THE GUILTY ギルティ(2018)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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THE GUILTY ギルティ(2018)

[ギルティ]
The Guilty
(Den skyldige)
2018年デンマーク上映時間:88分
平均点:7.21 / 10(Review 34人) (点数分布表示)
公開開始日(2019-02-22)
ドラマサスペンス犯罪もの
新規登録(2019-02-19)【ぴのづか】さん
タイトル情報更新(2023-06-15)【イニシャルK】さん
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キャストヤコブ・セーダーグレン(男優)
小原雅人(日本語吹き替え版)
配給ファントム・フィルム
あらすじ
訳あって捜査の第一線から緊急通報指令室のオペレーターに配置転換されたアスガーは、再び現場に戻れる日を迎えようとしていた。そしてオペレーター最後の日、彼は誘拐され怯えている女性からの通報を受ける。アスガーは電話口から聞こえてくる女性の言葉や周囲の音から得た手掛かりを所轄の警察署に連絡するが、事件解決はままならない。彼は立場を越えてまで捜査を進めようとするが、その先には思いもしない事態が待ち受けていた。そしてそれは、彼自身の生き方をも翻弄することに…。 現場の状況は一切見せず、ただ電話からの声と音だけによって展開していくという、デンマーク発、異色のクライム・サスペンス。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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12
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34.斬新で思い切った構成を評価するべきなんでしょうけど、やっぱり90分間神妙な顔をしたおっさんの顔だけを眺め続けさせられるのは正直きついですね…。もちろん役者の演技に問題はないですし、撮影や美術に安っぽさも感じられず終始シリアスな雰囲気は保たれてます。それは主人公がいる部屋以外は全く映さないという選択が作品に余計なものが混ざらないすっきりした統一感を与えているおかげではあります。しかしこういう一人称的構成はやっぱり小説やラジオドラマのような媒体向きで映画は複数視点から展開するのが向いている表現だと思います。90分と短尺なのもその限界を理解しているからこその判断でしょう。同じような題材なら俗っぽく強引さも感じられる内容だとは思いますが、ザ・コール [緊急通報指令室]の方が素直に面白かったかなあと。
Сакурай Тосиоさん [インターネット(字幕)] 4点(2023-08-11 23:28:39)
33.《ネタバレ》 1シチュエーションものの良作って、今現在見えている外側の画が脳内に容易に浮かんでくるものです。本作も鑑賞中は、赤ん坊が寝ている室内も溜まった郵便物が散らかっている玄関も橋の上にいる女の姿も見えていました。実際に見ていたのは緊急ダイヤルオペレーターの男の顔と司令室の画だけなんですけどね。
「声」だけで鑑賞者の脳内の映像もくるくると変わってゆく。赤ん坊は悲劇へと転換し、女を誘拐した男の姿はマッチョな乱暴者から困惑し取り乱した普通の中年男へ、被害者の女の顔つきもノイローゼがかった顔相へと観る者に自主変換させる脚本がすごい。
オペレーターであるゲルガー個人の抱える問題についても詳しくは語らないながらも、大まかな筋はわかるようになっている。
ゲルガー個人の問題と外で進行中の件とを同時二本立てで、うるさくなく組み合わせるのってかなりの技巧を要するんじゃないかな。お見事です。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-04-07 17:02:32)
32.《ネタバレ》 鑑賞後、映画情報サイトで本作の詳細を確認したところ、“出演”の項目が主演俳優のヤコブ・セーダーグレンの表記のみで、残りのキャスト情報は“声の出演”になっていた。
当然認識していたことではあったけれど、本作が極めてミニマムなキャスティングによるアイデアに溢れた密室サスペンスであったことを再確認した。

とある業務上の問題行為による謹慎処分で緊急通報司令室に飛ばされているらしい刑事の男が、現場復帰前夜の職務で受けた一つの緊急通報により、人生の岐路に立たされる。
緊急通話の“会話劇”のみで紡ぎ出される或る事件が、緊迫感たっぷりに描き出されると同時に、主人公の置かれている立場や彼の人間性が浮き彫りになっていく様が、とても巧みだった。

主人公が偶然にも受けてしまった事件そのものの真相もサスペンスフルだったが、その顛末によって突如として彼本人に突きつけられた“罪と罰”の描写が非常にスリリング。
映し出される舞台は一貫して緊急司令室内のみであり、1カットも“外”の様子が挟み込まれることはない。故に映画的な絵面は地味なはずなのに、その緊張感をキープし続ける映画術は見事だった。


