17.《ネタバレ》 実際の事件に取材したこの映画がきっかけで法が出来たわけですが、まあ、韓国らしいというかなんというか。映画では被告は三人で全員執行猶予付きですが、実際は六人で二人、実刑執行猶予二人、不起訴二人です。鉄道で子供や教師が轢かれて死ぬのは演出です。デモで遺影を持っていたのも演出だそうです。 トガニ法なるものも2011年にできたようですが、その年に警察が2007年の事件を再捜査して適用した可能性もあり、それならば禁断の遡及法になります。韓国は得意ですね。 子供に対する暴行の描写はリアルでそこまで必要なのか疑問です。観客の嫌悪感を引き出すための演出だったと思いますが、子役とはいえ撮影される子供たちの事を思うと納得できません。はっきり言って児童ポルノと変わらない映像です。いや、暴力シーンだからもっと悪いか。 疑念ですが、双子の室長が全く手話ができないというのもどうでしょう。聾学校の職員たるものが全く手話を理解しないなんて余りに不自然じゃありませんか。 まあ、しかしながら、実話を元に作成されているのですから実話じゃないところがあったとしても別に非難するには当たりません。しかしながら、実話通りだと思い込んでこの映画を見るのは間違いで、そこちょっと指摘してみました。 【たこのす】さん [DVD(字幕)] 4点(2022-12-18 16:56:02) |
16.《ネタバレ》 カメラアングル、編集、照明、音楽、その全てが秀逸。また役者さんたちの演技も非常に素晴らしく、主人公を演じたコン・ユさんの多くを語らない抑えた演技や、その母親の裁判所での帰り際のあの表情、憎々しさが滲み出ている双子の校長と室長と、とにかくみなさんレベル高すぎます。 重々しい内容なのに監督の力量か、とにかく一気に観れてしまうテンポの良さがまた何とも言えない。裁判に勝って笑顔で幕が降りるのかと思ってたら、まさかの弁護士の背信行為で敗訴してしまい、さらには少年が命を落とすハメに・・・なんて救われない映画なんだよ~。゚(゚´Д`゚)゚。 で数年後、それでもそれぞれの生活へと戻りそれぞれの道を歩んでいる訴訟した側の人たちの姿があり、駅の構内を歩いていた主人公がふと見つめたその先には、事件のあった町広域市をアピールする観光看板が、事件のことなど忘れたかのように貼られている。そこでこの映画は幕を閉じるわけですが、まさにこの映画が作られた意味がそこに集約されている。どんなに月日が流れようとも、未だに解決されていない忌々しい事件のことを決して忘れてはいけないと。本当に素晴らしい演出だ。 オープニングで少年が電車に跳ねられるシーンと、主人公が車で鹿を跳ねてしまうシーンがクロスオーバーするけれども、このさきに待っているのはまさに命の重さを軽んじる連中のいる場所で、彼らにしてみれば虐待の対象の人権などないに等しく車に轢かれて死んだ鹿のような畜生と同じだと、そういう匂わせ方をした演出だと感じました。もうのこのオープニングからして、この映画はとんでもなく崇高なる高みへと達していると言えるでしょう。 かなり前の映画ですが、観てない人にはとにかく観てと言いたいです。 |
15.《ネタバレ》 実話に基づいているから仕方ないとはいえ、最初から最後まで救いが無い映画っていうのは本当に辛い。 犠牲を伴ったとはいえ、変態教師はそれに相応しい最期を遂げてくれる。でも校長は?行政室長は?寮の管理人?の暴力女は?汚職刑事は?誰も罰を受けることなく終わってしまう。溜まりにたまった怒りとフラストレーションは解放されないまま映画は終焉を迎えてしまう。『実話だから・・・』いや、そうなんだけれども・・・! ショックだったのが敏腕検事の造反。メインキャラではないのに、凄まじい切れ者っぷりで圧倒的に裁判を有利に進めていく。こんなに頼りがいのある検事が味方についてくれたのが唯一の救い。だったはずなのに、最後の最後でこの人が裏切ってしまう。決定的な証拠を握りつぶされてしまうのです。 こんなに周りが醜悪な人間ばかりで、弱者がひたすらいたぶられる映画ってのもなかなかない。これもすべて『実話だから・・・』の一言で片づけられてしまう。 唯一の救いはこの映画がきっかけで、現実社会のほうで『トガニ法』なるものが制定されたこと。時効が撤廃され元ネタとなった当時の事件が再捜査。結果、一度は極刑を免れた加害者に厳罰が与えられ刑務所にぶちこまれることに。 映画の力は偉大です。そしてこーゆー映画がきっかけでよりよい国になろうとする韓国を日本も見習うべきだと思います。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2022-04-15 01:55:00) |
