《ネタバレ》 ネタバレ厳禁映画です。「評判良さそう、どんな感じかな」で本サイトを開いた方は速やかに閉じることを強くおすすめします(管理人様勝手なことを言ってすみません)。すぐに劇場でご覧ください。劇場公開が終了している場合は、DVDでもサブスクでも構いません。観てください。観終えてから再度ご訪問いただければ幸いです。

※劇場鑑賞後すぐに勢いで「推敲なし」で投稿しましたが、文才皆無のため「何を言いたいのか分からない」状態でした。申し訳ございません。『嫌われ松子の一生』で懲りたはずなのに同じ過ちを犯すとは。面目ない限り。鑑賞後数日経ち、少し落ち着き思考も整理されてきたので改めて投稿し直します。

本作で激しく心を揺さぶられたポイントは3つです。ひとつ目は「努力が報われたこと」そしてふたつ目は「理解者を得たこと」。この二つは同時にやってきました。藤野と京本が初めて顔を合わせた場面。まさに盆と正月が一緒に来たとはこのこと。そっけない態度とは裏腹に藤野の心は狂喜乱舞しました。この時の「表現」は日本アニメ史上に残る名シーンであります。生涯忘れえぬ感動は、漫画連載が決まった時より、アニメ化が決定した時よりずっと大きなものだったでしょう。この「思い出」だけで生きていけるほどに。恥ずかしながらもらい泣きです。何故これほど感動的なのか。それはこの二つを得るのが至難の業だからです。一度も手にせぬまま人生を終える人も多いはず。残念ながら今の私もその一人であります。勿論この感動は京本にも当てはまりました。あるいは彼女の場合は藤野以上かもしれません。「人生の転機」となる出会い。固く閉じていた未来への扉が開いた瞬間でした。陳腐な表現ですが「魂の片割れを見つける」とはこういう事かもしれません。
3つ目に心揺さぶられたのは言わずもがな。京本を襲った悲劇です。私はかねてより「人が死ぬから悲しい物語」は嫌いでした。その思いは基本今でも変わりません。しかし年を重ねて少し心境が変化した気がします。それは「死」が決して「特別なもの」ではない事を知ったからです。今日と同じ明日が来る保証など誰にもありません。死は唐突に訪れるものであり、往々にして理不尽なもの。これが世の道理です。物語だから死を避けるのも不合理では。
藤野は当初京本を外に連れ出した自分を責めましたが、彼女に非が無いのは言うまでもありません。もちろん彼女も頭では理解しているでしょう。でも心が追い付かない。そんな彼女に見せた幻が「ifの未来」でした。藤野が漫画を諦め、空手に勤しんだ未来。京本を襲った悲劇を回避できた未来。もしかしたら本当に「別の未来」が存在するのかもしれません。それは誰にも分からないし、知る術もありません。「死期」と同じ。だから私たちに出来るのは、真摯に自分の生と向き合うことのみ。自分がやれること、やりたいこと、やるべきことをする。それだけ。京本もそうして生きてきたのです。
良き人との出会いは「幸運」であり、別れは悲しいですが「必然」です。断言できるのは「努力が報われ」「理解者を得た」人生が「この上なく素晴らしい」こと。これだけは、絶対に、間違いありません。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 10点(2024-07-15 13:01:06)(良:3票)
5.《ネタバレ》 人物描写を藤野と京本だけに絞ったためでしょうか、上映時間は60分弱と短かったにもかかわらず、友情の尊さや片割れがいなくなったことへの喪失感がキチンと伝わりました。扉を介しての別時間線の二人のやり取りは泣けました。もう一回観たくなる傑作と思います。また、音楽の良さも印象に残りました。
次郎丸三郎さん [映画館(邦画)] 10点(2024-07-13 15:49:13)
4. 何かを表現しようとしたことある人ならぶっ刺さる作品。
何があろうが続けることが正義、物量こそが成功の鍵。
1時間に満たない上映時間で、2時間ものと同じ料金かw
なんてのは愚の骨頂。
とにかく観て損だとは思う事は無い映画です。
ただ、描くシーンで線を引く音をもっと入れてほしかった。
線を引く音。あれは良い音です。
翼ネコさん [映画館(吹替)] 8点(2024-07-12 20:30:54)
3.《ネタバレ》 いや〜良かった。2度観にいきました。
刺さりました。胸が熱くなって、俺も頑張ろう!と勇気がもらえます。元気が出ます。

好きなところ

①藤野が京本の家に上がった時の圧倒的な量のクロッキー帳
京本が本当に絵の練習ばかりしているのが伝わった。

②藤野の家から京本が雨の中を帰宅するシーン
ここ良かった〜。カバンを投げ捨てて、すぐに漫画作成に取りかかる藤野の姿がとても良かったです。
自分の漫画を褒められて、気持ちが再燃する姿は非常に良かった。こういうのあるよねー。

③藤野が絵の勉強をするために、本屋に行って、絵の教材を購入し、机に次々と教材が増えていくシーン
絵の勉強をしている姿がとても良かった。

④京本が本屋で出会った本に感動して、美大を目指すところを打ち明けるシーン
本屋で新しい本と出会って、知らない世界への扉が開くってところよかったー。あるある。
そして、美大にいくことを藤野に打ち明けるシーンもよかったー。 藤野の内心と、京本の勇気ある言葉が沁みた。。