人間誰しも、自分が犯した過ちに対して気づかないふりをしてみたり、必死に正当化したりして、自分自身に対して「嘘」をついている。
ただ、ふとした瞬間に、その嘘を自ら暴かなければならなくなったとき、どういう言動に至るのか。そこに、人間としての本質が現れるのかもしれない。

本編を通じて、主人公は方々に電話をかけつづける。
ラストカット、彼は誰に最後の電話をして、外への扉を開けたのか。
(最後に扉を開ける映画は大体傑作説を本作は証明している)

デンマーク産のなかなか妙味な作品だった。
あと、本作ほど自室のPCモニターで“ヘッドホン”をして鑑賞するスタイルに相応しい映画も他に無いだろうと思う。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-02-04 00:03:03)
31.《ネタバレ》 いやー面白かった。
画は基本的にずっと同じなんだけど緊迫感はすごい。
ただここまで横の繋がりと言うか、報連相がgdgdなもんなのかとそこは引っかかりました。
映画の演出としてなのか実際こんな感じなのかは知りませんが。
終盤の展開と、それに気づいた主人公のアップの顔の時点で「あ、このまま暗転終了エンドロールとかになったらとんでもない映画だ」と思ってしまった。
結果まだ続くんですけど。
主人公ずっと見てると段々トラボルタに見えてきたのと、私情挟みすぎて途中別の通報への対応が疎かになってるのが残念。
けど面白かったなぁ
悲喜こもごもさん [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-10 11:41:06)(良:1票)
30.《ネタバレ》 良くできた映画なんだけど話の都合上絵面に変化がないのが見てて辛かった。
現場映像がないからこそ見てる側は騙されたわけだけど。

ちょっと気になったのはオリバーを殺してしまった事を急に認識している場面。
何かきっかけあったかなー。
見落としたかも。
Dry-manさん [インターネット(吹替)] 6点(2022-10-09 21:52:37)
29.《ネタバレ》 過去に何らかの不祥事?を犯したらしく現場に出ることを一定期間禁じられた熱血刑事と思しき人物が110番コールセンターで業務をこなす中、怪しげな女性からの通報に異常をかぎつけて事件解決に向けた対応を行っていくという話ですが、場面転換が一切なく、コールセンター内の映像と電話の音声のみでストーリーが進んでいく映画です。音声を追っていくだけとはいえ、手に汗を握るような展開がずっと続き、飽きることなく最後まで鑑賞できた点は非常に評価できるのですが、そもそもこれって映画としてみたときにどうなの?という思いも同時に生まれてくるのが正直なところです。

映像情報は非常に限定的で、音声だけなので鑑賞者の想像力により補完される余地が大きく、(映像を具現化するという)映画という作品ジャンルの特徴・魅力を活かしきれていない印象になってしまいます。確かに今回は音声のみで進行するがために、重要な要素などもうまく隠したまま進行できますし、常に主人公目線なのでストーリーの進行もシンプルにできるメリットは大きいと思いますが、だからこそ、映像シーンをちりばめながら同様のサスペンス要素をうまく表現する、という「他の作品ではみんな苦心しながらやっていること」を放棄しているとみなすこともでき、私としてはちょっと高い評価にしにくい作品だなと思いました。

ここまでのレビューで軒並み高評価なので私の考え方が間違っているのかもしれませんが、個人的な意見としては、映画として評価するなら5点という形にさせていただこうと思います。
たあたんさん [インターネット(字幕)] 5点(2022-08-21 20:47:43)(良:1票)
28.《ネタバレ》 言い尽くされているコトだとは思いますが、何とも素晴らしいアイデアのサスペンス・スリラーですね!そしてココまで徹底して主人公の様子のみ・同じ室内の映像のみにこだわってやるってーと、確実に低予算な映画ながら作品の「格」が諸々と一段上に上がる、という気もします。サスペンス(スリラー)としても、電話口のほんの一言で(一瞬置いて)空気が一気に張りつめる感覚がモ~結構たまらなかったのですね。結論、かなりオススメできる作品ですよね。

