40.《ネタバレ》 個人的好みの問題でヒロインの大人状態には全く魅力を感じないが、しかし小学校の記憶に出る少女はなるほど初恋の相手っぽい。現実には1980年代初めに伊豆半島で見えた金環食は存在しないようだし、また主人公はどうも妄想癖があるようなので全てが幻だったのではと疑われなくもないが、そうだとしてもファンタジーとしては割と素直に受け取れる。また終盤で同窓会のような雰囲気になってから、現実への回帰に至る過程も好意的に見ることができたので、これだけなら激賞するほどではないが佳作だとは思える。 ただしここのレビューにあるように、実は登場人物のほとんどが冒頭時点で死亡していたことになっていたというのは全く感心できない。そもそも虚実が不分明な展開の上にそういうことをやってしまっては、何を軸にして見ればいいのかわからなくなるだろう。あるいは何度も見返して、全体の意味を転換させる裏ストーリーをじっくり考えろとでもいうことかも知れないが、そんな子どもじみたことにつき合っているヒマはさすがにない。それとも誰も気づかない前提で悪ふざけをしただけ(都市伝説にあるTVの死亡予告のような)というなら、それこそ小学生並みで大人のやることではない。何にせよこれでは真面目に見ること自体が馬鹿らしくなるのであり、そのため好意的に見ているうちは抑えていた苦情までが表面化して、遺族まで巻き込むコメディが不快だとか、靴はともかく傘を持ってないのは自分のせいだろうとか、深夜の草地を照らす光源はどこに設置されていたのかなどといったことを改めて指摘したくなる。 そのようなことで、結果としては独りよがりで付き合ってられない映画、というのが確定評価となった。評点は主に湊弓子役の女優(個人的好み)と、ヒロインの少女役の子に献上しておく。 なお大したことではないが、転覆した船と砂から掘り出した船は船尾の形状が異なっており、別の船と思われる。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-07-15 18:48:57) |
39.《ネタバレ》 海難事故で亡くなった小学校の同級生の葬式で、久しぶりに集まる面々から悲しみは感じられない。 葬儀に出るのも面倒くさそうなので、朋美の希薄な人間関係がうかがえる。 みんなの昔話から次第に朋美の人間像が明らかになっていく。 小学校の回想シーンは、ノスタルジーを刺激する。 幻影で小学生の自分に出会い、朋美の靴を隠したことを思い出したのは、朋美に好意を持っていたことを確認することになる。 汚いからボールをぶつけられなかったという本心とは裏腹の言葉が、朋美を傷つけた切ない痛みを伴って蘇る。 子供の頃の何気ない残酷な行為が甘酸っぱい後悔となって残るという経験は、誰しもがあるのだろう。 ファンタジー仕立てで、どこからどこまでが現実で幻想なのか判然としない。 冒頭のニュースで死亡者12名が全員クラスメートの名前だったとしても、それに意味を持たせるのはあまりに不親切。 観客が通常気がつかないようなことをするべきではないし、謎を投げっぱなしでわからないヤツは置き去りにしてしまえという作り手の傲慢さを感じる。 12人死亡したのが全員関係者なら話が全然変わってくるし、ストーリーも破綻しているように思える。 結局、何を描きたかったのかがよくわからず、よかったのはノスタルジックな雰囲気と映像の美しさ。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2013-06-07 00:09:35) |
38.《ネタバレ》 行定さんのファンタジーに対する緩さがどうしても嫌なので、購入することにかなり躊躇いがあったんですが、買って良かった。 おそらく人生のあの時期にしか体験できないような、本当にピュアな初恋に胸が打たれました。また、特に子役の朋美が光に包まれるシーン等、この監督の数少ない美点である映像美も堪能できました。そしてなんと言っても、麻生久美子!かねがね、この人の一番の長所は、儚げな美しさと思ってたので本当に良かった。子役の子もなかなか可愛くて違和感が全く無かったですね。 それと、今から見ると男性陣のキャストが凄い。 戸田昌宏さん、光石さん、北村一輝さん、津田寛治さ、堺雅人さん、田中哲司さん、現在映画やテレビドラマで活躍してる人をよくこれだけ揃えたなと。このキャスティングのセンスには頭が下がります。 