69.《ネタバレ》 熟練の首切り職人の主人公の周辺に、対照的な女性二人を配置するという設定の時点で、いかにも観念的で説明的な描写に陥りそうな雰囲気が漂っているのだが、意外にも巧くまとまっていた。随所で徹底して空港シーンを入れ込むこだわりぶりと、首切りの会話を手を抜かずにいろんなパターンで展開する丁寧さが、作品の腰を強めている。最後に「やっぱり家族が大切だよね」に集約していくのは非常に安直という気がしないでもないが、女性二人との関係をあっけなく終わらせる皮肉ぶりが、作品を陳腐に落とす手前で救っている。余談だが、ここぞというところで懐かしのヤングM.C.の"Bust A Move"が、しかも本人登場で(!)炸裂するのは、ちょっと楽しかったりして。●再見して気づいたのですが、この脚本では、主人公の全体を通じての変化が、実に的確に切り取られているのですね。アレックスとの逢瀬、ナタリーへの教育(?)、妹の結婚式(と、義弟との接触)を通じて、徐々に見える世界が変わっていく。だから、悲願を達成した機長との会話シーンの虚しさに説得力がある。そして、それを自然に表現したクルーニー、ファーミガ、ケンドリックの演技も素晴らしい(空港での別れのシーン、すでに破綻を予感しているファーミガの表情!)。●難点は、最後の紹介状が余計なこと(ケンドリックの想像後ろ姿のショットが良かっただけに、関係はそこで終わらせてほしかった)、クルーニーとファーミガが最後に電話で喋るのが余計なこと(留守電メッセージとかで十分だったのでは)。 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-07-02 01:07:32) (良:1票) |
68.アメリカ人も解雇されたら自殺してしまうのか 重い問題。 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-06-28 17:09:50) |
【K】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-06-01 19:27:52) |
66.《ネタバレ》 主人公のマイルを貯めるのが楽しみな気持ち、なんとなくわかる。いつも混雑して長蛇の列ができるカウンターやセキュリティ・チェックを、さっとスマートにカードをかざすだけでスムーズに通り過ぎる。スタッフが自分の名前を呼んでくれる。いや、冷静に考えれば「何でこんな事に」と思うようなことだが、自分の仕事や生活の「スタイル」の結果として積み上がるマイルという数字を眺めるのは、きっと快感なんだろうなと思う。そういう彼を揺さぶる2人の女性がいい。正論をぶつける部下と、同じ価値観を共有する(と思ってた)大人の女性。そこから浮き彫りになっていく、主人公の生活の「空虚」。そういう主人公の仕事がリストラ通告というのもいい。実際には、仕事で直面する人間や社会のもっともドロドロした部分と、空の上の世界とそこから眺める各都市の風景の対比。「空の上(Up in the Air)」の「空虚」に気づいてしまった主人公の今後は明確には示されないが、たぶん同じような生活を送りながら、彼のなかでは何かが決定的に変わっている、そんな生き方を彼は模索していくんだろうと思わせる。大きな展開や感動的なエピソードがなくても十分に楽しめる佳作。この映画の監督が映画公開時はまだ32歳で、しかもあのアイヴァン・ライトマンの息子だったというのに驚き・・・。さらに、この映画の「大人の女性」ヴェラ・ファーミガが、自分と同い年だったというのに、さらに驚愕・・。若い(と言っておきたい)スタッフが作り上げた大人の映画。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2013-09-16 22:59:38) (良:1票) |
65.《ネタバレ》 一人を謳歌する人生を選んだ男が、だんだんと家族の暖かさ大切さに気が付いていく話です。このテーマの映画は結構多い気がします。映画の中であるように、一人でいることの虚しさを最も痛感するのは結婚式だというのは同感です。結婚する仲間を祝福する時って、嬉しい反面、なぜか孤独を感じる一面もあります。ライアンの心境の変化を丁寧に描写していて、心変わりしていく過程に不自然さもあまり感じられませんでした。観て損のない好作だと思います。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-26 12:23:37) |
64.まぁまぁですかね。全体的にそれぞれの人物描写が甘いように思います。ちょっと軽く作りました的なノリで、がっちり深く観たい向きには食い足りないです。女性の描き方が特に軽くて好きになれないです。それでもクルーニーの映画の中では上位に来ると思います。 こういう作品は、大人向けで個々人の今に至る、経験から省みていろいろ思うところがあるという、ある意味観る人によって感じ方はいろいろあると思います。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-10 12:29:18) |
63.最近、「絆」とか「つながり」とかっていう言葉が心地よげに使われていますが、「絆」「つながり」があるということは、それだけ七面倒くさい「しがらみ」に苦しむわけで、それはそれでかなり鬱陶しいですよね。だからといって、この映画の主人公のようにバックパックの荷物を捨てる(しがらみを断つ)という人生も何か味気ない気がするし・・・・本当に難しい。 【源八】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2013-01-06 08:40:40) |
