3.《ネタバレ》 人生に悩める哲学を教える大学教授と、彼を慕う女子大生と、そのカレが登場する序盤の展開。
この3人の三角関係を軸にした、アレンお得意のロマンティックコメディかな?と思いきや、さにあらず。
「重罪と軽罪」(アレン監督作の中ではかなり好きな作品です)以降、近年は「マッチポイント」や「夢と犯罪」でもお馴染み、
これもアレンのお好きなパターンの1つである”罪と罰”をテーマにした、軽いタッチながらもシリアス系の作品。
それにしてもこの大学教授、大罪を犯してもまるで罪の意識を感じていない。
それどころか、人生に悩める彼が殺人を機に生きる意味を見出し、生き生きとしてくるという皮肉。
しかし完全犯罪をやってのけたはずの彼にもアレンは本作でもやはり罰を用意する。
ヒロインを手にかけようとしてあっけなく落下してしまうラストはヒッチコックの「疑惑の影」を思い出す。
アレンさん、やっぱりこのパターンがお好きなんですね。
微妙に軽いタッチで描いていますが、このテーマである以上、がっちりシリアス系にしてもよかった気がします。
前作「マジック・イン・ムーンライト」に続いてヒロインを演じたエマ・ストーン。
スカーレット・ヨハンソン以来、久々にアレン映画のヒロインを続けて演じることとなりましたが、
エマ・ストーン、新たなアレン映画のミューズとなっていくのでしょうか・・・?