ただ、残念な点のは、いくつか明らかに不要なシーン、設定があったこと。 まず、この映画には、いくつか笑いを取りにきてるシーンがありますが、必要ですかね、この映画にそんなもの。それからもっともっと不要なのが、紺野の現在の彼女(河村彩?)が絡むシーン、塚彼女の存在そのもの。全くストーリーに必要ないですよね。。 袴田君のモテ設定よりも、彼女の美人設定の方がきついな。自分には。 あと、行定さん的には、やはり主人公以外全員死亡というつもりだったんでしょうね。あの、テレビのテロップが流れる際に、わざとらしく雑音が入ったり画面が乱れたのは、「ここからは、ファンタジーなんだよ」ってつもりでしょう。だけれど、そんなもんいったい映画館で初めて見る人間がどれだけわかる?ヒロイン以外の名前を記憶にとどめて、そのすぐ後の場面で「あれ、この人死んでるはずなのに」って気づけってか?そんなの普通は無理に決まってる。映画って他者への表現なんだから、自己満足もほどほどにしてほしい。だいたい、死亡してるとしたら、著しくストーリーの整合性がそがれると思う。そもそも死亡はヒロインだけという設定で行われてる葬式が成り立たない。ヒロインの両親はなぜ死んだはずの娘の旧友が葬式に現れて不審に思わない?それから、だいたい一艘の釣り船の乗客が、一人の女性の小学生時代の旧友と、大人になってから交際した男性たちって、どっからそんな偶然出てくる?本当に、この監督のファンタジーという名の下の適当さ、いい加減さには毎度いらいらする。 再度見直して。例のニュース、被害者として最初に名前があがるのが「北岡洋平」、はっきり発音され画面に文字がテロップで映ってる。だのに主人公は無表情。この時点で完全に反則で、わずか数分の麻生さんの表情を除いては私にとって全く価値がない糞映画決定です。こんなのよく610円で買ってくれるな。amazon、ありがたい 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-02-25 12:22:17) |
37.《ネタバレ》 ところどころ岩井俊二みたいな描写があったりするが、詰めが甘いというか、作り込みが浅いというか、名匠になれなかった人が背伸びして作ったという感じ。扱っている題材は悪くないし、今にして観ればかなりの豪華キャストと言える。しかし、結局何が言いたいのかよく分からない(ここのレビューを見て、主人公以外はみんな死んでると知ったが、それが一体何を意味するのか?)。ちなみに、おおまかなストーリーラインは岡崎京子の短編漫画「チワワちゃん」にそっくりである。 【フライボーイ】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-01-04 01:13:41) |
36.深夜にテレビで何気なく観始めて夢中で観た。向日葵畑が見えるシーン、美しく切なくて好きです。 【noji】さん [地上波(邦画)] 8点(2012-07-01 21:28:58) |
35.《ネタバレ》 うーーん… まぁ 小学校の頃の いわば 甘酢っぱい 恋心 は 懐かしいし わからないでもない そんなこんなで もし 今の歳で会ったら みんなどんななんだろうか 想い出は美化されるから やっぱり懐かしいけど 会いたくはないなぁ(笑) 全般的に 薄味でかつ 難解な部分が多く こういう映画には 相性が 悪いなと 感じてオリマス 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2012-03-05 08:15:01) |
34.《ネタバレ》 大傑作!というような作品ではありませんが、いい映画だったと思います。話があまり前に進まずダラダラした感じが合わない人もいるようですが、子供の頃の思い出をだんだんと深く描いていって、朋美が「ボール当ててよ」と出てくるシーンへのつなぎ方、とても好きです。でも最後は、締めどころ・終わらせどころを間違えたような印象でした。最後の最後に、海岸に芽を出したひまわり、やりすぎかなあとも思えますが、まあ良しとしましょう。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-02-17 23:47:04) |
