★7.《ネタバレ》 計画そのものに『運』や『偶然』に頼ったものが多い穴だらけサスペンス。 まずソフィがスウィッチなるサイトを利用するのも、ベネディクトの家を指定するのも、偶然の産物。せめてスウィッチやパリを勧めた女性が犯人のベネディクトとグルならかろうじて説明もつくかもしれませんが、この女性も殺されてしまいます。 逆にスケープ・ゴートになるなら誰でも良かったというほうがまだ説得力があります。それにそのほうが理不尽さが増してサスペンス的にも面白かったように思えます。 そして自称イラク人のパキスタン人(ややこしい)。この人の役割って結局なんだったの?どーやらベネディクトとグルだったようですがいったい何をやったの?それにこの人が犯人側っていうのは意外性がありましたが、この意外性って必要?個人的には味方でいてほしかったのですが。 意外性で言えばベネディクトの母親がグルでなかったというのも意外。きっと警察組織の中にベネディクトの協力者がいるんだろうと思っていたけれどいなかったのも意外。私の予想は悉く外れたので意外性があるのは間違いないんですが、その意外性が映画の面白さと結びついていないんです。 じゃあこの映画何が面白いのかっていうと、そのミステリーな状況と、主人公の逃走劇。追いかけっこシーンはいくつもあって、臨場感がありハラハラできます。一番のお気に入りは病院からの逃亡シーン。つまり、ありえない設定に目をつぶれば、逃亡型サスペンスとしては実に面白いのです。それに冤罪をはらすストーリーっていうのは何らかのカタルシスが得られるので好きです。 まあこの映画に関して言えば、親切にしてくれた女性も母親も殺された上に、おそらくソフィは足を粉砕骨折させられているのであまりカタルシスは得られないのですが・・・。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-06-05 07:44:20) |
6.《ネタバレ》 ヒロインは親しみやすい容貌の美人さんだし、導入部から外国で殺人犯にされてしまうあたりまではなかなか引っ張ってくれるんですけども。だんだん、お話を派手に盛ろうとする無茶なチカラ技にやや辟易しますね。人一人の存在を無かったことにするなんざ、旧ソ連の諜報機関レベルの大技。これを一般の女子一人でやるなんてやっぱ無理でしょ。「そんな馬鹿な」と客に思わせないための工夫がしてあるとは言い難い。 犯人の計画もつっこみどころ満載。無駄が多いしアラも沢山。そもそもヒロインが”部屋交換”にノラないかもだし、違うサイトを使うかもしれないし、友人と一緒に旅行しちゃうかもだし、ひょっとしてパスポートをこれから申請したりしたら時間がかかっちゃって、入れ替わり予定の解凍死体が腐っちゃうかもよ?って、ここまでイチャモンをつけることもないわけですが。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-25 17:28:43) (良:1票) |
5.インターネットを発端にした巻き込まれ型サスペンスってのは、難しい。そもそもネットってのが基本的にウサン臭い訳で、“巻き込まれ型”というよりも、“不注意な私を巻き込んでください型”。オレオレ詐欺をサスペンス映画でとりあげるようなもんです。勿論、作り手もわかってるんでしょう、巻き込まれ型の不条理モノと思わせておきながら、「実は」とばかりに、因縁話っぽい路線を絡めて意表を突こうとしてくる。そこがそれなりに面白くもあるけれど、変にまとめ過ぎようとしてる印象が先行して、さほど意表を突けていない気も。で、そこもきっと作り手はわかってるんでしょう、中盤では、これでもかとかなりしつこい追跡シーンを展開してみせて、アクション路線も準備。ここはさすがに盛り上がるでしょ、と。そんな訳で、はい、サービス満点な映画でした。元サッカー選手が演じる刑事さんが、もうひとつ存在感を示せず、まあその曖昧さがイイといえばイイんですけれども、とにもかくにも、主人公の肝っ玉母さん、このヒトの存在が、本作一番のサービスでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-20 09:16:57) (良:1票) |
4.それほど主人公に復讐?したいならサイトなんか作ってやるより、最初からカナダに行けばいいのに。カントナは様になってた。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-03-30 23:28:49) |
3.《ネタバレ》 冤罪を晴らすための逃亡劇。まあ、定番ネタですな。なんと追う刑事がエリック・カントナ。俳優になったとは聞いていたけど、演技も板に付いていて違和感無かった(フランス語が分かるわけじゃないけど)。全体としてスピード感もあり、同類のハリウッド映画と比較しても見劣りしないクオリティ。後は事件の真相次第で評価が決まってくる訳だけど、ここは残念だった。「恨む相手を間違ってますよ」「一人で生きていけるんだから昔のことは忘れて楽しく生きたらいいじゃない?」 そんなツッコミを入れながら観ていたけど、終わる頃に思い出した。犯人は病気だったんだ。Q、なぜ彼女に復讐するの?→A、精神を病んでいるから。Q、なぜこれほど手の込んだことをするの?→A、精神を病んでいるから。これで片付けざるを得ないってのがこっちとしては面白くないんだ。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-02 21:13:15) |
2.《ネタバレ》 これは掘り出しものでした。展開としては、自分の知らぬ殺人の罪を着せられる、という巻き込まれがた不条理サスペンスだが、自分の身元さえ証明できない、しかも外国、という部分がさらに主人公の不条理に拍車をかけている。 ■家をバカンスの間交換するサイト、という展開は結構強引だし、いきなりの警察突入(誰が通報したの?しかもあんな武装して)とか手法が回りくどい(最初から主人公殺せばいいじゃん)とかいろいろ気になるところはあるが、それを忘れさせてくれるぐらいの急展開を見せてくれる。また、追跡劇のときのカメラの使い方は個人的にはわりと上手いと思った。 ■主人公が狙われたのが「たまたま」ではなく、犯人は犯人で物悲しい動機がある、というラストの展開は、もう少しきちんと示してほしいところもあるが、予期していなかった展開だった。しかし主人公の無実が示されても、その後はあまり救われたとは言い難い気はする。いきなり霧の中のパリでエンドロール突入はそういうことであろう。 【θ】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-08-29 00:03:07) |
1.《ネタバレ》 本作で登場する“スイッチ”なる家交換システムは、“HOME EXCHANGE”という名称で実在するサービスのようです。私は未見ですが、C・ディアスやK・ウィンスレット出演の『ホリデイ』でも取り上げられたとのこと。別荘の交換ならまだしも、居宅を明け渡す事には相当抵抗があります。壊されやしないか、盗まれやしないか、気が気ではありません。しかし想定されるトラブルとは、所詮この程度。お金で穴埋めできるものばかり。本作の主人公の身に降りかかった災難は想像を絶するものでした。カナダのモントリオールとフランスのパリ。言語は同じでも、やはり国境を超えるとリスクは桁違いに高まります。誰も自分を知る者がいない状況。それが旅の醍醐味の一つではありますが、大きな危険も孕んでいました。普段自分が如何に“守られて”生きているかを実感しました。作話上の粗は数多あるものの、その隙間を埋めるアイデアは努力賞もの。辻褄の合わせ方はお見事でした。ただし事情が特殊過ぎたが故に、当初物語が有していた“誰の身の上にも起こり得る”感覚は薄まってしまったかもしれません。存在を否定される事は恐ろしいこと。アミューズメントパークの絶叫マシンに乗る感覚で、非日常に身を投じて恐怖を堪能してみては如何でしょう。掘り出し物感覚の良作。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-08 21:49:39) (良:1票) |