3.《ネタバレ》 1人の女性ノーマ・ジーンと1人の女優マリリン・モンローを見事に描いた実に見応えのあるドキュメンタリーでした。
マリリン・モンローのストーリーについては語りつくされた感があり、
(勿論彼女の死因など、恐らくは永遠に謎のままのものもありますが・・・)
本作も特に目新しいMMのストーリーは出てこないのですが、
そのマリリン・モンローのストーリーを肉付けしていく当時の貴重な映像の数々、様々な女優が演じたマリリン。
それらを食い入るように見ている内にあっという間にマリリン・モンローのストーリーは終わってしまいました。
そう、あまりにも短い彼女の生涯でした。
女優マリリンの後期は、本作でもかなり時間をとって描かれている通り、どの監督ともうまくいかなかった。
ローレンス・オリヴィエ(「マリリン 7日間の恋」でも取り上げられたオリヴィエがマリリンに放ったある一言は本作にも登場します)、
ジョージ・キューカー、再びコンビを組んだビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストン。彼らの苦悩もまた取り上げられています。
一方でケネディ兄弟との関係は完全にスルーされています。
ケネディを匂わせるのは唯一、ハッピーバースデー、ミスタープレジデントのみです。
「恋をしましょう」でのイヴ・モンタンとのエピソードも本作はスルーしています。
以上のように一方的にマリリンを擁護している訳ではなく、かと言って必要以上にスキャンダルに焦点を当てることもしない。
出来る限り等身大のMMを伝えようとしたのでしょう。
皆に愛されたコメディエンヌ・マリリン。世紀のセックスシンボル・マリリン。
この世界から愛された女優マリリンのイメージに対するノーマ・ジーンの苦悩もまたじっくりと取り上げられています。
彼女の心の内を代弁するかのようにマリリンを演じた様々な女優たちの演技もまた見応えがありました。
マリリンが映画に登場し始めた頃、その多くはモノクロの作品でした。
しかし、彼女が一気にスターとなった「紳士は金髪がお好き」「百万長者と結婚する方法」・・・。
これらカラーの作品に登場するカラフルな衣装に身を包んだ彼女の姿はとても美しい。
「彼女は自信を持ってカメラの前に立つことができなかった。でもカメラの前に立った瞬間、彼女とレンズは恋をした。」
「百万長者と結婚する方法」の監督、ジーン・ネグレスコのこの一言がとても印象に残っています。