★33.《ネタバレ》 前半は結構面白かったが、ストーリーが進むにつれ何をやってるかわからなくなる。 真鍋朋美という人がなぜ死んだのかっていう謎に迫るかと思わせておいて、小学校時代の思い出を持ち出してみたり、いきなり現れてみたり(幽霊、それとも本物???)、そしてあやふやなままよく分からないラストを迎える。 まさに観客置き去り映画。 【のははすひ】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-06-21 23:27:49) |
32.うーん・・・ まあまあ、という言葉がピッタリきてしまう映画。 これといって、何もない。 だけど、特につまらないわけでもない。 出演陣も、誰か光っていたわけでもないし。 麻生久美子も、本作ではそれほど輝いてはいなかった。 なんだろう、適当に作ったんかな? いや、そんなわけないだろうけど・・・ 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-03-17 22:31:46) |
31.《ネタバレ》 個人的にはラストのシーンを深読みする必要はないのじゃないかと思っていますが。行定作品というのは…どうにも見た後に気分が暗くなりますね。 行定作品(除く春の雪)を見るにつけ、この果てしないローテンション、「渡る世間は鬼ばかり」的なものに対するアンチ、というふうに私には感じられてきた。勝手にそう思ってしまうけれど、渡鬼的なものを憎んでいるからといって、ここまでのローテンションというのは…やっぱり私はヤだ。なんだか、うつ病の人しか住んでいない世界、のように感じられる。 で、監督お気に女優の麻生久美子、私には広末涼子との見分けがつかない。どっちにしても、女に好かれないキャラである。私も好かない。そして、「ひまわり」でもほとんどの女性に総スカンを食らうに足る嫌われ女ぶりを発散しまくる。 どういうところがそうなのかというのは女の人には言わなくてもわかると思うけど、ルックスもファッションも朋美の行動もそのすべてが、男性にしかウケないものであって、同時に女性に嫌がられる要素充分なんである。「ひまわり」は、男にウケて女に嫌われる朋美なる女性について、本人不在のところでストーキングしている作品…といった味わいだ。 ところで袴田演じる輝明なる青年であるが、なんと私は見始めて1時間以上経過しないと〝輝明〟が〝モテ夫〟を演じていることに気がつかなかった。…。モテ夫だったのか。しかし袴田って。袴田=モテ夫という役どころに、何%くらいの観客が気がついてくれるのだろうか。私の場合は、輝明=オダギリジョーかキムタクでもなければ、この脚本では気がつけない。 身長があるからといって、袴田が輝明であることはもともと無理だと思うのであるが、実は小学校時代の輝明を演じた少年というのが優れもので、どっからどうみても〝クラスで一番モテそうな子〟であった。いいなあ、この子。 音声が非常に良くない。意図的とは思えないほどの悪さだ。ヘッドフォン装着でも大変苦労した。なんだかとても長く感じてしまった一品だった。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-10-12 20:49:55) |
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30.公開当事、新宿の映画館でたまたま行定勲監督と出演者の舞台挨拶があると言う事で見た映画。日常にありそうな時の流れのダラダラ感が、彼の今の作品にも通ずる物がありますね。再度見てみたい作品です。当事マギーのファンだったので彼の印象が強いです。 【ペスカトーレ手塚】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-09-20 05:29:59) |
29.《ネタバレ》 記憶の底に眠っている過去の思い出を呼び起こしてくれた作品でしたね。この作品を鑑賞しているときも、ずっと自分の小学生時代を思い浮かべてちょっとノスタルジーに浸ってしまいました。 全体的に舞台劇を映画化したような印象の作品なんですが、麻生久美子の幸薄い感じの演技が妙にリアルで絶品です。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-04-30 20:57:51) |
28.麻生久美子がペンギンっぽかった。麻生久美子はすごいなって思った。 【おでんの卵】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-03-17 02:55:07) |
