288.《ネタバレ》 この作品にはある種の危険な洗脳効果のようなものを秘めているような気がしてならない。
SFではあるが、ある種の「毒」のようなものがあるので、あまり子供向けともいえない気がする。
しかしティーンの男の子が見れば、この熱血精神に憧れる気がする。
パワー漲るギンギンの健康的男子が見ると、鼻息が荒くなりそうだ。
熱というか、エネルギーに満ちている。
一応SFではあるが、熱血でスポコンで、スポーツ部の部室を垣間見るような若いエネルギーと汗に満ちている、スポーツ映画のような感じもする。
しかしだから危険で、その熱血なエネルギーによって「死」にまで追いやってしまうというか、「死」に対する恐怖感覚を麻痺させるようなものがある気がする。
多分、偏った考え方で間違った事を僕は書くが、この映画を世界中の全員の人が同時に鑑賞したとすれば、凶悪事件が多発しそうな気がする。
例えば男女何人かを密室状態にして、この映画を毎日モニターで繰り返し流せば、そこは激しい大乱交の場となるか、あるいは凄惨な大殺戮の舞台となってしまうかだと思う、極端な話だけど。
人間が日常で保っている感覚(理性?)をマヒさせるものがこの作品にはあると思う。
非常に極端で偏ったことを書いただが、しかしそんな気がする、、、。
いや、そう感じたのは自分だけかもしれない。
しかし、SFなのにスプラッタが凄い。
人の肉と血が地面に転がる。それはあまりにも上手く良くできた完璧すぎる光景だった。
また戦友の「死」に対して、あまりにもポジティヴというか前向きで、それでいて無機質だと思う。
大切な人が死んでもあまりクヨクヨ落ち込む場面は記憶にない。すぐに立ち上がり、後ろなどを振り向かず、つねに前を見つめている。死者は数字と残骸で表される使い捨て状態。
それはどこか敵の巨大昆虫類と似たところがあるような気もする。
別にどうでもいいですが、男女混同のシャワー風景は、誰もが理想とするところで素晴らしくもありながら、それでいて異様だとも思った。
とにかく観た後で自分はいくらか洗脳されたような気がした。
人を暴力に駆り立てるというか、、、きっと間違っているとは思うが、とにかく僕はそんな印象を受けてしまったのだ!
「トータルリコール」といい「ロボコップ」といい、この監督は本当にSF的な才能があるなぁ。