18.《ネタバレ》 なんか妙な感動があって良かった。 映画でも描かれていたようにナチスに全財産を奪われ家族を失った人は大勢いる。 アリスはその氷山の一角にすぎない。 こうして国の所有物になっていたらまだ単純だけど これが個人の所有物になってたらもっと複雑になるんじゃないかな。 ランディは裁判で1年半以上を費やしたわけで信念がないとできないだろう。 絵画って楽しみ方が分からないけどこういう歴史や作者の思いとかを知ったうえで鑑賞できたら面白いんだろうな。 【Dry-man】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-03 23:50:15) |
17.《ネタバレ》 クリムトの絵とオーストリアにこんなことがあったんだと。 オーストリアといえばハプスブルク家でしょ、マリー・アントワネットの実家ですし、音楽の都と言われ、古典的チョコレートケーキのザッハトルテがあって・・・このような優雅なイメージだったんですが、そうなんですかそういうことがあったんですか。 でもまぁ、よくよく考えてみればオーストリアってほぼドイツ人で言葉もドイツ語なんですよね。 しかし、ヨーロッパの歴史はナチス、ホロコースト抜きには語れないということですね。 マリアのように裕福な人は国外に脱出できたわけですが、両親との別れのシーンは泣けてしまいました。 生きて再会することはない、今生の別れだとお互いわかっているしね。 アメリカ生まれの弁護士ランディですが、彼もルーツはオーストリアなんですね。 何もかも略奪され、絵画が5点だけ所在がわかっていたということですが、あのネックレスはどうなったのかしら? 実話ということで、ヘレン・ミレンの演じるマリアがどこまで本人に近いのかわかりませんが魅力的に描かれていたと思います。 言うことがいちいち洒落てるし、品よく皮肉でいいですね。 最高裁でのシーンも粋ですし、書類を提出する時の係の人は「オーストリア・・・カンガルーを見に行きたい」だし。 ユーモア、テンポの良さもあり、マリアとランディのキャラなど、ホロコースト関連ではあるけれど重苦しさはなく、 しかし歴史の真実を知ることができる映画ですね。 【envy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-11-08 20:51:13) |
16.《ネタバレ》 戦争ものは苦手。絵画は興味なし。今となってはなぜ見ようと思ったのかすら思い出せないわけですが、これが見て良かったです。 音楽と芸術の街ウィーン。そんな高貴で品のあるイメージしかなかったオーストリアにも、暗い歴史があったのですね。 昨日まで隣人だった。今日は『ユダヤ』と『ユダヤ以外』。ナチスがオーストリアに入国したとき、あんな歓迎ムードで迎えられていたとは思いもしませんでした。昨日まで隣人だったり、お客だったりした人でも、こんなに簡単に虐げられる人間の性が一番怖いです。正直ナチスより怖い。この映画では凄惨なシーンはでませんが、塩素?で、床に書かれた落書きを消す『昨日まで医者』だった一家のワンシーンが、一瞬ですが胸に残りましたね。 現代パートでは、オーストリアを相手に『アデーレ』の返還を求める熱いバトルが繰り広げられます。最初は乗り気でなかった若き弁護士が、法律事務所を辞めてまで『アデーレ』に全力を注ぐ。そんな夫を支える妻の姿までしっかり描いたことで、よりドラマチックな物語に仕上がっています。 そしてこの映画は回想シーンが本当によく出来ています。アルトマン家がナチスに財産を没収される様子が本当に痛ましい。上流階級の一族の、幸せそうな、かつ華やかな結婚式の様子がコントラストとして効いています。両親を残し、国外へと逃亡する一連のシークエンスは手に汗握るサスペンス。そんな過去に決着をつける、実話に基づいた真実のドラマ。お見事です。 ヘレン・ミレンは素晴らしい女優さんですが、『RED』を見てからどうしても凄腕スナイパーのイメージが抜けなくて・・・ 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2021-06-12 03:31:21) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 深く心に残る映画になりそうです。淡々と描かれていますところでも心境の変化が大変わかりやすく想像できました。 