★7.《ネタバレ》 ハリウッド女優の悲劇は色々聞きますが、代表格マリリン・モンローより数年先輩にフランシス・ファーマーという女優さんがいたのですね。精神不安定と決めつけられて病院送りにされるところなどマリリンとそっくりです。ジェシカ・ラングが強烈な体当たり演技をこの作品に残したことで、フランシスの記憶も後世に刻まれることになりましたね。 ジェシカの熱演はともかくとして、映画は脚本の整理の仕方が上手くないと感じました。フランシスの女優人生を初めから順々に追ってゆかなくても良いのです。エピソードの羅列になってしまっていて、散漫な印象です。精神病院に出たり入ったり三度も繰り返したのは実話らしいけれど、律義に全部突っ込むから尺が長くなり、飽きます。 演出も過剰では。ロボトミー手術は施術されていないというのが事実らしいですし、病棟の内部も半裸だったりヤク中の廃人溜まりのような描き方はどうなんだろう。必要以上に露悪的で気分悪いです。 友人ハリーとの関係も描き足らず。あんなに重要な役回りなのにフランシスの彼に対する心情はほぼスルーされていて、?ばかりが募りました。この人実在したのかしらと疑ってすらいるワタシです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-22 23:50:09) |
6.《ネタバレ》 “ハリウッドに翻弄された悲劇の女優の生涯”という感じのお話しかと思いきや、実は母娘の確執がどちらかと言うとメインのドラマでした。映画の半分ぐらいでフランシス・ファーマーが精神病院にぶち込まれてしまうので、後はもう『カッコーの巣の上で』状態。退院してからの母親との壮絶なバトルはなかなかの見ものです。ジェシカ・ラングの『キング・コング』の呪縛を晴らすかの様な熱演は、彼女が当時に置かれていた状況を知っているこちらとしてはちょっと暑苦しくなるぐらいです。 でもジェシカやキム・スタンレーの演技に監督と脚本家の能力が全然追いついていないので、けっきょく印象が散漫ななにが言いたいのか判らない映画となってしまいました。サム・シェパードなんか、モノローグまでしているのに、この人物が何を生業にしているのかさえ観ただけでは判らないというのも変な話で、ここら辺にこの映画の脚本のヘタさが表れていると思います。フランシス・ファーマーと言う人は、別に精神病院で朽ち果てたわけではなく退院後は芸能界に復帰して1970年まで生きたそうですが、ロボトミー手術を施されたということについては真偽が不明で、これは“都市伝説”だと主張している人もいるんだそうです。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2013-10-12 21:42:25) |
5.志は高い作品だとは思うが、エピソードを前後の脈絡なく並べただけであって、山場やポイントというものがないので、異様に長く感じる。期待していたジェシカ・ラングも、演技は何となく一本調子だったと思う(絶頂期でも苦境期でも、表情がそれほど変わっていない。ついでに、衣装やメイクの担当者の責任も大きい)。 【Olias】さん 6点(2004-12-25 03:09:39) |
4.好きよ好きよこんなん。女優を目指して頑張ってるのに周囲やら親の期待とやらにえらい目にあって、山あり谷あり、それでも遅まきながらよくぞ・・という私を喜ばす感動作の基本ですわ・・・とにかくラングが美しくて熱演っ! 私もザ・チャンバラさん御指摘のように「ブルースカイ」よりこちらで受賞してほしかった(誰や獲ったのは?・・と思ったら・・ソフィーの選択さんでしたわ・・しゃーないかぁ。で、助演は受賞してはる、うまいこといかんなぁ。)地味かもしれないけど私はラストシーンがジンときて好きです。若い頃に心が通い合った親友(男)というのはいつまでも続くってことですね、そうやわ。そのサム・シェパードの静かな演技も心に残ります(ラングの彼氏やて・・なるほど)。 【かーすけ】さん 8点(2004-10-21 21:33:03) |
3.この映画は80年代に米国のケーブルテレビで観ました。R指定ではなかったけれどおかしくなって保護される場面などは当時の日本では絶対に放映されないシーンでしたので印象に残っています。当時はかなり評判の映画だったらしく何度も繰り返して放映されていました。 ケビン・コスナーが出演していたとは知りませんでした。当時はほとんど無名だったのでしかたないでしょう。 【たいほう】さん 7点(2004-06-29 21:20:16) |
2.投稿がひとりですか・・・。かなりマイナーですけど、傑作ですよ、これ。自ら不幸へと突き進んで行くフランシスは、演技を間違えれば見ている側にイライラ感を与える可能性大の難役ですが、ジェシカ・ラングの女優魂とあいまって壮絶な緊迫感に溢れています。デビュー作「キングコング」では猿と気が合って当然のバカ女優、その汚名を払拭するかの如く挑んだのが本作なんでしょう。ラングは後に「ブルースカイ」で同様の役をやってオスカーを受賞していますけど、こちらの方がはるかにレベルは上。これは必見の映画ですよ。 【ザ・チャンバラ】さん 9点(2004-06-29 19:32:53) |
1.神は死んだ、と作文に書いて良識ある父兄たちを仰天させた少女時代から、華々しくデビューを飾りながらも精神障害を理由にハリウッドから追放される女優フランシス・ファーマーの数奇な生涯をジェシカ・ラングが狂演。ラングの奮闘ぶりは若干暑苦しくもあるが、「キングコング」でモデルから女優へ転進のチャンスを掴んだラングが演技派への道を突き進むためには必要な挑戦であったかも知れない。ラングは同じ82年、「トッツィー」でアカデミー賞を受賞しているが、本人の思惑からすればむしろこちらの方が本命であったような気もする。とにかくこの頃のラングには、「私はもうキングコングのオモチャじゃないのよ」的オーラがぷんぷん漂っていたし、この役はオスカーへの最短コースを思わせる実録モノ、悲劇モノ、精神障害モノ。まあこの時代の流行りだったのね、と思わないこともないが、陰謀渦巻くハリウッドの楽屋裏モノとしても見ごたえは充分。実在のフランシス・ファーマーがロボトミー手術を受けながら芸能界に復帰し、6年間に渡って自身のTVショーを勤めたというのもちょっと驚嘆に値する話ではある。 【anemone】さん 8点(2004-01-25 03:04:05) (良:1票) |