14.後に世論を動かした本作のパワーと製作陣の熱意に敬意を表します。 子供が泣くシーンが多いので見る方は辛いですが、言い換えれば子役たちの迫真の演技が素晴らしい。 悪役の校長たちもしかり。 役者たちの演技力が、重たいテーマでもグイグイと作中に引き込んでくれたと思います。 映画を見たというより、何か大切な授業を受けた、そんな気分です。 【tonao】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-06-08 22:08:49) |
13.《ネタバレ》 主人公がV6のイノッチに見えた、ということが取るに足らないコトであるくらい、重たい映画です。実話ということですが、被害者の男の子が加害者教師を刺して、その後・・・となるあたりは、少なからず脚色していると思われます。無理にエンターテイメントに仕上げなくてもよかったのではないか、と勝手ながら思いました。とは言っても見応えは十分。考えさせられます。アンチ韓流なので韓国映画は敬遠していたのですが、食わず嫌いはいけませんね。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-01-14 01:52:03) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 あのキモイ双子のじじいとその周りの取り巻き、裁判官、弁護士などを、全員、ぶちのめしたい衝動にかられて、とにかく観てる間中、怒りがドンドン湧いてきて、そして、涙が溢れて、もう心はぐちゃぐちゃでした。これほど心を鷲掴みにされるなんて。悪役といい、子供達といい、すごい演技力である。ただ劇中で言っていました。世の中を変えるのではなく、世の中に変えられないために戦うと。普通の人間が持つ良心は、複雑に絡み合った社会の中で、時に、自分の人生とのバランスをとりながら、折り合いをつけて、なんとかやりくりしている。目の前にある悪意に対して、正しい事をやりぬくには、そのバランスさえも崩さなくてはならない現実。そこに人は苦悩し葛藤する。主人公が居酒屋を出て車にぶつける怒り、単純に悪を許さないって事なのに。しがらみや権力や毎日の生活や、色んな要素がのしかかってくる。耳と口を防げば楽になるぞと囁く声がする。これは単なる韓国のある事件を扱った映画だけじゃない。こんな戦いの葛藤は、日本でも、世界のどこでもある普遍的なことなのだ。この映画が最後まで溜飲を下げさせないのは、それを僕たちに問いかけてるのかもしれない 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-07-28 19:42:12) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 田舎の聾唖学校での、入所児童に対する性的虐待。告発する者される者。 大雑把なんだけど、伝えたいことは十分にわかる。…、書き方が悪かった。ある程度大雑把に観ている人に推測させるようにしないと、演技すらできないほどタブーに直接触れるように題材にしているから仕方がない。特に子役たちは素晴らしい演技をみせた。あ、悪役たちも素晴らしい演技だ。よくこんな題材でこんなに迫力あるタフな演技をさせて、しっかりとエンターテイメントにできるもんだ。感心。 人として大切なことはなんなのかを貫く人から順番に、モノの見事になんでも失っていく。耳が聞こえないために命を失う登場人物も。 映画のラストは全く報われないが…。 実話ベースのこの映画。この映画をもってして韓国国内の本事件の関心が高まり「トガニ法」なるものが制定されることになったそうだ。障がい者女性への虐待の罰則強化や公訴時効の撤廃など、映画の中ではできなかったことが法に。 報われる(笑) 【JF】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-17 13:30:09) |
10.韓国の恥部をちゃんと描いていて、正当化しようとしていないところが潔い。この内容なら、嫌韓流の人たちもみて満足できる映画でしょう(いや、こんなもんじゃないというのは置いといて)。映画としても、暗い悲惨なテーマであるが、それでも引き込む作りになっており、嫌なやつ、悪いやつがはっきりしていて、見ていてちゃんと映画として楽しめる。痛々しい描写が苦手な人以外には十分お勧めできると思う。 まずは、youtubeなどで予告編をみてみて、面白そうと思ったら素直に見ていい映画でしょう。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-02-23 17:14:28) |
