36.《ネタバレ》 それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマン。顔デカイよなあ。デカ過ぎ。まあそれは置いといて。ある陰惨な事件の顛末を、独特の構成(自在な時間軸、複数の視点)で描いたサスペンス映画ですね。視点と時間をズラせつつ進行していく映画の流れは、ちょっと、音楽における「フーガ」の様式を思い起こさせますが、それよりも私はこの映画を「あみだくじ映画」と呼びたいですね。しかも当たり無し、すべてハズレのあみだくじ。物語の進行に伴って、いくらポキポキと折れ曲がり、いくら進むラインを変えようとも、最後はハズレ、すなわち、やりきれない結末にたどりつくことが避けられない。悲観的運命論。この「どうにもならなさ」加減。力作です。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-06 10:36:12) |
35.《ネタバレ》 実質、彼らはずっと前から死んでいた、それを受け入れられず悪魔に魅入られたってことか。 |
34.《ネタバレ》 「十二人の怒れる男」からちょうど50年、シドニー・ルメット監督最後の映画にふさわしい力作だと思う。亡くなられてちょうど1年、謹んで哀悼の意を献げたい。社会派監督としての偉業は、映画ファンにとって決して忘れることはできないだろう。 この映画は最初に問題の強盗事件を示し、その後時間軸を前後に少しずつ変えながら事件に関わった人たちの有様を描いていく。それゆえ、まったくといって目が離せない。それで不明瞭だった部分が少しずつ明らかになり、つながっていく、実に巧みな手法だ。 アンディとハンクの金に困った状況、アンディの妻とハンクの不倫関係、そして安易な強盗計画・・・。計画が失敗し、次々と起こってくるトラブルと不幸、最後は・・・。ずっしりと重い、重すぎる。 ところでこの映画、テレビで見たときは気づかなかったが、DVDで見ると冒頭の2分は昔だったら映倫カットでは? 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-30 15:51:25) |
33.《ネタバレ》 どつぼにズルズルはまっていく映画。悲劇的喜劇的な結末ありそうだなあと思ったらあっさり終わった。大きなサプライズとか伏線、大ネタもなくドキュメンタリーみたいに流れていく。 演者たちはさすがの好演。07年制作でありながらいい意味での古さを感じさせる。批判じゃないんだけど、よくこの邦題つけたなと。 【タッチッチ】さん [DVD(吹替)] 5点(2011-03-09 19:15:14) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 ダメダメ兄弟の堕落模様。ありがちなパターンであったが最後の病院での父親と兄のシーンにはビックリ!人生最後の子供のしつけってとこか。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-22 18:08:07) |
31.《ネタバレ》 兄貴が一番のクズ人間だな。自分の手を汚さず失敗した弟に怒る、襲う店は両親の店、しかもヤク中という身分・・周りはこのクズ兄貴に振り回されてただけの感じだ。 最後マーサの家で弟に銃を向けるシーン、父が兄貴を病床で殺すシーン、いずれも緊迫感にがない。そういうのを狙ったのかもしれないが。弟役のイーサンホークがいい感じでナヨってましたね。演技派としての彼をこれからも注目していきたい 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-10-12 12:45:38) |
30.《ネタバレ》 彼らが演技をしているということを忘れてしまうほど、兄弟2人とも、本物の情けない人間に見えた。元奥さんからのあの嫌われっぷりや、家を譲り渡しながらもローンを払い続けている状況を考えると、ハンクの度重なる女遊び的なことで離婚になっちゃったんだろうなあ。ハンクは、甘やかされて育ったせいで、「困ったことがあったらきっと誰かが何とかしてくれる」・・・と、何事にも本気になれない駄目な感じ。アンディは、厳しく育てられ、それを愛情とは感じられないまま大人になり、自分を愛してくれる人をうまく愛せない。両親の店を強盗することを思いついたのも、まあ勝手知ったるで都合がいいというのもあるけど、父親への腹いせの意味もあったんだと思う。そんな軽い気持ちの計画が、最悪の結果になり・・。アンディを殺した父親は、「ベイビーだから・・」と、ハンクの方は許しちゃうのかな。ハンクはハンクで、「かわいい見た目」を武器に、ダメ男好きの女の人に助けられながら捕まらずに逃げおおせてしまいそう。やっぱり、全ての原因は、父親の育て方? 【おおるいこるい】さん [DVD(吹替)] 6点(2010-09-21 10:02:59) (良:1票) |
