★121.黒いビリー・ワイルダーという感じの女優残酷物語。黒くてもそこはビリー・ワイルダー、おどろおどろしさは控えめに、品のある描写だったと思います。とうとう最後に自らの狂気の中に閉じちゃうノーマは心胆寒からしめるものがありました。 【tottoko】さん [地上波(字幕)] 7点(2011-12-10 01:42:35) |
120.タイトルから洒落たラブコメを想像していたら、完全な心理サスペンスだった。 「イヴの総て」が女優を内面から描いた作品なら、本作のヒロインはもろストレート。 女優気質をこれでもかとたっぷり見せつけてくれて、画面をじっくりと魅入ってしまった。 ヒロインの演技はややオーバーアクションぎみだが、その分絶大なインパクトがあり。 ちなみにこのグロリア・スワンソンは、実際にサイレント映画の時代に活躍した女優さんらしい。 ビリー・ワイルダーの小気味いい演出が光る逸品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-20 04:17:24) |
119.《ネタバレ》 グロリア・スワンソンの神がかりとも言うべき名演技が、なぜアカデミーの主演女優賞を取れなかったのか、私は不思議に思う。(ゴールデングローブ賞の主演女優賞には輝いている) 彼女の演じるサイレント時代に活躍し忘れ去られたスターとは彼女自身であり、彼女もまた映画界に復帰することを願望していたという。 この映画は、死体がプールに浮かぶというショッキングなスタートでサスペンス風な装いを持つが、実はこの映画女優とそれに振り回される脚本家の運命を描いたものだ。脚本家が女優から逃れようとしてピストルで撃たれる。狂ってしまった女優は、スキャンダル事件に取材に集まってる報道陣を、映画の撮影と思い堂々と車に乗り込む。 この演出を行ったのは、女優の執事であり、最初の夫であった元監督、彼もまた助演男優賞ものである。 映画としても作品賞は取れなかったものの(この年には『イヴの総て』という強力なライバルがあった)、イヴの総てに決して劣るのことのない名作だと思う。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-18 15:04:45) |
118.《ネタバレ》 さすがの名作! 最初から最後まで退屈しない。 サスペンスにみちた雰囲気も終始損なわれず、ほんと楽しむことができた。 冒頭で主人公がプールに浮かび死んでいるところを見せておいて、その説明に入るという手順、ありがちかもしれないが、とても分かりやすい仕立てになっている。 バスター・キートン、エリッヒ・フォン・シュトロハイムが出てくるのも、映画ファンとしては、嬉しい限り。 サイレントからトーキーへ、時代の移り変わりについていけなかった元大女優。 栄光の日々が忘れられない。 それは、大成功を成し遂げ、名を馳せた人間にしか分からないであろう哀しさ。 人生の悲喜こもごもが素晴らしく巧く描かれている。 名作の名に相応しい、穴のない永遠の名作! 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-03-28 00:53:52) |
117.グロリア・スワンソンの怪演は目を見張る物がありますが、どうしても中盤が退屈に思えます。 |
116.なかなか謎めいた滑り出しで興味を惹かれました。 最初に遺体を見せるというネタ晴らしからスタートしているので、もう少し何かあると期待したのですが、その点はそれほどでもありませんでした。 とはいえ往年のスターが見栄を張るという図式は、サスペンス的恐怖もあり、物悲しさももあり、どこかコメディ的でもあり、いろいろな要素がつまっていて面白かったです。 さすがに往年のスターとはいえ、おばさんだけでは華がないと思ったのか、若い女性を登場させたことで、昼ドラ的な陳腐さ加減が加わった感はあります。。 しかし、これは仕方ない。 不純な感想ですが、このインパクトある表情のアップだけで上映されていたら私はキツイ、やはりキレイどころがほしい(^^; ・・・そうか、こうやって観る者の興味は移っていってしまうんですね。 これは過去の栄光にしがみつきたくなるのもうなずけます。 ここまで極端でなくても、過去のいい時代にしがみついている人は、けっこう身近にいるだけに妙に納得してしまいました。 自分も将来は注意しないと・・・あっ!自分は栄光がないから大丈夫だった。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-28 06:07:17) |
