2.「ゆれる」「ディア・ドクター」で見せた、ひしひしと伝わる緊張感が無く、良くないものを見た感じが残る。なぜだろう。
絶対大丈夫、ハズレはほぼ無いだろうと思っていた西川監督だが、同姓への演出がエグ過ぎる、これはいただけない。普段見れないものを映画に求め足を運ぶ私にとって、この映画で普段見れないものは、まったく見たいものではなかった。
昔のTV刑事ドラマのように中古の車が資材置場を走るとまず「これはひっくり返るな。」と思うが、同じように「こりゃ脱ぐな。」と思った女優が映画らしくないリアルさで濡れ場を演じる、一転売れ筋女優には普通の演技を求め、主演女優には中途半端なシーンを用意する。全体のストーリーの中でそれほど必要とは感じないのに、それらのシーンはしつこくエグく演出される。
交番の前だけは二人乗りを回避する程度の小市民の話で通すのであれば、途中の変にリアルなシーンではなく笑わせてほしかった。
対して男優、阿部サダヲ、伊勢谷友介、笑福亭鶴瓶などは最高の演技、とてもいい。シーン毎にメリハリのある演出、こっちもピリッとする。
松たか子は凄い役者でこの映画でもとても良い顔をしていただけに映画の完成度が低かったのが残念だ。
西川監督には男が主役の映画を撮ってもらいたい。同姓に対する演出が映画向きでないと思うのは私だけだろうか、女性のレビューを見てみたい映画だ。