29.兄弟の共犯関係を描いたシリアスドラマと言う設定が、最近観た「夢と犯罪」に酷似していた。どちらも面白かったが、こちらの方が犯した罪がよりエグく、兄貴の狂いっぷりも相当なので好みだった。ユアン・マクレガーが兄貴役の「夢と犯罪」はわりと等身大の話。それに対して、こっちはフィリップ・シーモア・ホフマンの粘着質で屈折したブッ飛び方が全開で、ストーリーも壮絶な展開を見せる。こっちのほうが実際にはありそうもないけど、映画としては面白かった。脇を固めるアルバート・フィニーやイーサン・ホークもさすがの演技。でも一番凄いのは80歳を越えてこれを撮るルメット御大か。 あと、最後に付け加えるとこの邦題はちょっとしっくり来ないと思う。僕が代わりに考えた邦題はこちら。「兄と弟の犯罪」。うーん、これもイマイチ。何か、ないですか? 【枕流】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-05 17:34:53) |
28.凝った構成の割には話がわかりやすくて良かったと思います。 【K】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-11 13:26:11) |
【Yu】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-03-18 16:45:20) |
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26.《ネタバレ》 鉛を飲まされたかのようなずっしりと重い観後感を与えてくれる。映画は最初の10分でつまらなかったらやめる。そしてその後もセンスが悪かったらやめる。最後まで見る映画は半分くらいなのだが、この映画はあまりにもセンスが高く、冒頭から全くやめさせてくれない。テーマは人の欲~「業」ではなかろうか。そして、この映画を見て、自分の「業」を意識せざるを得ないのは自分だけだろうか?それが、ずっしりの正体だと思った。本当に疲れた(笑) 【りょーた】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-07 06:47:57) |
25.久しぶりのシドニー・ルメット。高齢にもかかわらず斬新でスマート、活きのいい見事な演出には恐れ入ります。フィリップ・シーモア・ホフマン、アルバート・フィニー、イーサン・ホークそれにマリサ・トメイらの個性あふれる迫真の演技も良かった。中でもダメ男丸出しというようなへたれ役をやらせたら絶品のイーサン・ホークでした。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-17 23:25:35) |
24.人としての道を踏み外してしまった、どうしようもない..救いようのない..兄弟の顛末を、リアルに描いた秀作..父親が真相を知ってしまうきっかけ辺りが、ちょっと出来過ぎだったのが残念..ラストも、もう一捻りほしかった... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-17 12:47:15) |
23.《ネタバレ》 邦題が嫌。時間の前後も気にならずすっきりまとまっているので見やすい。カエルの子はカエル、か。父親も若いときは宝石強盗、そして最後は人殺し。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-12-22 22:44:47) |
22.《ネタバレ》 強盗の日を境に全てが変わった。今まで貯めていたそれぞれの感情が爆発し、事実が明らかとなる。全てがうまくかみ合わない歯車、その事件をきっかけにして、アンディは父の思いを知り、父に対する見方が変わり道が見えかけた所でのあの結末にも皮肉を感じた。 話しを人物ごとに分けて見せる事で、一人一人の心情の変化が読み取りやすくなり、それぞれの思いの違いがはっきりと見え、感情移入しやすくなっていた。自分はその中でも一番不安定な存在のアンディという人間に魅力を感じた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-20 19:16:24) |