⑤京本の半纏を見て、続きを描くことを決心して机に向かう姿
ここからあのエンドロールに入って、すごい余韻が残る終わり方。素晴らしい。

全シーンが良い。共感する。
へまちさん [映画館(邦画)] 10点(2024-07-05 23:41:20)
2.《ネタバレ》 私は絵を描いている。
プロでもないし、ただの趣味。
それもオリジナルはほとんど描かず、好きな二次創作をpixivにアップしたり、時々コミケに本を出したり。
とは言え結果は散々で、時折ブクマ100超えれば良い方(稀に4桁ゲットもあったが)。
そういう自慢を聞きたくないのは分かるし、自分が筆を追っても困らないくらい凄い絵描きが大勢いる。
かつて鼻っ柱をへし折られた藤野も同じ心境だっただろう。

絵を描くことは楽しいことばかりではない。
地味で辛いことを続けていく面倒臭さ、上手く描けない苦しさ、
世に出しても報われない悔しさや周囲から置いて行かれていく惨めさ、嫉妬しどう足掻いても埋められない差…
それでも敵視していた京本が憧れで自分の背中を追い続けていたこそ、お互いに頑張れて辿り着いた境地があった。
ライバルに褒められた雨の中の嬉しいステップ、共作の漫画が入選し二人一緒に街に出掛けたこと、
感情のこみ上げる表現がラフに近い描き方によりクリアになる。

そのかけがえのない日々が一転、理不尽な暴力によって輝かしい未来を奪われる。
主人公が藤野と京本であることが分かるように、原作者の藤本タツキの実体験が微小ながら多分に投影されており、
あの事件に対する一つのアンサーだろう。

誰もが鳥山明や尾田栄一郎や藤本タツキみたいにキラキラ輝けるとは限らない。
ましてやプロの漫画家やイラストレーターになれる人などほんの一握りの狭き門で、
心が折れて涙を呑んで消えていった無名の人たちは星の数ほどいるだろう。
ただ、自分の可能性と表現したいものを信じて多くの時間を費やし、"フィクション"にひたむきに向き合ったことは、
決して無駄ではないというつもりは毛頭ないが、自分自身しか知らない苦闘は本人が否定しても事実として残る。

成功失敗問わずそれでも描き続ける人、いろんな事情で筆を折った人、再び描き始めて挑もうとする人。
かつての苦しさや辛さや悔しさを振り返り、苦虫を噛み潰しながら、これからの人生を紡いでいく決意。
フィクションで救われた人たちがいたように、それを受容して初めて"大人"になっていくことだと思う。

今やAI生成イラストの登場により、本作みたいな産みの苦しみや面倒臭さや挫折感を味わうことなく、
描けない人ですら一瞬で傑作を生み出し、簡単にバズれるようになり、大量生産が可能になった。
それを駆使する人たちが主流になったとき、
二人が描いた景色に"簡単に"辿り着いたその人たちにはどう見えるのだろうか。
Cinecdockeさん [映画館(邦画)] 9点(2024-07-05 23:41:14)(良:1票)
1.《ネタバレ》 原作は読んだ記憶はあるが内容はあまり覚えていない。もしかしたら断片的な情報をネットで見かけただけで、実際は読んでいないかもしれない。これくらいあやふやな情報しか持っていない状態だったし、映画化の情報も何となくどこかで目にしたような気がするくらいであまり関心はなかった。
ところが、上映開始日に「良かった」「観るべし」などと熱い筆致で書かれたいくつものポストをXで見かけてしまい、それをきっかけにネットで観た予告編に由々しきものを感じてしまった。「これは早めに観ておかなければ」と急遽見に行くことに。

学年の連絡プリントに4コママンガを描くことが好きだった小学生の藤野が、不登校の同級生・京本と慮外な縁から一緒にマンガを描くことになり、漫画家を目指す。だが、京本が高校卒業後に美術大学に行きたいと言いだし…。

かなり期待値が上がった状態で観てしまったことがいけなかったのか、予告編を観たときの期待を上回らない、首をかしげることの多い作品だった。

作品全体の印象は「映画というよりもBGVというか、よくできたプロモーションビデオみたい」だ。ストーリーに関係する登場人物が少なく、彼らと社会の関係性が稀薄だったこともあるかと思うが――これは原作がこうだからだろう――何よりもBGMのボリュームが大きすぎたことが大きな原因だ。

派手ではないが、非常に丁寧に、緻密に懸命に気合を入れて作画されているのだから(京本に4コママンガを褒められた藤野が田んぼのあぜ道を歩く作画は出色!)作画の力をもっと信じても良かったのでは、音楽の力で半ば強引に作品全体を盛り上げようとしなくても良かったのではと思ってしまうのだ(『ラーメン発見伝』でラーメンハゲこと芹沢が、客の舌を信じ切れなかったために主人公・藤本との最終決戦に敗れたことを思い出す)。

内容に関しても大きな不満はないのだが、「とにかくがむしゃらにマンガを描き、漫画家になる」に青春をささげたことがとにかく強調され、それ以外の描写がほぼオミットされているため、何かを描く行為自体に感情移入しきれない、もはや漫画家を夢見ることのない僕にとっては「理解はできるがどこか共感しきれない」作品であった。

それでも、帰りにパンフレットは買ったし(グッズは上映2日目にしてほぼ売り切れ!)ブルーレイが出たら買う可能性は低くない。技術的によくできた作品として手元に置いておきたい気はする。
はあさん [映画館(邦画)] 7点(2024-07-05 07:00:07)
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【点数情報】

Review人数 20人
平均点数 8.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6420.00%
7525.00%
8420.00%
915.00%
10630.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人
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