22.《ネタバレ》 実話を基にした中年版『タクシードライバー』とも言える本作ですが、この映画は主人公と観客との間の距離の取り方が抜群に優れています。ある程度の共感の接点は設けるものの、主人公の内面を全面的に支持するようなことはせず、最後には突き放してしまうという、かなり客観的な構成としています。『タクシードライバー』はジョン・ヒンクリーという現実の犯罪者を生み出すに至りましたが、本作を観て主人公サミュエル・ビックのようになりたいと考える者は現れないでしょう。善良な小市民がちょっとした頑固さや愚かさから精神を病み、最終的には大勢に迷惑をかけた挙句に射殺されるという物語を見れば、ほとんどの観客は日常の大切さを思い知るはずです。。。 ショーン・ペンは貫録の演技力を披露。弱肉強食のショービズ界の頂点に長年君臨し、暴行での逮捕歴も持つペンが、本来の自分とは正反対の小市民に見事になりきっています。ナオミ・ワッツやドン・チードルら脇を固める俳優たちも高いパフォーマンスを披露しているのですが、中でも素晴らしいのが主人公の上司を演じたジャック・トンプソン。自信家で嫌味な性格ではあるが、その一方で面倒見がよく、常に良い上司であろうと努めている男という、善悪両面を兼ね備えた人物を丁寧に作り上げています。こういうタイプの上司は現実社会にもよくいるだけに、彼の存在によって物語に大変なリアリティが与えられています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-10-02 21:08:57) |
★21.ショーンペンの素晴らしい演技などは置いといて、こういう作品って規制した方がいいと思う。タクシードライバーみたいに真似する奴が現れるから。映画の話に戻るとタクシードライバーのトラビスが不良的孤独人間なら、このサムピックは貴真面目型孤独人間だ。 ドンチートル演じる修理工が苦情だされただけで、銃を向けるサマは成るべくして成ったなと思う。きっと障害者駐車スペースに止めている車に文句を言うタイプだろう。にしても記憶が正しければこの2人、87年のカラーズ以来の共演でちょっと感動した。 【カップリ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-23 12:40:29) |
20.《ネタバレ》 映画には、多少ちょっと無理なとこがあっても、やっぱり夢は実現する とか 熱い友情 みたいな感動をワタシは求めていて、こういう事実に基づいてるそうですけど、観ていてなんていうんですか…こう、テンションが下がってくる…ていうんですか…どうも苦手のようです。観ていてマイナスオーラが全開で、正直キツカッタデス。制作総指揮の欄に「レオナルド・ディカプリオ」ってありますが、あのディカプリオなんでしょうか?もしそうなら(違ってたらゴメンナサイ)よくこんな暗い作品を作れたもんだ と思います。 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 3点(2009-01-22 18:03:31) |
19.改めてショーンペンの演技力は凄いなと思いました。孤独で寂しい一人の男の気持ちが存分に伝わってきました。序盤にオチを持ってきたかのようなこのタイトル。なぜ大統領暗殺を企てたのか??ここまでのストーリーこそがこの作品の見どころだと思います。 |
18.《ネタバレ》 ショーン・ペンの疲れた感じいいねぇ。 でもこの考えに至る過程って、最近増えた無差別殺傷事件に通ずるものがあるような・・・ 【悲喜こもごも】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-09 23:42:37) |
17.いいですねぇ、ショーン・ペンのダメっぷり。「アイ・アム・サム」もハマリ役だったけど今回もハマリ役で彼は映画選びがなかなか上手いようです。リチャード・ニクソンっていう人は映像でしか知らないしどんなことをしたかっていうこともほとんど知らない。なので今頃作ってどうするんやろかぁな気分です。邦題の「リチャードニクソン暗殺を企てた男」で話のオチが一発でわかるのはちょっと惜しい感じがします。サム・ビッグの誇大妄想で殺された飛行機のパイロットはほんと可哀想(笑) |
16.真面目すぎるとダメなんですね。適度の妥協と適応が必要。彼の信じる真実を突き詰めてしまうと破綻に繋がる。 【山椒の実】さん [地上波(吹替)] 4点(2008-03-22 16:39:19) |