21.《ネタバレ》 この手の時間シャッフルものの趣向も珍しくなくなったが、でもやっぱり面白い。なんか映画ならではの面白さに根差しているようなのだ。舞台での芝居も映画も、客が座席に座って出来事を眺めるという点では同じなのに、芝居ではまず時間が順に進んでいくのに対し、映画は平気で逆に戻ったりあっちこっちする。不思議じゃないですか。時間を自由にあっちこっち出来るという発見が映画の文法をかなり豊かにしているはずだ。昔は回想は回想らしく画面をゆらゆらさせて入っていくというような決まりがあったが、もうそれも必要なくなり、こうキビキビとシャッフルそのものを楽しめるようになった。一度あったことが主観を替えて再び現われると、どうしてあんなにワクワクするのだろう。映画の秘密と関わっている気がする。それとこの映画のもう一つの手柄はフィリップ・シーモア・ホフマン。鈍感そうな外観とナイーブな内面の取り合わせの魅力なのか。上機嫌に弟に強盗話を持ちかけるあたりは、この人ならでは。このチグハグさがこの人が演じると納得いくんだな。『M:i:Ⅲ』のように完全な悪役になってしまうとあんまり面白くない。今回のように大物ぶりとナーバスさが同居している役だと、その大物ぶりのウツロさがひときわ生きて、いいのだ。この人のことを最初にノートに記録したのは『ブギー・ナイツ』だった。「小デブは『ビッグ・リボウスキ』の秘書か。いいな」となっている。やはり軽く生きているようでいて、自殺してしまう役だったと思う。 【なんのかんの】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-11-20 12:07:06) |
20.《ネタバレ》 く、暗い・・・暗いにもほどがある。アメリカ映画でこんなに後味悪く、しかも暗鬱な映画を観たのって、「ミスティック・リバー」か「イン・ザ・ベッドルーム」以来かもしれませんね。巨匠シドニー・ルメット監督が久々に放った秀作との誉れが高かったので、期待していたんですが残念ながら僕はこの点数止まり。見るべきものは、主要人物三人を演じたホフマン、ホーク、フィニーの演技のみ。最初全く似ていないこの兄弟を見比べ、キャスティング自体に唖然としたが、親父フィニーが画面中央に登場してくると、この三馬鹿親子三人衆、かなりの相似点が見受けられる。揃って超短絡的で超無計画、ギリギリ切羽詰まって困った時の表情が、口を半開きにした呆けた犬みたいな顔で、親子三人そっくりなんだもん・・・(笑)これは昔から役者の演技指導に定評あるルメット監督によるものなのか?既に評価の定まった大ベテラン監督とは思えない、シャープなタッチの演出には一応感心はしました、が、いかんせんオハナシがなあ・・・。ラストシーン、明るい光の中に向かって歩いて行くフィニーの姿は皮肉以外の何物でもない。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-06 14:49:01) (良:1票) |
19.時間を遡り巻き戻すシーンの多用と凝っていて、そこはおもしろかったのですが、話が如何せん暗く重くズッシリとくる内容。兄弟の破滅ぶりも然ることながら、父親が事件の発端に気付いた瞬間の形相に、恐ろしい悲劇を感じました。あの闇屋がそう効くのかという…。家族間にあった、屈折した積み重なった思いが、さらに事件を複雑にさせる。女達は蚊帳の外。身内の男に滅ぼされ、自らも堕ちていく様に、何ともいえない気持ちになりました。巧い作品ではあるし、出演者も流石の演技とは思うけど、もう一度観たいか?と言われればちょっと考えるかな…。 【泳ぐたい焼き】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-24 19:30:30) |
18.《ネタバレ》 哀れな話だ。多少の金では心の穴を埋められないというのがよく解る。ハンソン一家をここまで黒々と塗りたくった闇は、ガチャガチャと変わる時間軸よりもずっと前に生まれたんだろう。あえてそこを突かずに冷え切った空気を伝えたところに感心する。お父さんの車のガタガタなバンパーが哀愁を引きずっていてたまらなかった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-10 12:20:28) |
17.アホ兄弟の犯罪ものと思ってみたが、それだけではなくアホ親子のホームドラマです。 時間軸をバラバラにし、徐々に全体像がわかる仕組みになっているのは良くできていると思うが、フラッシュバックのような演出は必要ないだろう。安物のテレビドラマじゃないんだから。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-10-06 00:55:31) |