【魚】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-18 12:28:21) |
26.なんかこう、雰囲気を感じる映画でしたね。行定監督の作品ってどうも肌に合わないと思っていたけど、そういう雰囲気から何かを感じるスタンスの作品だと思ってみればなかなかに味わい深い。人間が良く描けてるんじゃないかと思います。朋美がいるのが現実なのか幻なのか、どっちなんだと思わせるあやふやさもまたをかし。思い出ってそういうもんですもんね。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-30 23:48:09) |
25.なんかよくわかんなかったって印象を覚えてる。もう一回見るべきなのかな。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-01-31 19:30:58) |
24.《ネタバレ》 見る前に読んだ粗筋よりもおもしろくなかったです。その原因は、葬式シーンのダラダラ感。しかし、対照的に回想シーンはよかった。自分の世代を見ているようで。 好きな子の靴を隠すシーンは、意味もなく切ない気がした。ボールを当ててほしかった気持ち、何だかわかる気がする。 【ボビーK】さん 6点(2005-02-19 13:41:24) |
23.遠い過去を懐かしむといった、単なるノスタルジーに終始するのでなく、過去を今のものとして現在させるには、時間の流れを逆流させる必要があるわけで、、、、、校舎の玄関のシーンとか、過去と現在が混合していくシーンを織りまぜ、そして最後の最後に、船を掘って船出して、その船が沈没して、みんな死んで、冒頭の海難ニュースにつながる、ということで最終的に時間を逆流させる、ってな仕掛けなのでしょうか???、、、、、とはいえ、結局、やっぱり、思いつきを寄せ集めたノスタルジー映画ではないかと思ったのでした。最後の方の音楽はニューシネマパラダイスっぽいですしね。、、、、そういう映画なのに、わかる人がわかればいいのだ的に、メタファー散りばめるのってのは、傲慢以外のなにものでもないとも思います。ぷんすかぷんなのだ。 【王の七つの森】さん 4点(2005-01-17 11:01:49) |
22.《ネタバレ》 誰にでもあるような、切なくて美しい初恋。それ故輝明があれだけさっぱり朋美を忘れてるというのがちょっと解せない。それと一体何がために、あれだけの人物が必要なのだろう?死んだ朋美を巡って、彼女に思い入れも何も無い同級生連中や他にも人々がたくさん登場するんだけれども、それらの記憶から鮮明になるべき彼女がいつまで経っても意味不明で不鮮明。BARやラストの砂浜のシーンも何故か彼女に冷淡で小馬鹿にしてた連中まで全員が感傷に浸っている。“美しい”初恋のを紐解き、物語として胸に留め置き、そしてまた自分の日常に戻っていく生者達。大いに結構だ。しかし、それだけか。釈然としない。一体これは誰についての物語のつもりなのだろう。全体的にユーモアも不謹慎で寒いし、ノスタルジー&センチメンタル過剰。 【NIN】さん [DVD(邦画)] 6点(2004-12-06 13:27:01) |
21.何を伝えたいのか良く判らない。結局最後は子供時代にドッチボールで朋美にわざと当てなかった主人公にボールを当ててくれと死んだ後に出てくる所が何を言いたいのか理解出来ませんでした。そしてボールを当てられた後。ひまわりが咲き乱れる場面で、朋美がいなくなっちゃう訳だけどミステリアスでもないし、そもそも、海難事故の死亡ニュースで事故に遭った人たちの名前をアナウンサーが読み上げてるけど主人公は幼馴染の名前が読まれているのを気がつかないはおかしくないですか?更に既に死んでる人たちが出てきて、思い出を語ってるけど、死亡してることが強調されないで終わるのでなんじゃこりゃ?という感じです。もっとミステリアスにした方が良かったと思います。この辺は邦画的な陰気臭さが漂っている。ただ、麻生久美子の存在感は有ります。彼女より綺麗な女優さんはいっぱいいるけど彼女にはオーラを感じた。彼女が出演している映画はまた見たいと思いました。 【みんてん】さん 4点(2004-11-12 00:56:06) (良:1票) |