人物について、主人公役と婚約者役は本物と同じボスニア湾岸のコッコラ市出身の役者らしいが、それが最優先のキャスティングとも思えない。主人公は低身長で衒いのない人柄で嫌味がなく、また婚約者も痩身美形ではないが愛嬌があって人柄が顔に出ている。終盤のバスの場面では、この人物が主人公を全肯定して根底を支える存在であり、主人公が現場を抜け出したのも、そうすることにそれだけの価値があったことを納得させられた。ちなみにエンドクレジットには「Old happy couple in harbor/Olli and Raija Mäki」と書いてあった。 物語として面白いともいえないが、結果的にじわっと来るタイプの映画だった(かなり来た)。正直主人公が羨ましい。