訴訟する・しない、この仕事一本に専念する・しない、絵をオーストリアに残す・残さないなどの葛藤は私にはよく理解できたつもりです。 特に代理人についてですが、曾祖父の名前が刻まれたホロコースト記念碑に触れたら、祖父作曲のコンサートがあったら、そりゃあ、暮らしていなくても自分のルーツはここ(ウィーン)にあると思うのは当然で、その国を追われなけれいけなかったこと、絵画が強奪されたことについてまずは国に非を認めてもらいたい、と邪念なく訴えたのが功を奏したのではないでしょうか。 また、黄金の肖像画が奇跡的に残っていることが非常に感慨深い。いくつか思ったことをメモリました。 1.クリムトはほとんどの場合、発注を受けてからしか作品に取り掛からない→アデーレの肖像画は3-4年かかった大作で、所有権がはっきりしていた。 2.マリアの家系は銀行家、大の富裕層だから出国できた。 3.弁護士の家系もまた著名な音楽家で奇跡的にアメリカに渡れた。 4.オーストリアで訴訟を起こす場合の供託金が普通は絶対に払えない額(門前払い) 5.マリアが提訴したのは82歳、勝訴は90歳でした。(普通なら訴訟をあきらめていた年齢か) 6.強奪された作品を残した審美眼に一応は脱帽(他の国の大革命などではほとんどの文化財が損なわれ、現在に残っていない事実などを鑑みて) 7.ストラディバリウスは戻らないだろう。 8.エスティー・ローダー社が破格な値段でこの絵の価値を世界に知らしめた(当時156億円以上) 9.余談:個人的に裁判所の役人が「オーストリアね、コアラ!」のくだりがなんだかこのとんでもないCaseの始まりを面白くしてくれたと思っている。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-01-30 10:42:12) |
14.《ネタバレ》 素晴らしい作品だと思います。 第一次世界大戦~第二次世界大戦に至る世界史と、その波に市井の人達がどの様に翻弄されたのかを予備知識として持っていれば、 より一層この作品の良さが判るかと。 観賞のきっかけはヘレン・ミレンとタチアナ・マスラニー(「ボストン・ストロング」!!)が出演しているから。 この点では同一人物を演じる二人の演技を堪能させてもらい大満足。 ナチス(本当はこの三文字さえ私は書きたくない)がどんなに酷い事をしたのか、ホロコーストだけでは無く 本作で描かれた様な「芸術への冒涜行為」を知る意味でも、観て知っておく価値は有るかと思います。 史実によると、奴らは本当に沢山の芸術作品を強奪し、自分勝手に鑑賞しただけで無く、 敗戦が濃厚になったら数多くの芸術作品を洞窟等に隠したり、火を付けて燃やす等という非道を尽くしたとの事。 消失を免れても、どこに隠されたのか判らず所在不明の作品がそれこそまだ世界中に沢山あるそうです。 本当に酷い話です。 感想が作品から逸れてしまいましたが、映画と言う形を借りてこの様な史実を教えてくれるという意味でも、 本作は価値有るものだと思います。 それにしても、まるでタイタニックの様なラストの持って行き方、あれは反則でしょう。 嫁とテレビの前で嗚咽してしまいましたよ、私は。 最後に、本作を観賞される方には「ミケランジェロ・プロジェクト」の観賞を強くお勧めいたします。 【たくわん】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-01-22 18:46:24) (良:2票) |
13.叔母のアデーレを描いた絵画を裁判で取り戻す実体験を基にした映画。 この老婆にも弁護士にもあまり共感できず。 【飛鳥】さん [CS・衛星(吹替)] 3点(2019-12-26 00:28:34) |
12.《ネタバレ》 ・邦題決めたの誰?ネタバレ!・ユダヤ人一家の運命には胸に迫るものがありました。・絵を取り戻す過程は、(舞台があちこちに飛ぶものの)その切り札が予定調和に過ぎて少し残念。もっとトリッキーな展開には出来なかったのかなと感じます。実話を元にしていることが足かせになったようです。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-09-11 18:19:24) |
