6.《ネタバレ》 元ダンナが関与せずとも愛する元妻は「卒業」や「プリティブライド」のごとく、
若い新聞記者(小説家)と恋に落ちるどんでん返しになってゆく・・
その理由は見ているこちらもわからない。
その事件は最後のほうまで尾を引き元ダンナのもくろんでいた婚約破棄のあと、
さらに当たり前のように(普通の恋愛コメディなら)新しいカップルで式場へ・・
ところが最初に出てきた未練がましい元ダンナの結婚祝いのヨットの置物が、
ここでようやく複線だと元妻にも観ている観客にもわかるのです。
・・今回のレビューは書いてる自分でもよくわかっていないのですが(苦笑)
この映画は恋愛モノなのですが自分探しのテーマもあるんです。
豪華さを幸せさを演じているかもしれない現代の女性は、
まさに時代も階級も違えどこの女性と同じかもしれません。
元ダンナが愛しているのに相手にされず常に成り行きを見守る、
その姿が単にひつこくも哀しくもなくこっけいな第三者的に見える演出も見事。
明日は結婚という女性が回りの人や突然共感してしまった新聞記者を通して、
最後には自分と一番近い人を発見するというちょっと面白い映画です。
突然共感してしまった新聞記者というのも、
お酒の勢いで素直になったことからなんですが・・
女性の目から見てもこの女性は難しい~
バスロープ姿のK・ヘップバーンをこれまたバスロープ姿の長身のJ・スチュワートが抱き、
オーバーザレインボウを歌いながら近づいてくるこっけいさ。
そろいも揃った元ダンナと婚約者のなんともマヌケさ。
なかなか面白いセッティングでした。
セリフもおしゃれで、「人間は土から出来てる、私の足はとろけそう」
みたいなセリフはちょっと思いつかないですね。
登場人物の気持ちがよくわからないところにこそこの作品のオモシロさがあると思います。
次々起こるハプニングにたったひとり「やはりそうか」と、
C・グラントが冷静にうなずくのに対し、
猜疑心から夢気分に変わるまでのJ・スチュワートの比較も面白い。
まあ観やすい方法といえば・・
元ダンナは脚本で、元妻はその演出、
新聞記者はといえば観客と見れば理解しやすいかもしれません。
どちらかといえば、舞台劇に近い映画です。