3.冒頭の栗原小巻のギコチない殺陣を見て、ああ、こりゃテレビだな、と。いくら映画作品だと言っても、テレビ時代劇の雰囲気バリバリなので、テレビ番組の水戸黄門ファンの方には、違和感なく楽しめることでしょう(そうでない方には、当然モノ足りないでしょう)。いかにもアリガチなお家騒動のオハナシの中間部には、これまたアリガチなニセ黄門様のエピソードが脈絡もなく挿入され、一本で二本分楽しめるスペシャル版といった装いです。一応は映画版ということで、キャストはなかなか賑やか。目玉はやはり三船敏郎で、彼の登場する場面だけは、ちょっと「映画っぽい」しっとりとした描写もあったり。まあ何にせよ、基本的にはテレビそのまんま、ですけれども、テレビ時代劇のよいところは、イイ人はそれなりに善人顔してるし、悪人はトコトン悪そうな顔をしている、というわかり易さですね。東野英治郎はもちろん、後者ですが。