11.《ネタバレ》 予告編では、奪われた絵画を国家を相手に取り戻す、というスカッとする展開を予想させるが、そこには、ナチスによって奪われた家族や、生活や、思い出を取り戻す、という繊細で切実で哀しいストーリーがあった。 ラストシーンの回想は、マリアが自らの過去を取り戻したことを象徴する非常に美しいカットだと思う。 いや、いい映画。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-03-31 01:30:40) (良:1票) |
10.ヘレン・ミレンさんの毅然とした演技が素晴らしい。 若手弁護士役のライアン・レイノルズさんも爽やか。 二人の掛け合いが楽しい。 クリムトの絵画のモデル、アデーレと姪のマリアの物語りを興味深く観ることが出来ました。 オーストラリアとアメリカの関係は観終わって考えたが、難しい。 作品にも共感すると共に、オーストラリア寄りのご意見にも共感しています。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2018-11-07 15:53:00) |
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9.《ネタバレ》 実話ということですが、昨年ベルヴェデーレ宮殿の絵画館でクリムトの「ユディト」や「接吻」を観てきたばかりなので一層身近に感じます。主人公の悲惨なホロコーストの記憶と信念を貫き通す若手弁護士の一途な姿、そして絵画の返還。絵が返ってきた最大の要因は正論や共感ではなくアメリカという大国圧力だったのではないでしょうか。ナチスに熱狂した反省からかドイツとは意識的に一線を画してはいますが、オーストリアは歴史的にも文化的にもドイツ以上にドイツ的に映ります。 【ProPace】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-08-25 23:34:30) |
8.細やかな出来事を大きく捉えた物語。 ノンフィクションの醍醐味。 細やかとはいうものの、 国を相手取って争いにいたるまでの葛藤は なかなかの迫力がある。 この事件を担当するランドル・シェーンベルクが、 なぜ入れ込んだのか、そこの描写が足りないかな。 金でも名誉でもない、 奪われた、大切な思い出、 ただ家族との思い出を取り戻したい、 それを協業できるように描かれていれば、 もっと感情移入できたかもしれない。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-05-23 21:24:11) |
7.《ネタバレ》 オーストリア国家相手の裁判に費やしたマリア82歳から90歳まで8年間の物語。過去と現在を自在に行き来する秀逸なカメラワークで見せる絵画に纏わる一族の歴史とマリアの心模様が実に見応えがありました。ヘレン・ミレンはドンピシャのキャスティングで見惚れました。勝訴して「私は両親を置いて逃げた」とむせび泣くマリアに、絵画まで連れて帰るのか、故国に留まって然るべきでしょう。ナチスに蹂躙されたオーストリアが一方でユダヤ人を蹂躙していた事実が何ともやるせない。 |
6.おもしろかったんですが、何か物足らない感じです。 まあ、実話を映画化しているので余分な過剰演出はできないところでしょうが、それでもやっぱり、食い足らないんですねえ。 オーストリアって、あんなに脆い国家だったんですかね。 それとも、ナチスの力が絶大だったんでしょうか。 とにかく、この映画の点数は、ヘレン・ミレンの熱演に対しての点数ってことです。 【ミスプロ】さん [映画館(吹替)] 6点(2017-05-27 21:00:19) |
★5.《ネタバレ》 1998年、ロサンゼルス。長年この地で小さなお店を営んできた平凡な老婦人マリア・アルトマンが、オーストリアという国を相手にある訴えを起こす。それはこの国で長い間国宝として大事にされてきたクリムトの名画『黄金のアデーレ』が第二次大戦中ナチスによって不当に奪取されたもので、本当の所有者である自分に速やかに返還すべきだというもの。まだ駆け出しの弁護士を専属で雇い、巨大な国家権力を相手に無謀ともいえるそんな戦いを挑んだマリア。それでも彼女には決して負けられない理由があった――。幼い時に亡くなった彼女の叔母アデーレこそがその名画のモデルだったからだ。つらい過去を忘れるためにずっと足を踏み入れたことのなかった祖国の地にまで足を運び、マリアは煩雑な手続きの壁に立ち向かってゆく。同時に、それはナチスに蹂躙された彼女の激動の半生をも甦らせてゆくのだった……。世界的な名画の裏に隠された、時代の荒波に翻弄され続けたとある女性の真実を描いた大河ドラマ。