★1.《ネタバレ》 それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中らしき容疑者のアジトへと乗り込んでゆく。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共に警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく……。都会の片隅で刹那的に生きる様々な人々の夢と現実が複雑に交錯しあう群像劇。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けているであろう、この全編に漂う猥雑な雰囲気は良かったと思います。実力派の役者陣が織り成す渋い演技も見応え充分。ただ、残念ながら本家に比べて圧倒的にセンスが不足しているせいで、奇を衒っただけの単なる凡作どまりの出来に終わってしまったのが本作の残念ポイント。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的でしょう。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも〝パルプ・フィクション〟な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんですよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲だけはビシバシ感じます。そんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-06-27 21:18:50) ★《更新》★ |