7.映画でCGが使われること自体に文句を言う気もないし、そんな事言ってたらもはや映画が成立しなくなっちゃうんだけど、それにしてもこの映画の最初の方の爆発事故の場面、あのダンプトラックが転落するところ。何とかならなかったんですかねえ。もうこの時点でゲンナリしてしまう。
そりゃ、何が起きたかわからんような画面を見せられるくらいなら、はい、トラックが落ちましたよ、と見せてくれる方が良心的ではありますが、しかし。どうも画面が弱い。CGじゃなくホンモノのトラック(ミニチュアでもいいかもしれない)を落として撮影するとなれば、どうやって「見せる」か、もっと本気で考えるんじゃなかろうか?
この作品、この場面に限らず、どうも「オハナシ」の方に意識が行き過ぎている気がします。割れそうな氷の上をトレーラーで突っ走る。残された時間はわずか。という設定があって、そこに色々と事件を盛り込む。逆に言うと、色々と事件を盛り込んだから、もうこれだけで充分に面白い映画ができるはずだ、と思ってませんか?
テンポよく見せよう、ということなんでしょうが、引っかかりが無さすぎるのもどうかと。トラブルがあれば、そこからの復旧もある訳で。横転したトレーラーを、あんな少人数で、あんな手際よく起こせるもんなんでしょうか。どうせスタッフ総がかりでやったんでしょ、とツッコミたくなってしまう。手間取る作業を描くのだって一つの見せ場、それに手間取れば手間取るほど、残された時間は少なくなっていく。
全体的に押し並べて、描写を端折り過ぎてて、色々盛り込んだ割には単調。もったいない、と思うんですけどねえ。
二手に分かれた一行を、並行して描く、というのも、上手くハマればスリリングですが、この作品ではいかにも図式的で、盛り上がりに寄与しません。
とか何とか、文句ばかり言ってるのですが、それでも何でも、トレーラー、カッコいいなあ、と。トレーラーでカーチェイス。いやスピード感は無いですけど、でもカッコいい。満足(それなりに)。