5.『マリエンバート』などの線、ヌーボーロマンって言うの? 何が真実か分からず途方に暮れるってのが芸術になる。各国語が交わされる。英仏独印ポルトガル。その迷宮感。舞台がインドで、行方不明になるにはうってつけの国だ。静けさが続いて主人公はぼそぼそとつぶやく。ゆっくりゆっくりネジを巻いていく緊張感。病院のゆっくり回る扇風機。山積みのカルテ。なんか『黒いオルフェ』にこんな雰囲気なかったっけ。バスの待合わせの占いのあたりから、ミステリアスな雰囲気が高まってくる。あなたはここにいない、というお告げ。そしてラストへ向けてだんだん「彼」の気配が濃くなっていくあたりが見どころと言えば見どころ。そして語りの中で彼と僕とが逆転し…。たしかにこういう物語の枠組みの中で、ある種の洗練を続けた作品ではありましょう。でもこういう世界に対する切実さがこっちにあんまりないもんだから、こういう「上品な洗練」をもっとナマのインドとぶつけたほうが面白いんじゃないか、と思ってしまうほうの人間なんで、やや猫に小判。ナマのインドから逃げて小さな世界に閉じてしまったもったいなさのほうが来てしまう。ちょっと面白かった発見は、インドって中世ヨーロッパが残ってるってことか。シューベルトの五重奏がいい感じなのは、やっぱり下地はヨーロッパなんだよな。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-09-08 09:34:37) |
4. コレは一体何やねーん。 本当に何となくしか話がわかりません。 インドの紹介ビデオに哲学をブレンドした感じ。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 1点(2012-04-18 03:35:25) |
★3.《ネタバレ》 光と影の映像の魔術に絡めとられて二時間頭も身体も痺れっぱなし。じっとり暑いインドの昼の喧騒と翻ってただただ黒い幽玄のごとき夜。J・Y・アングラードの深い瞳に連れられて、青い夜光灯が点滅する夜行列車に乗ってるうちに酔いつぶれた。謎かけのようなナイチンゲールという言葉や失踪した友人のことなど、結局明かされることはないのだけど、途中からどうでも良くなってしまった。魔法にかかってふらふらだったからだ きっと。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-08-10 16:13:15) |
2.非常に雰囲気のある映画。これ見てジャン・ユングのファンになったし、私も彼の代表作だと思います。妖しくて美しく気怠い映像からはこの世とあの世の境を彷徨っているかのような印象を受けます。それにしてもあの占い師・・。暫く友達と真似して知らない人を気味悪がらせました。但し結論のない話しが苦手な人は「コレは一体なんやねーん!」だと思うので予めご了承ください。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2004-01-21 15:55:46) |
1.それまでハードボイルドもどきの犯罪映画なんかでお茶を濁していたアラン・コルノ-監督が、別人のごとき冴えを発揮。とある人物を探して彷徨を続ける男(だが、探しているのは一体誰なのか。あるいは、彼自身?)を追うキャメラのけだるいというか、アンニュイなタッチが絶妙でありました。ジャン=ユーグ・アングラードも、ドンピシャのはまり役。個人的には、彼の代表作じゃないかと。 【やましんの巻】さん 8点(2003-07-14 17:44:55) |