1.《ネタバレ》 告発サイト、ウィキリークスの舞台裏を描くノンフィクションが原作。
突然現れた集団と謎多き創設者ジュリアン・アサンジが数々の
告発をする様を見て、この人たちは一体何者なんだろうと当時は
不思議に思っていたが、本作を見てようやく理解できた。
アサンジの行動の背景には、どうやら彼の生い立ちが関係しているらしいこと、
立ち上げ時は、ウィキリークスが大きな組織であるかのように、
「みせかけていた」こと(実際は相棒のダニエルとサーバー1台だけ)、
そして良きパートナーであったダニエルがジュリアンと対立し、
最終的には報復に至るといった驚くべき内容が描かれていく。
ウィキリークスというサイトが成り立つには、告発者の情報が
保護されて表に出ないことが絶対の条件となるがそれが崩れたり、
機密情報を告発することで関係のない人たちまで
危険にさらされるといった出来事が起こる。
はたしてアサンジは英雄なのか?それとも反逆者なのか?
権力者にとって都合の悪い、かつ民衆が知らなきゃいけない情報は
公開されるべきだが、どんな人物も、あるいはどんな行為も
真っ白でも真っ黒でもない、割り切れないのがこの世界。
そんな混沌の現実の中で、もがきながらも自分のすべきことを
やろうとする、そういう人間ドラマであった。
映画としては、まぁ佳作の出来。