10.《ネタバレ》 前知識なく見て、ジョン・レノンのことであると分かってからは、入り込んでしまう。「初期」というのものの良さが出ているが、もっと刺激的であってもよい。これでは、残っている断片ドキュメタリーフィルムの「感じ」に勝てない。左利きのポールの登場はほんとうに「別の半分」を構成する凄みがあっただろう(想像で補う)。行くところがない(これが標題だ)のにどこへ行くのだと聞かれたジョンが、「ポールのところ」、ここが素晴らしい。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-09-24 12:33:53) |
9.《ネタバレ》 ビートルズの名曲「NOWHERE MAN」を「BOY」に変えて原題にしていますが、邦題の副題には「ひとりぼっちのあいつ」をそのまま使っています。でも、映画の中のジョン・レノンは決して「ひとりぼっち」ではなかったと思います。複雑な事情はありますが、母と伯母から愛されていましたよ。母の愛情を二人分もらったと言ってもいいぐらい。ポール・マッカートニーを始めとするバンド仲間もずいぶんと彼を気遣っています。主人公が「ジョン・レノン」だったから意義のある映画にはなっていますが、そうじゃなかったら成立していません。そういう意味で、ストーリーに深さはありません。私はビートルズをかなり聴いた方なので、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの出会いと二人の音楽性の違いが見られただけで満足でした。ビートルズのやんちゃぶりの多くはジョン・レノンが主導していたのでしょうね。純粋にメロディを追求したいポール・マッカートニーと、いずれは袂を分かつ宿命が映されていたと思います。ジョージ・ハリスンも出てきましたが、すぐに顔と名前が一致しなくなりましたな。ジョン・レノン役のアーロン・ジョンソン、どこかで見たなと思ったら「キック・アス」の主人公でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-05-29 20:32:10) |
8.《ネタバレ》 きのうWOWOWで観ました。「え、これがカーニー?」 はじめは、あまりのイメージの違いに思わず絶句しました。しかし、この役者なかなかいい味を出していて、体を九の字に曲げて6弦をかき鳴らしたり、左の小指の爪を噛む仕草など、顔はほとんど似てないけど、しだいに感情移入していきました。なかんずく、ギターを抱えながら、メアリーを亡くしたことを主人公に話すシークエンス。「おまえもか」と主人公が見せる表情の機微に、心底感動しました。稀代のライティングチームが創り出した、人の心を打つ旋律は、同じ母親を失った同士の深い悲しみに起因する経緯が、繊細な演出で描かれていました。東洋思想に傾倒していった一番年下のギター担当者もこれまた全然似てなかったのですが、「すべての危険にもかかわらず」の録音場面で見せるコーラスの演技で許してあげたいと思います。既存の写真などから想起して映像化した場面が多くあり、ファン心理を満足させる丁寧なつくりで大変結構でした。ミミおばさんを演じた「英国人の患者」の女主人公以外は実物と似てないので、この点数です。関係者の方、許してください。しかし、小野洋子さんの元旦那さん役、本人より男前過ぎました。 【大通り・ヘップバーン】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-09 14:28:28) |
7.《ネタバレ》 ジョン・レノンにはこんなに愛されてるのに孤独ぶったりして大人気ない時期があったのか・・・。学校の友人、バンド仲間に恋人もいるなんて全然ひとりぼっちじゃないじゃん。育ての親と産みの親がいる気持ちは分かりかねるけど、それにしてもわがまますぎじゃないか?年齢的に仕方ないか。殴られたポールかわいそう。 実母のビッチぶりを演じたアンヌ=マリー・ダフがうまい。 DVDの特典を見て知ったんだけど、アーロン・ジョンソンってこの作品の(23歳年上の)監督と結婚してしかも子供もできちゃったんだねぇ。アーロンと同い年の僕は驚愕してしまいました・・・笑。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-10-10 18:01:31) |
6.《ネタバレ》 エンドロールの「マザー」が本当に心にしみこんでくるような素晴らしい映画でした。まさにロックンロールな産みの母、厳しいけれども愛情に溢れた育ての母をアンヌ・マリー・ダフ とクリスティン・スコット・トーマスが非常に魅力的に演じています。まあ、この二人こそがビートルズの母であり、現代のポップミュージックの母であると言っても過言ではないと思います。 ジョン・レノンそしてビートルズを愛する人には是非観てもらいたい作品です。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-23 00:43:30) |