15.《ネタバレ》 仕事がうまくいかない。家族とうまくいかない。希望を持った融資の依頼もうまくいかない。それらは全て自分の責任なのだ。彼の展開する持論は正論なのかもしれないがそれだけでは世の中を渡っていくことはできない。理想だけを追い求めるその姿は一言で言うと社会不適合者。社会に適合することができない責任を社会システムの方へ転嫁する。そんな主人公には全く感情移入できないし、共感する部分もない。そんな話ではあるのだが、今の世の中、雇用されて平凡に生きている私達が同じ立場におかれたなら社会システムを憎みたいという気持ちは分からなくもない。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-03-16 05:17:34) |
14.《ネタバレ》 『タクシードライバー』のような映画を期待したが、ちょっと違う。トラビスにも別に共感はできなかったが、サム・ビックの理屈は(心情としては分からなくもないが)全く理解できない。クライマックスはゲロを吐きそうなほど不快でスリリングだった。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-11-06 16:01:03) |
13.救いようのないストーリーなんだけど、見終わったあと、嫌悪感とかはありませんでした。 ショーンペンに演技が際立ってた。 彼の苦悩が伝わった。 共感できるかどうかは別として。 【kayori】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-02-20 22:43:25) |
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12.演技も展開も脚本も文句なしですが・・・・。ちょっと暗い話で気が滅入ります。確かに他の方が書いているように上手くいかない理由を他者へ責任転嫁していますよね。よくできた話ですが共感できる部分がなかったので点数低めです。 【たかちゃん】さん [DVD(吹替)] 6点(2006-10-03 06:54:10) |
11.《ネタバレ》 超が付くリベラル派のショーン・ペンを主役に据え、共和党の大統領を暗殺させようというキャスティングは、サム・ビックのような男には、もっとも許せない質の、見えざる権力の悪意のように思えるが。 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-09-01 01:29:28) |
10.近年まれにみる最高傑作。ショーン・ペンの演技が神がかってる。 主人公と同じことはぼんやりとだがずーっと考えてた。 正直・礼節・親切・真心などの大切さは私だけでなく全ての人が子供の頃から耳にタコができるほど言われてきたことだと思うが、突き詰めると主人公と同じ意見にぶち当たる。それらをあやふやにして生きていくことが(もっともらしいことを言うなら折り合いをつけて生きていくことが)世間で言うところの大人になるのならそうするしかないという強烈なメッセージを持った映画として受け取った。彼のように一貫して全ての人に対して平等に接しようとするのは不可能なのだと。それができないから家族やコミュニティを作ってそこで仲良くやるのがせいぜい大人のできることなのだと。自己憐憫に浸るというより、こういう性格はこの世界では受け入れられないんだなと勉強になった。自分の人生観にかなり影響を与えた映画。結局人間って自分で自分に洗脳をかけて生きるしかない存在なのだろうか。ただこの家具売ってる社長は共同経営者の息子共々なかなかいいキャラしてる。ここで働いてみたいかもと思ったものw。ちなみに主人公が考えていたタイヤ販売でのお客とのコミュニケーションは最高のやり方だと思う。こんな商法が通じる世界になればどれほど心豊かに暮らせるだろう。 10点つけたの何年ぶりだろ。やっぱハリウッドの底力はすげーや。殿堂入りです。 【アイーン】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-06-07 23:26:16) |
9.純粋で正直な男の悲劇というよりは、責任転嫁の塊のような男の末路というような内容。ショーン・ペンはさすがに巧いし、一人の男の追い詰められていく精神状態はよく表現されているけれど、延々と恨み節を聞かされてるようで観ていてやはり気が滅入る。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-05-28 17:45:37) |
