10.前半のホームドラマ調から、突如舞い込んだ赤ん坊、一転してシリアスなドラマとなる。自分の赤ん坊じゃなかったら死んでしまってもいいから寝ずの看病だったりしていろいろ浮き沈みのある映画だ。まさにお化け煙突、4本が3本だったり、2本に見えたりおしまいにはとうとう1本になる。見方を変えればどのようにも見える人間模様であり、この映画だった。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-10 22:36:25) |
9.山田洋次監督、BS推薦映画..ということで、鑑賞..戦後しばらく経った東京を舞台に、終戦後、結婚した夫婦(大家)と、そこに下宿する男と女が、ある事件をきっかけに、色んな事情が表面化し、問題が引き起こり、対峙する..少し極端な、クセのある男女4人が、繰り広げるヒューマンドラマ..共感する部分はなかったが..世の中には、色んな人がいて、色んな考えがあるのだ..と、思った..時代背景や当時の人々の暮らしぶり、思想や文化が垣間見れたので、そこは良かったかな... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-10-14 18:45:30) |
★8.お化け煙突のように、色々な見え方をする人間。時に交錯し、時に離れていく気持ちを描いて余すところなし。前半のコメディ調から、シリアスへの移行もうまい。上原・田中はもちろんですが、芥川と高峰のコンビが作品を支えていたように思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-07-02 21:06:58) |
7.2011.6/8鑑賞。矛盾だらけの行動をとっていく4人4様。でもかなりイライラさせる。人は一通りではない、いく通りもの面を持ち、また自分自身も、いくつもの姿を持っている。また見る側も同じで、おばけ煙突がその象徴。オープニングの芥川也寸志の音楽は良い。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-06-09 00:23:21) |
6.《ネタバレ》 原作椎名麟三のドストエフスキー的なるものは、つまり邦画の庶民の世界として親しんでいたものと同じだったんだ。何気ない日常の会話が、不意に深淵に迫ってくる。ささいな言葉のやり取りが、実は人生についての深刻な論争であったりする。それをまたうまく人情コメディにまとめ上げる技術のたくみさ。旦那が自殺しかけているときに逃げてきちゃった関千恵子と赤ん坊を捨てた母親が、明るい土手を歩いていくあの晴れ晴れしさに感動した。人を悪と善で割り切らない・あるいは割り切れないものとして遇する態度、これって明るいドストエフスキーじゃないか(と感心したら、あの関千恵子は原作にはないんだそう)。邦画は1940年代、前半は国威発揚・後半は民主主義啓蒙と、「大きな話」が占めていた。しかしここではそういう大局論や評論家的な態度が退けられる。虫歯や子作りレベルの身近な話から大きなものを見通そうとする。それが黄金の50年代なのだ。芥川比呂志の「正義」も、上原謙のパチンコで茶化される。そして「大きな言葉」が去った後の、新しい在りようをみんなで襖越しに模索している。「庶民」を描くことに徹しながら、「人民」までを見通そうとしている。時代の息吹を感じた。部屋の中にやたら影を導く(窓の桟から庭木の枝振りまで)。しかしそれが暗さにはつながっていない。といって光の存在の強調でもない。何か外部が変わりつつある予兆、とまでは言えないかも知れないが、風通しのよさが感じられてくる。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-06-02 10:21:36) |
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5.描写の対象を下手に拡げず、あくまでも身近な範囲でまとめているところは作品の堅実性を増加させていますが、それでもやはり食い足りない印象は否めない。上原謙が途中からどんどん格好悪くなっているだけなのも、何だかなあ。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-06-01 02:07:59) |
4.捨て子の赤ちゃんをめぐり繰り広げられる人間模様。いつの時代でもいろいろな人がいるもので、なかなか面白い。ただ、他人の子だから死んでもいい、なんて言葉は聞きたくなかったな。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-05-27 19:30:47) |
3.上原謙、田中絹代、高峰秀子という布陣で、実に豪華キャスト。 内容も普通に楽しめるものだが、日本映画黄金期として考えると、普通の出来かなぁ、というのが正直な感想。 だけど、レベルが高い時代での「普通」であるからして、それでも十分楽しめる作品内容だった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-03-05 22:41:26) |
2.成瀬作品でもなく、木下作品でもない高峰秀子、更には田中絹代に上原謙、この三人を見ているとあのお化け煙突同様に懐かしい昔の人達、現代の仕事、仕事と忙しくて自分のことしか考えられないようなそういう人間にはない、なんて言うか、もう、これぞ人間的な魅力に満ち溢れていて癒される。この映画に出てくるお化け煙突を見ていると、まだ自分がガキだった頃の懐かしい風景、どろだらけになって遊びまくっていた子供の頃を思い出す。田舎で生まれ、田舎でずっと生活してきた私には、出てくる街並み、風景と田舎らしいこれぞ本物の田舎らしい描写にただただ、気持ち良く癒されてストーリーよりもそういう部分でこの映画、気に入りました。それにしても高峰秀子も田中絹代も、更に上原謙も上手いなあ!昔の田舎の人の優しい感じが顔つきから何から滲み出ていて、良いです。同じ田舎町、東京の下町を描いた映画でやたら好評のあの映画よりも何十倍も良いです。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-03-29 09:03:33) (良:1票) |
1.溝口・小津作品以外の田中絹代、成瀬・木下作品以外の高峰秀子を観てみたい人には絶対お勧めの名作。見る場所によっては本当に何本にも見えたという北千住のお化け煙突を始めとする、もはや失われたかつての東京の風景は、当時の事を知らない自分でもたまらなく懐かしく目に映る。「愛染かつら」以来の名コンビ、上原・田中もここではいつも障子を締切って中で必要以上にイチャついてる仲睦まじい夫婦(正式ではない)を好演。例によって名脇役浦辺粂子が時たま出て来て場面をさらっているのも見物。 |