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5.《ネタバレ》 レビュー数は少ないですが高評価の多さに納得の、後に世界を揺るがすビートルズのジョン・レノンの青春時代を瑞々しく描いた佳作。それはビートルズ結成以前の若き日のジョン・レノンの伝記モノとしても、一人の青年を主人公とした青春映画としても。 ジョンの周りの大人の人物描写も良く、ハーモニカを与えた叔父、ロックンロールとバンジョーを教えたジュリア、ギターを買い与えたミミ、(ついでに7ポンドでギターを売ってくれた楽器屋さんも)それら全てがビートルズのジョン・レノンにつながっていくんですね。有名なセント・ピーターズ教会でのレノン=マッカートニーのコンビ誕生の場面とその後の2人に友情が芽生えていく過程も印象に残る。 ビートルズのジョン・レノンの成長と同時に、ジョンの生い立ちも交えながら2人の母との関係も、ジョンをめぐる2人の母の互いへの思いも巧く描き分けられており、一人の青年の成長と家族の関係を描いた映画としてもいい映画でした。 何といってもジョンを演じたアーロン・ジョンソンの若き日のジョンを髣髴とさせる風貌が良かったし、シナリオや演出も良かったのだと思いますが、台詞とその言い回し、振舞い方もきっとこんな感じだったのかな・・・。そう思わせてくれるものが確かにある作品です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-23 01:11:12) |
★4.焦燥感を煽るタイトルとジョン・レノンの少年期を扱った作品との触れ込みから、孤独な少年が行き場のない感情を音楽で表現してゆくうちに才能に目覚めるまでを描いた青春モノと想像していましたが、かなり趣が異なりました。史実かどうかはわかりませんが、作中で描かれるジョンは厳格な育ての親の元で成長した彼はひとりぼっちでもなんでもなく、偶然出会った育ての親の影響でエルヴィス・プレスリーなどロックンロールを知り、バンドを組んでライブをするうちに女子にもモテ出し虚勢を張ることを覚えたそこらへんの軽そうなバンドマン、という姿でした。本作の核は音楽ではなく、ジョン育ての母と産みの母を受け入れるまでが物語となっています。しかしながら家出したかと思いきや自室のベッドで朝を迎えて気まずそうな顔で母と顔を合わせたり、ねだってギターを買ってもらったりと、劇中のジョンは私が持っている孤高の天才というイメージとはかけ離れており、ある意味彼も普通の人間だったのだなと思わせられました。ビートルズ周辺を愛する方にはこれ以上ない作品かと思いますが、出自をめぐるドラマに感情移入できず、この時代にさしたる関心もない自分には退屈な作品でした。唯一、2人の母と共に日光浴するシーンは素敵でした。やはりタイトルは改め『マザーズ/ジョン・レノンと二人の母』としてはどうでしょうか。 【さめがい】さん [映画館(字幕)] 4点(2011-04-23 12:13:55) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ジャーーーン♪ イカしたオープニング。 アーリー・ビートルズをただなぞるのではなくベースにとどめて、音楽にめざめた若者の青春とその母たちの愛憎を織り交ぜた物語。 「幻影師アイゼンハイム」で少年時代を演じたアーロン・ジョンソンが若きジョン・レノン、ポール役のトーマス・サングスターももう子役ではなく純粋で才能ある音楽青年を演じ(「バック・ビート」と違いポールのキャラクターは非常にいい)、ロック・ミュージックに魅入られ刺激しあう彼らからは50年代の音楽ムーヴメントの熱気と息吹が感じられる。 叔母ミミの元で育ったジョンに音楽の手ほどきをしたのは、離れていた実の母ジュリア。 水と炎のように違う彼女たちに息子として愛されるジョンにとってはいいことばかりではない。 ミミとジュリアの場合は確執が深くとも姉妹であることで和解の糸口もあり、嵐が去って彼女らが並んで庭に座るシーンでは、それまで2人の衣装に使われていた黒と赤がグレーとピンクに変わっていて、2人の拮抗する心が穏やかに薄まったのをうまく表現していた。 だからこそその直後の悲劇が痛ましいが、陽気なジュリア寄りだったジョンがミミの元に戻ってきた時には安堵を覚えた。 冷静なミミの方が自分のために「息子」を愛しているのではないように感じていたからだろう。(抑え目のK・S・トーマスがすばらしい) ジョンはその「母」からも巣立って仲間と共に音楽の道をゆく。 アート系の女性監督がアーロンによってマザーにされるというオマケもついた、映像感覚的にも優れた青春映画。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-08 00:00:01) |
2.ジョン・レノンの青春時代を描いた伝記であるが、描かれているのは彼のビートルズに至るまでの家族について非常に良く捉えた怪作だと思う。ビートルズファンやジョン・レノンのファンであれば彼の家庭環境を知っている人も多いと思うが、そうでない人、或いは全くビートルズを知らない人が見ても楽しめるように出来ているのは好感を持つ。変な話だけど、ジョン・レノン役のアーロン・ジョンソンが非常にジョン・レノンっぽい顔立ちをしていて、それがまた感情移入させる結果に繋がっているように思う。音楽も非常にセンスが良く、どこぞの国のバンドをメインにした話なんて目ではありません。 【奥州亭三景】さん [映画館(吹替)] 8点(2011-01-12 12:28:33) |
1.《ネタバレ》 序盤はちょっと退屈だけれど、ジョンがロックンロールに目覚めて、 クオリーメン結成してライブやったりするあたりはテンション上がる。楽しい。ポール可愛すぎる。ご機嫌なロックンロールナンバーがガンガンかかってることで、二人の母親の間で葛藤するジョンの苦悩という重さが上手く軽減されている。 でも、生みの親と育ての母親がいたとしたら、絶対育ての親を大事にすべきだと思うけどね。ジョン君、ワガママすぎだよ。ちょっと厳しいけど叔母さん超いい人じゃん。超愛されてるじゃん。他方、実の母親の若づくりの不快感の出し方は巧かったなー。「このババアウゼー!」と誰もが思ったんじゃなかろうか。 音楽、ビートルズが好きな人には特にオススメな良作。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-12-05 02:06:07) |