115.さまざまなジャンルの作品を生み出したビリー・ワイルダーの中でも極めて特異な作品ではないかと思う。往年の大スターや監督が名を連ねるキャスティングが凄い。中でもサイレント時代に活躍し忘れ去られた女優という、自身を投影した役をグロリア・スワンソンがよく演じ切ったなあと思う。内容の過激さゆえパラマウント社も公開を1年待ったそうな。心理的な駆け引きで惹きつける、独特の雰囲気を持った異色サスペンス。 【きーとん】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-07-18 00:09:23) |
114.いい映画だけど、あえてこう言い捨てよう。 老害 |
113.《ネタバレ》 近年の作のものであれば、レンタル店で、「サスペンス」、または「ホラー」の棚に並んでいるんでしょう。旧作であるがゆえにでしょうけど、そんなところに一緒に並ばされてなくてよかった、とジャンルを凌駕している本作のためにそう思う。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-30 09:59:15) |
112.《ネタバレ》 何年か置きにもう三回くらい視聴。怖すぎる。イヴの総てが上品な怖さだとしたら、こっちは下品な怖さ。でも好き。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-22 23:37:29) |
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111.《ネタバレ》 オープニングで主人公の男の殺された姿を先に見せてしまう。そしてストーリーが動き出す序盤で誰に殺されたのか見当はついてしまう。しかし「はたして犯人は誰なのか」ということはこの映画は問題にしていない。どうして彼は殺されなければならなかったのか、そんな人間の心が変わりゆく様、その打算、野心、愛、嫉妬、男と女、人間のプライドといった心理を見事に描いた作品です。世間から忘れ去られてしまったが過去の栄光にすがって生きるしかない、トーキーの時代を生きるサイレントの時代のかつての大女優を演じるグロリア・スワンソンがもの凄い演技と女優としての誇りを見せる。こんなすごい演技はなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。映画がサイレントだった、グロリアが若い頃に実際にコンビを組んでいたセシル・B・デミル監督と50歳を超えたグロリア。この二人が絡むシーンはごく僅かではありますが、この映画で共演する二人の心境は果たしてどのようなものだったのでしょうか。そして感情の起伏を表に出さない複雑な今の事情と過去を持つグロリアの執事を演じたエリッヒ・フォン・シュトロハイムも流石の素晴らしい演技を披露してくれています。僕の中ではビリー・ワイルダーのベストの映画ではないですが、それでもビリー・ワイルダーの凄さを感じさせてくれる映画です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-22 21:17:45) |
110.《ネタバレ》 今も昔も情緒不安定な女が人の気を惹く方法は変わらないのだなあ、と変なところで感心。スワンソンの熱演はもちろん(もっとも、人間というよりモンスターにしか見えないきらいはある。悲哀の滲む演技、とは言い難い)、映画全体に漂う妙な生々しさが良い。女優が行動を決めるのにやたらと占いを重視する辺り、瑣末なネタではあるがとてももっともらしい。 実は狂った女優と同じくらい、寡黙な執事が怖い。元夫でありながら執事として仕え、現在の恋路まで援助する、その奇妙な愛情のあり方が薄気味悪かった。偽のファンレターをせっせと書き続けてもいずれ破綻の日が訪れるのはわかり切っていたはずで、ほんとうに女優を守ろうという使命感があるのであれば、鳥を駕籠に入れて飼うような支配的なやり方はありえない。この映画がこんなにもリアルなのは、単に一人の女が狂うのではなく、異常なほど依存し合う関係が狂気を培養する背景として描かれているからこそだろう。 死者を語り手に置くなど、失敗としか思えない試みもあるが、いくつかの欠点を差し引いてもやはり優れた脚本だと思う。そして特筆すべきは結末のおぞましさだ。グロリア・スワンソンの怪演も、映像が滲んでいく演出も強烈。おそらくラストシーンの衝撃度だけをとってみれば、映画史上でも屈指じゃないだろうか。 【no one】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-29 22:07:12) |