★62.《ネタバレ》 広いアメリカをほぼ一年中飛行機で飛び回る「リストラ宣告人」主人公をジョージ・クルーニーが好演してますね。クールでスマート、長いキャリアからにじみ出る無駄のなさがすごくカッコイイ。映画の内容は、人生の示唆を含んだ深い内容だね…ドライな空の上か、ウェットな現実か、、、。なかなかな良作だとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-03 09:10:41) |
61.《ネタバレ》 期待してて見ました。アメリカ人も長く雇用されることを守りたいと思うのかーと当然なのに驚く。アメリカって職をすぐ変えるーってイメージがあったので....。ストーリーは最初のジェット族の『流儀』のような描写は丁寧で好奇心をくすぐり楽しめたものの、後半の主人公の心境の変化の描写(結婚式に向かい姉から家族として無自覚さの指摘でショックを受ける)からーと自分もリストラされるのではないかーという不安の描写は経過を重ねるだけで、中身が無く薄っぺらく感じた。編集の問題だろうか。あと一点。バックパックの話が全くおもしろくないが、あれは受講者から評判いい設定なのか?悪いのか?どっちの設定なのか曖昧で困惑する!!訳の問題? 文字組が美しく画角も美術・色彩も素晴らしいだけに残念。 【reitengo】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-01 01:17:54) |
60.常に出張続きの主人公の人生には、「背負う」ものが何もない。つまりそれは「何かの為には生きていない」ということの裏付けで、彼には「人生における目的意識や願望」がないというふうに見えました。そんな彼にある唯一の目的は「1000万マイル貯める」という、その件にまったく無関心な人からしてみたらあまりにもどうでもいいし、空しい目的のようにも思えます。が、彼にはそれしかないという寂しい現実です。そんな彼の内面的な部分を覆い隠すかのような爽やかでテンポの良い序盤で、“彼が紛らわしている内心”というのを重複的に表現しており、J・ライトマン監督の演出力を実感せずにはいられませんでした。ライトマン監督は「偽っている本心を無意識的に隠している偏屈な人」演出がとっても上手で、それだけでも映画を観ている実感を得られて気持ちいい。アナ・ケンドリックさんの多くを過信し、理想で心が埋め尽くされている姿はすごく普遍的で在り来たりに見えるけど、あのデフォルメなしにありのままの23歳の姿が映画内では妙に新鮮で親近感と愛しさを覚えずにいられませんでした。また、ヴェラ・ファーミガさんの心境は実に大人で、その心理を十分に理解するのは難しいけど、きっとそういう感情はあり得るんだろうなーっと関心。そして羨ましいと思うぼくの若さ!という具合に主要人物の心理描写がとても豊かで、それだけである意味成り立っている物語だと思いますし、落差を間違いなく産み、対立構造も発生するであろうその丁寧な人物設定が素晴らしい。ただ、落差はあるし、葛藤もあるのだけれど、クライマックスでもう少し彼らの今後を期待させるような情緒的な場面があっても良かったような気もします。 【ボビー】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-07-28 05:26:32) |
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59.《ネタバレ》 これは面白かった。主人公に共感できるところが多くあり、身につまされるというか。。。映画の評価って、そういうところが大きいよね。 主人公の生き方。孤独を愛し、同時に人を愛する。矛盾しているように感じるかもしれないけど、生活という拘束、結婚という制度を否定すれば、それは達成可能である。マイレージ(1000万マイル!)を生き甲斐とする考えは、ある意味で意地のようなもの。確かにアメリカの航空会社のマイレージって有効期限もなく、格付けによる利便性が高いので、それを自らのステータス、生活スタイルの象徴としてしまう心情も分からなくはない。但し、彼自身もそのこと、それが意地にすぎないことは分かっていて、だからこそ、最後にそれをあっさり否定してみせる。 アフリカを舞台にした30年前のレッドフォードとメリル・ストリープの映画を思い出した。人は恋愛によって変わる。恋愛はこれまで貫いてきた彼の「自由」な生活、孤独という名の自己愛と自然愛を脅かし、献身は自己の不安を呼び起こすが、それでも彼、彼女は否応なく惹かれ合う。彼らは、「恋愛」を知っている。故に、それに纏わる喜びや哀しみを繰り返し受け入れられる余地を持っている。いつでも、いつまでも。。。それなのに、何故、結婚しようとする? 人の重荷まで一緒に受け入れる必要がある? 結婚を否定する考えは反社会的、反倫理的で間違っている、という意見は正しい。なぜなら、人は老いる。結婚こそは人を老いの恐怖から救う制度、短い生涯を有効に生きる、人類社会の英知でもあるから。レッドフォードは若くして都合よく人生を終えてしまうけど、本作の主人公の人生は、これからもずっと続く。 現代的な現実としても考えさせられるけど、それ以上に胸にぐっとくるものがあった。それがいいのか、悪いのか、境遇が近いと、感想も書きづらいなぁ。人生万歳。。。 【onomichi】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-07-02 22:34:45) |