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9.《ネタバレ》 腸が煮えくり返りそうな作品。ここまで踏み込んでシリアスに描きながらも、テンポも良く話は進む。子供がなかなか真実を話してくれない…みたいなじれったい展開もないのに、なかなか巧くいかない社会の歪んだ構造。もう嫌だっ! けれど、後に救いがあって本当に良かった。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-06 00:07:42) |
8.《ネタバレ》 引き込まれた。主人公は大沢たかおに雰囲気が似てます。 司法(裁判)というものは日本も他国も、どこでも同じように腐っているのですねぇ。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-06-20 06:20:35) |
7.《ネタバレ》 韓国の聴覚障害者学校で実際に起きた事件が基になった作品。 事件発覚後も加害者は処罰を受けず、教壇に立ち続けていたというのが恐ろしい。 この映画が上映されて加害者への批判が高まり、「トガニ法」と呼ばれる法改正まで行なわれるほどの影響があった。 実話ではない部分も加えられてベタであざとい展開が少し気になるが、子役の演技がとにかくすばらしい。 加害者がこれ以上ないほど卑劣に描かれていることもあって、加害者への憎悪が掻きたてられる。 結局、弱者の味方になるべき検事も加害者に抱きこまれて、証拠を握りつぶされるあたりはフラストレーションも絶頂に。 揃いも揃って吐き気を催すほどのクズばかりで、極めて悲惨な内容だが、ラストでわずかな光が感じられるのが救い。 「私たちの闘いは世の中を変えるためではなく、世の中に変えられないためにある」 子供達を支え続けるユジンの手紙が、無力感に打ちひしがれていた主人公の癒しとなっている。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-05-14 01:44:34) (良:1票) |
6.観てて辛い。辛いが目を背けてはいけない。 この事実を知らない人々に観て欲しいから、あえてこの点数を付けます。 監督の演出、手腕にも感服。 【オヴリッジ】さん [DVD(吹替)] 10点(2013-04-28 19:11:24) |
5.韓国映画の力に敬服。よく子役をここまでやらせたよ…実話ベースながらちゃんとエンタメになってる。 【コーホー】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-04-24 06:56:22) |
★4.反吐が出るほど腹が立つ内容です(褒めてます)。 そこには一切の妥協はありません。 この映画を観た方は、子どもを苦しめた加害者たちを心の底から嫌悪するでしょう。 これは加害者、子役の演技のたまものであり、性的虐待のシーンを逃げることなく描いていることにもあります。 そのシーンのおぞましさ、恐ろしさはまるでホラー映画のようでした。 さらに『憎い』相手は、性的虐待の加害者にとどまらず、韓国という国そのものへも向けられています。 社会的地位と金がある者は守られ、弱者が食い物にされ、このような事件が起きているのにもかかわらず自分の保身に走る大人たちの描写は脳天かち割りたくなること必死です。 しかしそうして『憎い』と思えることは、本作の最も優れた点でもあると思います。 子どもたちがどのような辛苦を強いられてきたか、それが、登場人物と同じ目線でわかるのです。 自分は子どもたちと、それを守ろうとする主人公にめいいっぱい感情移入してしまい、泣いてしまうシーンが多々ありました。 この映画により『トガニ法』という法律が制定され、性的虐待への厳罰化が図られたのも、そうした描写が欠けておらず、多くの人へこの問題を訴えることができたためであると思います。 日本の方がこの映画を観て連想するのは、今年に起きた大津市のいじめ事件でしょう(もはやいじめではなく、殺人ですが)。 こちらも大人が、自分の保身のために事実を隠蔽していました。 さらに日本でも恩寵園事件というものもあり、この映画で描かれたような虐待は、決してこれが初めてというわけではありません。 目を背けてしまいそうな事実でも、私たちは再発防止のためこの事実を知る必要がある・・・そう思わせる力がこの映画にはありました。 残念なのが、R18+というレーティングです。 性的虐待のシーンを生々しく描いているとはいえ、性犯罪を助長させるようなものではありませんし(むしろ嫌悪するはず)、若い人にも観て欲しい作品だと思います。 