109.《ネタバレ》 売れない脚本化が、過去の栄光にすがりついて生きる往年のハリウッド女優と出会い、愛人となり、その狂気の愛から脱出できず、殺されるという物語。撃った女優は本当に狂ってしまう。終始興味を惹く展開で、意外性があり、退屈はしない。脚本がすぐれていると思うが、疑問に思うこともある。最初にプールの死体を見せる必要はなかっただろう。最後は殺される。誰に?ノーマに。いや、そこはひねってあるだろうと予想したが、ひねってなかった。死体が誰かはわからないように提示すればよかった。死体が状況を解説する映画はリアリティがなく、笑止千万。死んだ後のことは蛇足だろう。ノーマは終始オーバー演技だが、ずっとそればかりなので、後半いささか鼻についた。演出過多なのだ。撮影と勘違いして演技するノーマの顔のアップで終るエンディングは不要。ギリスを撃ったあとの狂気の顔をアップで見せればいいのだ。無声映画のように。死体がライトアップされたプールに落ちるのもやりすぎ。その必然性がなく、ただ派手に見せたいだけ。意表をつくチャップリンの真似は必然性がない。まさにハリウッド流。ところでギリスに殺されるほどの落ち度があっただろうか。彼を慕うベティを屋敷に呼んで正直に全てを話し、人生をやりなおそうとしたではないか。その矢先に殺された。悲劇なのだが、演出過多のせいで、どこか喜劇のような印象さえ受ける。ノーマは大金持ちで、時々お客も来るのに、何故屋敷があれほど荒れ果てているのか不思議である。ノーマはギリスの前ではお金持ちのふりをするが、本当は落ちぶれて貧乏という設定の方がしっくりくる。ノーマがスターの面目を保てるほどのお金持ちなら、あれほど過去にしがみつき、精神を病むこともないだろう。ベティが婚約者を捨ててギリスを好きになる展開も説得力に欠ける。なにかロマンティックな出来事が必要だったろう。ギリスはギリスで野望に燃え、ノーマを利用してハリウッドで成功しよう(あるいは金持ちになろう)と企んだが、最後にとんだしっぺ返しを受けるという展開であれば見ごたえがあった。野望と狂気のせめぎあい。それがハリウッドなのだから。少し詰めが甘いように思えた。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-15 21:29:40) |
108.《ネタバレ》 最近の映画を見慣れた後で,「昔」の作品を鑑賞すると,(ミステリーでは特に)なんとなく先が読めてしまっておもしろさを堪能できないことがある。しかし憎愛劇,ドロドロの人間ドラマに関しては,断然人間描写の掘り下げ度は昔の方が上だ(と思う)。トーキー前に活躍したかつての大女優の気持ちなんて,3D映画時代に生きている者にわかるわけなどないだろうに,なぜかノーマの心が理解できるような気がするのは,丁寧で緻密なストーリーが構築されているからなのだろう。歪んでしまった一人の女が最後に見せる晴れ舞台は最高にゴージャスで悲しく,鳥肌が立った。まさに悲劇の王女「サロメ」は彼女そのものだったのだ。 【さそりタイガー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-13 15:22:59) |
107.ビリー・ワイルダーの素晴らしい演出。素晴らしい脚本。グロリア・スワンソンは圧巻の名演技でした。 【仏向】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-20 16:07:31) |
106.グロリア・スワンソンの演技が凄い。現実と配役がリンクしていることを知り、監督の徹底した残酷さを恐ろしく感じました。 【njld】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-01 00:57:42) |
【Junker】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-15 02:42:29) |
104.「深夜の告白」のビリー・ワイルダーのわりには少し頼りなく感じました。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-14 15:49:22) |
103.見ていて悲しい気持ちになるが、同時にあそこまでの情熱を持つ彼女が羨ましくもある。人生の価値って他人が決めるものではないし、たとえ別の世界にいたとしても彼女が幸せなら憐れむ必要はない。きっと精神病院で彼女は人気者になるだろう。彼女の情熱、パワーを少し戴きたい。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-31 11:14:43) |
102.ビリー・ワイルダーさすがです。監督兼脚本だとやっぱりいいですね。そして、写真で見ると確かに若かりし頃のグロリア・スワンソンは綺麗です。 【色鉛筆】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-31 23:07:56) |