58.《ネタバレ》 私は「仕事とは、食べるために仕方なくやるもの」という考え方の人間なので仕事一筋の登場人物達には誰一人共感できなかったのですが、それでも映画は楽しめました。この監督さん、とにかく映画の撮り方がうまい。終始テンポがよく、全妙なタイミングでイベントを入れてくる。暖かい人情ドラマに見せかけておいて、物凄く後味の悪いオチをドカっとかましてくる。ストーリーテリングの腕前は一流だと思います。。。 このドラマの流れであれば、主人公は愛する恋人と結ばれてめでたしめでたしのはずですよ。しかし、この映画はどこまでも現実的。「家庭を持つなんてくだらない。自分は仕事に生きるんだ」と決めつけた人間は、往々にして普通の人生には戻れないものです。プライベートを充実させることの重要性に気付いた時には、すでに手遅れになっていることが多いのです。この映画もそんな現実を踏襲し、主人公を幸せにはしてくれません。彼もまた、気づくのが遅すぎたのです。仕事と添い遂げる人生に絶望した主人公の後ろ姿でThe Endという気の重くなるラスト、コメディ仕立ての人情ドラマでこのオチをかましてくるというコントラストの付け方はうますぎます。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-06-13 00:35:44) (良:2票) |
57.《ネタバレ》 「リストラ宣告人」など自分は出来そうにないなと思っていましたが、この映画をみてその思いは確固たるものになりました。ライアンの、人生に余計な“荷物”は背負わないスマートな生き方は見ていて憧れましたが、歯車が狂うと途端に孤独を味わうハメになる…やはり寂しいですね。2人の女優の演技も見事で、ナタリーがせきをきったように突然泣き出すシーンは最高でした。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-07 10:30:14) |
56.《ネタバレ》 主人公の心の傷が大きすぎて共感することができなかった。 【osamurai】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-05-05 00:39:27) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 主人公のの心は作品の中では埋まってなくて、このなんとも言えない感じは、なるほどjunoの監督だったのですね、 【ないとれいん】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-12-24 11:37:04) |
54.機内にて。 期待してたほどじゃなかった。機内鑑賞で十分。 【kaneko】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2011-11-15 18:50:15) |
53.ジョージ・クルーニーが良い味を出している。それぞれのキャラ設定も面白いし、大人の恋と青春の 恋が並行していて、そこに感心した。 【lalala】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-07 16:20:06) |
52.《ネタバレ》 なぜマイレージ到達に固執したのかが理解不能。独身男性だとそんなオタク的になるのだろうか。好きになった女性の喪失感を、あれほど念願としていた目標マイレージの達成でさえ嬉しさが凌駕できないという表現のための小道具として使いたいがために、マイレージ貯蓄を設定したのだろうか。テーマも表現も薄っぺらい映画です。 【ダルコダヒルコ】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-11-01 01:11:49) |
51.ラストの何人もの解雇を宣告された人々が異口同音に語る家族という心の支え。中盤には妹の結婚もありました。結婚に不安を感じた妹の結婚相手の男に一人でいることの不安や、誰かと共に生きることの素晴らしさを説く。そして最後に再び出張を命じられた際の複雑な表情。そんな出来事を通し彼の心の中に人生やライフスタイルに対する変化が感じられます。終盤のシカゴ行きもそんな思いの表れだったのでしょう。だからこそ、シカゴ行きの顛末とラストが寂しすぎたと感じました。最後は彼の人生のいい方向への変化が見たかったですね。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-10-10 21:03:50) (良:1票) |
50.《ネタバレ》 秀作。プラスではなくマイナスの映画。マイナスの余韻をくっきりと残す。そして観る前と後では少し考えが変わるタイプの映画。女優ふたりの競演が素晴らしい。若いアナ・ケンドリックも大人の女ヴェラ・ファーミガも甲乙つけがたい。どちらの生き方にも共感がある。 そのふたりにはさまれて立ち尽くしているジョージ・クルーニーは今までにない味をだしている。彼はどちらにもいけない。 【はちかつぎひめ】さん [地上波(字幕)] 8点(2011-10-10 07:29:23) |