せめて、R15+指定どまりにして、高校生でも観れるようにして欲しかったです。 全くインモラルな内容でないのに、「観てはいけない」としてしまう判断には疑問符がつきます。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-09-11 17:50:21) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 韓国の障害者学校で実際に起こった事件の映画化。ストーリーのエグさは近年稀に見るレベルです。流石に直接的に画面には映しませんが幼気な少年少女が好色な学校職員達に性的虐待を受けるシーンは余りにキツかった。ただ描写を薄めるとこの映画が目指している『決して事件を風化させてはいけない、過去から学び忘れてはいけない』ということが伝わり難くなってしまうので必要な描写だったと思うし、こういう話をキチッと映画化する韓国の映画のレベルの高さを実感しました(日本でも同じ様な事件は起きてるが今の日本じゃ絶対映画化なんて出来ない)。 しかし所々どうなのと思った点もありました。韓国映画では良くあることですがシリアスなシーンに笑いというかシュールなシーンを平気で被せてきます。それが韓国映画の持ち味であることは分かるしそのノリが好きな作品も多々ありますが、この映画では少女が暴行されるような超シリアスなシーンでそれをやるのでどうなの?と思います。ヨンドゥがトイレに逃げ込むも校長が隣の個室から覗き込むシーンなんて……確かに怖いけどそれよりもシュールですよ!しかも校長があの顔だから笑わざるを得ません。それから暴行を受けて事件を告発する少年少女たちがそろって美少年美少女なのにも違和感を感じました。そりゃ強姦するくらいだから見た目の良い生徒を選んだのかも知れませんが、いくらなんでも髪型やまつ毛まで整い過ぎだろ!あんな田舎の寮にカリスマ美容師がいる訳でもあるまいし。と色々文句もありますが少なくとも観て良かったし、こんな言い方は不謹慎かもしれませんが面白かったです。何より役者さんの演技が白眉でした。暴行される少年少女たちが話せないから吠えるように喚き散らす演技は真に迫り過ぎてますし、校長の妹役の女優さんの人非人演技が上手すぎてどうしようかと……。上映中に何度主人公の如く奴の頭を植木鉢でぶん殴りたくなったか分かりません。この映画のキャラが強すぎてこれから「嫌な感じ役専門」みたいな女優さんにならないかちょっと心配です。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-01 22:16:53) |
2.とんでもなく陰惨な話なので、観る人を選ぶ映画だが、僕は受け入れられる側なので、それなりに楽しめた。実話の割には出てくる悪いやつらのキャラが立っていて、飽きない。それにしてもこの映画は、韓国という国は大丈夫か?と思わざるを得ないつくりになっているので、韓国の方にとってはやるせなかろう。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-08-23 23:24:11) |
1.この作品が描いているテーマや題材そのものは、韓国にとって重要な事実であり、事件であり、国家を揺るがすほどの問題であって、他国に住むぼくにとっても知っておくべき内容のものでした。その件については知る事ができて良かったと心底思う訳ですが、この物語りそのものの作りがある種の“霧”に包まれているような不安感、疑心感を拭えずにいます。それは表層的な演出内容、キャスティング、俳優の芝居、登場人物の奥行き、全てにおいて偏見に近しいような極端な目線で、さらにあまりにも記号的な存在として全ての登場人物達が存在している為、事件そのものの真実味を薄く感じさせるほどそれらがあざとい表現で描かれているように見えて仕方ありませんでした。それは考えそのものをこの作品内の”正さ”に押し込められ、“強要”され、それ以外の考えを持つ事は”非人道的”と切り捨てるかのような作りに窮屈さを激しく感じました。この物語には多面的な物の見方、そのものが欠落しており、「悪は生まれながらにして悪で、改善の余地無し。死あるのみ」という考えに押しやる為に、それに対する疑心が生まれる要素を一切排除しています。演出や脚本がまるで冷静さを失った暴徒のようで、ぼくにはどうしても、鵜呑みに信じる事が到底できない“霧”のかかった作品でした。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-08-23 08:46:54) |