1.《ネタバレ》 北極圏の吸血鬼は、極夜期になると日の出が一ト月来ないので、安心して遊び続けられる。もっともスウェーデン製吸血鬼って特徴はそこのところだけで、あとは別段新味はなく、寒さも特別感じなかった(吸血鬼役の俳優が、ベルイマン映画の常連だったグンナール・ビョルンストランドに、顔やしゃべり方が似てたのも、スウェーデン味と言えばスウェーデン味)。医学生サイドと病院サイドで話は進み、血を吸われ合って吸血鬼が広がる前に、吸血鬼を維持する錠剤(そういうのが出てくるの)で広がってしまうってとこが現代か。吸血鬼が疫病の隠喩なら、現代は麻薬や不良製剤のほうが怖いわけだ。吸血鬼になった若者たちが家の前に並んで立っていて、警察が近づくといっせいに体が傾くとこが気に入った。最後まで軽いノリの赤毛娘ベガも印象に残る。