1.《ネタバレ》 序盤の下ネタの嵐には、正直、この映画に不安をおぼえたが、その後は実にすばらしい内容で一安心。
メインに描かれている内容は、実に真っ当な青春映画なのだが、随所に下ネタが出てくる。
メインの部分が素晴らしいだけに、おふざけ下ネタの出し過ぎは逆にもったいない気がする。
コメディタッチの青春映画という位置づけにしたかったのだろうが、この素晴らしい内容なら、シンプルにただの青春映画で十分なのに・・・
だけど、そのどっちつかずなコメディ部分を考慮しても、これはアジアン青春映画の傑作だ。
もう戻らない、「あの頃、君を追いかけた」思い出。
そして彼女の存在。
あの時、あの場所、あのシーンに戻れたら・・・と、思いを馳せてしまう、そんな青春時代のホロ苦い思い出。
それが実に切なく素晴らしく、甘美に描かれていて、むしろこの主人公に嫉妬してしまうほどだ。
あんなに可愛い女子と青春時代に触れ合っていたら、きっと気がふれてしまう。
それこそ勉強どころじゃない。
だけど、その恋は成就しなかった。
成就しなかったから不幸だと短絡的にならず、「かけがえのない思い出」として、胸の中にしまい続けながら大人として生きていく。
切ないし、耐えられないけど、実現しなかったからこその輝ける青春。
実現していたらきっと、失望してしまう何かを目の当たりにしてしまっただろう。
いくら可愛い女子でも、欠点はあるし、オナラもする。
実現しなかったからこそ、そういった幻滅するような部分を知らずに済んだ。
知らずに済んだからこそ、かけがえのない思い出として、永遠に胸の中に残り続けるのだ。
そんな彼女の結婚を、心から祝福する主人公。
私はこんな立派な心境にはなれないだろうと思うけど、実際、そこまで素敵な思い出をくれた彼女の幸せなら、祝福できるのかな?
残念ながら私には、ここまで素敵な青春時代の思い出がないので、知る由もない。
だけど、この映画を観て、そんな青春時代を体験したかのような気分になれた。
それだけで胸いっぱい。
ヒロインの女の子のかわいさ、やっぱり制服を着ていた頃が一番良い。
大人になってからの彼女は、平凡にさえ見えた。
学校、制服、限られた時間。
そんな制約こそが、輝ける青春の条件か。