しかし、コレも言い尽くされているコトだとは思いますがやはりツッコミどころは無くはないかな、とも。何よりやはり、当初から女性の誘拐事件という高度な強行犯罪であるコトは明らかなのに、窓口となるオペレータがずっとワンオペでやり続けるというコトはあり得るのでしょーかね?(そもそも、緊急通報指令室にだって流石に上司にあたる役職者がひとりは詰めているモンじゃねーかとも思いますし)。まあ、大勢でゴチャゴチャ騒ぎながらやられても、或いは主人公が全く感情的にならずに淡々と通話を続けられても(ソレは流石に)映画的に画ヅラが面白くなさ過ぎるかな…とも思いますケドね。正に典型的な直情径行型とゆーべき主人公の風情は、コレもデンマーク産の『特捜部Q』のカールを思いっ切り思い出してしまいました。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-20 22:58:33)
27.《ネタバレ》 いや、作品の目新しさだけを語ってはいけないと思いますが、こういう作品に出会える嬉しくなります。
ほぼ通話のみの構成は「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」などもありましたがあちらはあくまで私事、こちらは人命が掛かっている緊張感溢れる展開。
途中で真相が分かった時「うわぁ。。。」と悲しい気持ちになりました。
おススメできる良作です。
夜光華さん [DVD(吹替)] 7点(2022-07-01 20:30:42)
26.主人公と同じ時間軸で、緊張感を味わえます。見終わったときに、喉の渇きを覚えた。こういう映画に出演することは役者冥利につきるでしょうね。
代書屋さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-05 13:48:47)
25.《ネタバレ》 あらすじ以外の情報を遮断しないと作品の魅力が半減する映画。舞台は緊急通報指令室と隣室のみ。電話の奥の声だけで現場の状況を判断しなければならず、主観によって過ちを引き起こすことになる。ともなればラジオドラマで充分という声も聞こえるため、主演俳優の演技力と電話の声だけで物語を繋ぎ止める。罪を犯さない者なんていない。思い込みから人を傷つけることもある。だが、真実に向き合い人を救うこともできる。超法的な手段で事件を解決した彼に明るい未来があるとは思わないが、少しでも憑き物が落ちたかもしれない、安堵感のあるラストだった。
Cinecdockeさん [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-03 10:40:41)
24.《ネタバレ》 あぁもうつまんなかった…

拉致されたというイーベンは、しょっちゅう電話かけてくる。

いや、拉致した男、拉致したら普通まず最初にスマホとりあげるだろ。

すでにそこで気持ち冷める。

結局夫が暴力で元妻を拉致ったとミスリードさせておいて、実際は弟を殺したのはイーベンだったわけだが
それならそれで、なんで拉致するの笑

警察に電話が先でしょ、いくらなんでも、暴力をふるった経歴があったって、
自分が拉致してどうする気?
殺す気だったなら、それこそ警察に通報されたりしないように、いのいちばんにスマホ取り上げて
誰にも追跡されないようにするでしょ。

アスガ―も、犯人と電話で「自首しろ」って…おいおい、たとえば目の前に犯人がいて
「抵抗するな!」ってピストルつきつけて追いつめられている状況ならともかく
電話してるだけの状況でそれを言って

「わかりました」

なんて言ってもらえると思ってるわけ?

息をしてないのが一目瞭然なほど切り裂かれてるという弟が家にいることを
プライベートで彼女の家に行くように頼んだ友達から電話を受けたときも

「息をしてるか調べろ!」

って感情的になってたけど、いやあんた、そんなことしてないで
さっさとこの事件に関して他の警察の人達と連携して取り組めよ!ですよ。

「なんてこった」て表情されたって、こっちが「なんてこった…」って気分。


とにかく、いちおう最後まで見たけれど、ずっと心のなかで

「またリアリティのない展開になってるよ」の連続でした。

最後に、イーベンが自殺しそうなところを確保したっていうことになったけど
それもアスガ―が問い合わせしないとアッチからは確保したよって知らせないというシステムもどうなの。