8.サム・ビックは自分が純粋で正義であるように言っているが、実は自分をまっすぐ見詰めることから逃げ、全て周りや世の中が悪いのだと責任転嫁をしている。当然彼の思うように物事は進まず、益々追い詰められていく。実に哀れで虚弱な男というほかは無い。ということで僕はこの男に感情移入することも共感することも出来なかった。しかし映画としては物語りの紡ぎ方が巧みで、デビュー作とは思えない監督の力量を感じる。また主演のショーン・ペン。彼の苦悩する表情は実に素晴らしい。95分の短い作品なのだが2時間以上の大作を観ているような重厚さがあった。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-04-14 13:24:51) |
7.うーん。「清濁併せ呑む」ということができないほうが、人間として立派ではあると思います。思うんですけど、ね。暗殺などこの際置くとしても(置くのかよ)、そんな主人公に感情移入できるか否かで、私は否にやや針が振れてしまいました。ショーン・ペンの演じっぷりに5点のほぼすべてを差し上げます。 【まつもとしんや】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-04-03 02:00:08) |
6.一人の孤独な男が体制に反抗する為大統領の暗殺を企てるという「タクシードライバー」みたいな話でした。しかしその計画があまりに無謀すぎたし、無関係の人をも巻き込んでしまったということで、彼に共感することはできなかった。しかし、彼がそれほど追い詰められていたんだという事は理解できたし、ああいう社会にも腹が立ちました。ショーン・ペンの演技はほんとにリアルで、繊細な彼の心情をうまく体現していて、凄く引き込まれました。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-02-26 13:04:28) |
5.《ネタバレ》 つらいですねぇ・・・撮り方とかうまい。あたしもどっちかっていうと自殺なんかより、こうゆう道をえらぶほうかもしれない(怖) ショーンペンはほんと演技すごいです、なんか顔関係なしにかっこよくみえてくるから不思議 【ギニュー隊長★】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-02-14 22:51:47) |
4.人間、生きていくからには嫌な事も山ほどあるが、普通はそこを何とかして乗り越えていくものである。しかし中には生きる事に不器用で、上手く世間を渡れない人間もいる。真面目で正直者が損をするのが世の中の風潮ならば、この物語の主人公などはまさにその典型例だと言える。事の発端は妻との別離で、それ以来何をやっても上手くいかない(と思い込んでいる)彼は、彼女とさえヨリを戻せば全てが上手くいくと考えているフシがある。なんと単純な男だろうか。上手くいかない本当の理由は彼女との結婚生活以前のハナシであり、何ごとにも真面目すぎる反面、ネガティブな考え方しか出来ない彼自身の性格がそうさせているのだ。彼には会社の上司や同僚、あるいは親しい友人、そして何かと救いの手を差しのべてくれる兄の存在があり、決して孤独ではないはずだ。しかし彼は自分の殻に閉じこもるばかりで誰にも心を開けようとはしない。妻もそんな彼にきっと嫌気がさしたのだろう。男は唯一気持ちの拠り所として心酔するレナード・バーンスタインに、遣り場のない心の叫びを聞かせる。この世の中で信じられるものは自分とバーンスタインであって、それ以外は憎むべき対象でしかないのである。そして処世術に長けた者に対するヒガミ根性が、やがて彼を行き着くところまで行かせてしまう。しかし、本来最も身近な憎むべき人物すら殺せない小心者の行く末は、押して知るべしである。確かにこの被害妄想の塊のような男に同情の余地は無く、むしろ不快を感じるほどだが、映画的に良く出来ている事とは別の次元の話。クライマックスへ至るまでの細かい描写の積み重ねは、主人公の人物像にリアリティと説得力を生み出し、人生に行き詰まった男を演ずるS・ペンは、デ・ニーロをも凌駕するほどの凄味を魅せる。 実話をベースにしているだけに、妙に納得してしまう作品だ。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-07-07 18:20:38) |
3.《ネタバレ》 普通の人間なら自殺するような状況で、彼はリチャード・ニクソン暗殺を企てた。達成すれば、本当に世界が良くなると信じていたのだろうか。だとすれば、悲しくなるくらい純粋すぎる。ショーン・ペンを追い続けるカメラ。決して感情移入させない距離感が絶妙。 【紅蓮天国】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-21 22:59:21) |