★1.《ネタバレ》 予告編で出る曲が面白そうだったので見たが、映画よりも予告編の方が長く聞けるのだった。 内容としては若年者向けなのだろうが、若年でない立場からいえば見事に誰にも共感できない映画である。かろうじて、劇中人物専属の女神さまのように見える連中のうち最も可愛らしいのが言ったことは辛辣で結構だった。 また申し訳ないが劇中人物のほとんどが生きていても仕方ない人間に見える。劇中で最もまともに生きていたように見えたのは怖い兄さんだったが、その怖い兄さんに殺された男などは死んでしまってかえってよかっただろうという気にさえなる。主人公も女神さまにつきまとわれていた男も、他人の目から見れば生きようが死のうがどうでもいいので勝手にしろという感じだった。 結局、人間が生きる意味など本人が決めるものであるから、自分でそれができなければどうしようもない。最後に男が死んだのは本人の意志なら構わないが、一方で主人公の女は、この男と序盤の女が先に行ったことでいわば安心したらしく、それでとりあえずは生きていることにしたようだった。そのうち生きる意味を自分で見出すこともあるだろうし、結果的に生きていてよかった、ということになれば結構なことである(おれには関係ないが)。 そういうことで共感できない映画ではあるが、しかし見ていて意外に退屈しなかったので、エンターテインメントとしては結構うまくできているのかも知れない。それにしても主人公の顔つきは少々作りすぎである。微妙に昭和くさいのは誰の趣味か。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-08-18 00:37:05) |