とにかく、警察側もイーベン一家も、全員やることなすことイライラする。

アスガ―が最後、部屋から出て電話をどこかにかけてたけど

ウーバーイーツで、ラーメンでも頼んだんじゃないかっていうくらい、お粗末な映画。
フィンセントさん [インターネット(字幕)] 1点(2021-11-11 15:08:37)
23.室内劇。主人公の巧さがあって、飽きることなく見れる。電話越しの事件と、主人公が抱えている問題とはなんなのかという真相が同時並行で明らかになっていく。
カワウソの聞耳さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-11-06 22:16:44)
22.《ネタバレ》 イーベンとアスガーのやりとりを聞くうちに「この女はもしかして」と感じた通りの展開に、ワンシチュエーション室内劇の良さを見ました。製作費と時間をかけなくてもアイデア一つで良作になるところに+1点。内容は協調性ゼロの仕事運びに白けまくりでした。
The Grey Heronさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-11 16:29:24)
21.《ネタバレ》 ほほ~なかなかやりますな・・・。こんな部屋から出ない密室劇系なら12人の怒れる男あたりをやっぱり思い浮かべるけど、本作はそこからもう一つ「観てる側の想像力」を使うという新しいモノ。これがまた全く一切画像が出ないんだけど、これがめちゃめちゃ考えてイメージしちゃうんだな~~いやー良くできてますね。「そう来たか!」という予想の上を行く展開もよく考えてるねこれ。最後もホッとしたし面白かったです。8点。
Kanameさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-09-08 14:33:29)
20.《ネタバレ》 主人公はオペレーターという職務上、どんなに刑事の勘を働かせようと自ら現場に急行して捜査を行うことが出来ない。頼れるのは電話のみ。物語は電話の前でのみ進行していく。一種のソリッド・シチュエーション・ムービーと言っていいでしょう。約90分の短い尺の中、さして場面の転換もないままに物語はスピーディーに展開していくので、観ている方は想像力をかきたてられるばかりで片時も目が離せません。
主人公は現場を外され日々オペレーター業務に勤しんでいる身であって、恐らくは毎日を鬱々とした思いに浸って過ごして来たのでしょう。転がり込んできた誘拐事件に我を忘れて没頭していきます。しかし、次第に彼自身が心の奥底に抱いている闇が見え隠れして来て、誘拐された女性が実は恐ろしい性癖の持ち主であることを知った瞬間、ついに我を忘れて彼女にシンクロしてしまう。彼のしたことと彼女のしたことは、あらゆる面で全く異なるものではあるけれど、最も深い部分ではどこか繋がっているのだと思います。その結果待っているのは見ようによってはバッドエンドですが、もともと予定していたハッピーエンドは協力する相棒を不幸に巻き込むものであるばかりか、誰も心から迎え入れてくれるあてもない中、彼自身にとって何も解決されることなく、恐らくは同じ過ちを繰り返してしまうだけのものだったと思います。やっと自らを真正面から見つめることが出来るようになった彼が迎える結末は、決してハッピーエンドではないけれど、鬱々とした日々からほんの僅かでも彼を解放してくれる希望の光ではないかと思います。
などと、観終わった後いろいろと反芻することも出来、思いがけず出逢った秀作に9点献上します。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-09-08 00:46:56)(良:1票)
19.《ネタバレ》 主人公が一晩で改心(本来は良い事なのだが…)してしまった点が、最後に安っぽいドラマに傾いてしまった。重ねて言うが本来は良い事なのだが、それ要る?
リニアさん [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-20 20:42:24)
18.《ネタバレ》 うわー、これは相当いい。10点じゃないのは、いくら乱暴な警官の設定でも、①誘拐の被害者と思われる人物と一緒にいる、容疑者と思われる人物に、直接電話して刑務所行きを通告する、②被害者と思われる人物に、容疑者と思われる人物に反撃を促す、のは無理筋だろうと思うから。しかし。主人公が重大な事実を電話で耳にして、ボーゼンとするシーンが3回ほどあったと思いますが、短い作品でこんなにボーゼンに尺を取るのかと、シビれました。乱暴で有能、でも強くないという主人公の造形。明日ある裁判も、大体どんなものか想像はつくわけで。その辺のネタバラシもちょうど良かったと思います。ラストシーンは、出て行った奥さんに電話してたんだと思っています。
なたねさん [インターネット(字幕)] 9点(2021-08-14 21:06:12)
17.これはもうアイデアの勝利でしょう。映画というよりラジオドラマを聞いているような感覚に近い。一連の事件をふつうの映画のように撮ったとしたら、おそらくありきたりの、2時間ドラマレベルの話だと思います。しかしそれを、すべて見る側の脳内イメージだけで展開するというのが面白い。またその様子が、脳内でイキイキと再現されるのも面白い。何でもかんでも映像が当たり前の今の時代に、音だけの情報が人間の思考や感情にどんな影響を及ぼすか、自分が実験されているようでした。言い換えるなら、人間のイマジネーションも捨てたもんじゃないなと思わせてくれます。
ただ主人公の個人的な事情については、ちょっと不発だったような。
眉山さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-14 02:43:54)(良:2票)
16.《ネタバレ》 緊急通報の電話を受けて…というシチュエーションだけで言えば「ザ・コール 緊急通報指令室」と似たシチュエーションの映画ですし、電話だけでしか相手の状況がわからない、という点では「セルラー」なんかも近いと言えますが、この映画がそれらと異なるのは終始「電話を受けてる側だけの映像で話が進む」という点です。
限定された空間での会話だけで映画が進むという点ではむしろ「12人の怒れる男」あたりに近い映画かもしれません。

いずれにせよここまでシチュエーションを限定した映画は他にあまりないわけですが、この映画ではその状況を上手く利用して終始観客を上手にミスリードし最後まで緊張感を持たせる事に成功しています。

伏線として観客が気になる「翌日の裁判」ですが、最終的に説得するための懺悔として使われるわけですが、正直これはなくても映画としては成立するわけで、もうちょっとうまく映画に絡められなかったのかな…とは思います。
ただ、この伏線があまり上手に話に絡まってくると「お話として創り過ぎ」感が出てシラケる可能性もあるわけで、この程度の処理がいいのかもしれないとも思います。

細かく観ればいろいろ気になる点があるのは他にご指摘してる方の書かれてる通りで、私も観ている途中いろいろ気になったんですが、でも、親権だの勤務体制だの諸事情についてはそもそもあちらの国のお国柄がわからないですし、この事件と並行して赤ん坊の殺人について警察が動いても(少なくともこの時点では)ただの緊急通報オペレーターである主人公は捜査の蚊帳の外に置かれていてるんだろうな、と思ったりしたので、致命的な問題には感じませんでした。

いずれにせよ、90分の短い尺をほぼワンアイディアで見せ切ったのは見事であり、素直に「面白かった」と思います。
あばれて万歳さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-14 02:28:14)
15.《ネタバレ》 たしかに悪くはないと思いますよ。ちみ~つに緻密に作られてるとは思うんです。でもだからこそ、緻密だからこそ気になって気になって仕方がないことがいくつかありました。まず一つ。実際のデンマークの緊急オペレーターがどうなのかは知りませんが、すでに赤ん坊が殺害されている状況を把握したのだから、容疑者の確保や事件としてなぜ警察への応援要請をしなかったのか? もうなんていうか「事件」が起きてるわけじゃないですか。警察が大々的に動けばある程度は進展も望めるんじゃないかって。それと「事件」が起きているのに淡々と周りは日常空間で、時間来たから交代ってなにそれ? そして一人で四苦八苦している姿を見てても、おいどうした?なにか起きたのか?てな~んも気を使わなすぎでしょ。私にとってはあのオペレーター室そのものがまさに、ミステリー、でしたね( ̄▽ ̄;)それとですね、これが一番引っかかって仕方なかったのが、精神を病んでる母親側になんで親権があるの?たしかに父親は暴行事件を起こして刑務所にいたかもしれないけど、罪を償った人間よりも精神を病んでる人間に幼子を任せていいのかよ!!??ってね。

釈然としないことが多々ありすぎて、諸手を挙げてまでは絶賛しにくかったです。はい。ただこの映画のチャレンジ精神や、主演のヤコブ・セーダーグレンさんをはじめ、声だけの出演者の方々の見事な演技力は称賛に値します。素晴らしい!

ハリウッドのリメイク版に少なからず興味を持ちました。
Dream kerokeroさん [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-13 00:06:38)
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【点数情報】

Review人数 34人
平均点数 7.21点
000.00%
112.94%
200.00%
300.00%
412.94%
512.94%
6411.76%
7926.47%
81441.18%
9411.76%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review2人
2 ストーリー評価 10.00点 Review2人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review2人
4 音楽評価 7.00点 Review2人
5 感泣評価 7.50点 Review2人
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