興味深い題材ではあるし、主役である老婦人を気品豊かに演じたヘレン・ミレンの魅力も相俟って、なかなか堅実に創られた歴史ものとして最後まで面白く観ることが出来ました。時代考証もしっかりしていたし、ドラマとして過不足なく演出出来ていたと思います。なのだけど、正直に自分の感想を述べさせてもらえれば、「何かが足りない」。全てに対して何処か踏み込みが甘いような気がしてしまうのです。クリムトの名画に隠された真実、国家権力に戦いを挑んだ市井の一市民、ナチスに蹂躙された家族の物語と、どの題材も魅力的であるのにそのどれに対しても表面的なアプローチしかなされていない。なので、本作は結果的に薄味な印象を観客に与えてしまう。題材が良いだけに、「惜しい」と言わざるを得ません。監督には、破綻を恐れずもっと踏み込んだアプローチをしてほしかった。そうすれば、より多くの観客の心に残る「名画」となれたであろうに。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-12-23 22:30:53) |
4.《ネタバレ》 名画に関する因縁を解きほぐしていくという点で興味深く観ることができた。ナチスもの法廷もの家族ものいろんなテーマ性があって散漫になるところがあったけど、自分としては家族ものとしてラストは涙して観た。クリムトの絵の華やかさとウィーンの街並みの美しさと真逆のナチスの乱行。この時点でマリアへの肩入れは確実なんだけど、自分としてはオーストリアに名画を残してあげる決着だったらなお良しだったんだけど。この作品はエレンミレンの名演あってこそ。序盤の彼女の演技でこの作品は即良作だと直感した。 【タッチッチ】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-08-28 16:49:30) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 どこがクライマックスの映画なんだろうと思って観ていた。法廷劇も大してスリリングでもなく、人間ドラマとしてもよく伝わらなかった。この映画の感想は、これはユダヤ人が観たら、してやったりと思ったろうなぁということだけ。ナチスの残虐な仕打ちに祖国ウィーンも助けてくれなかった。そのウィーンにあるナチスに奪われた姉のモデルの絵画を、ユダヤ人を受け入れてくれたアメリカにいるヘレンミレン扮する女性が自分のところに取り戻そうとする話。・・・そうだよね。非道い話だもんね。ナチスのやったことは。歴史の非人間的なことに声をあげた映画がここもう一つできた。確かに非人道的な歴史は許せない。どれほどの悲劇が悲鳴をあげているか。今のこの瞬間にも、そんなことが中東やあちこちで起きている。本当にね、それを前に個人は非力だと思うよ。ただこの映画に関しては、自国(ウィーン)の文化の顔のように思われてた絵画が、よその国(アメリカ)の美術館に行ってしまう。その絵画を愛したたくさんの人たちが残念に思うだろうなぁという気持ちも捨てきれず、主人公たちに感情移入のしづらい面もあったなぁ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-08-13 15:42:42) |
2.《ネタバレ》 ヘレンミレンが非常に魅力的。 これは物語云々より彼女を観るための映画なので、邦題が思いっきりネタバレでも許されるのだ! 【チャップリ君】さん [映画館(字幕)] 6点(2015-12-14 18:13:33) |
1.《ネタバレ》 現代パートでの資金難とか家庭不和といった障害はある程度台詞での処理に頼らざるを得ないだろう。 その辺りの淡白さを補うかのように、過去パートの脱出劇がサスペンスと緊張に溢れている。 裏路地で逃亡を通報する者。咄嗟に逃げ道を指示し、手助けする女性。通りの群衆の中で、追う者・追われる者・味方する者・妨害する者、 それぞれの視線が交錯し、スリリングなアクションを形作っている。 出国手続きの受け答えの中で、声を上ずらせながら懸命に機転を利かす若きヒロイン(タチアナ・マズラニー)の気丈さが心を打つ。 弁護士の弁論から大団円まで、クライマックスの調停シーンは裁判映画の型通りの流れだが、それで万々歳とはならない。 その次の場面に訪れる、過去と現在ふたりのヒロインの涙とそれぞれの抱擁が美しい。 その繋がり合いはヘレン・ミレンのチャームあってのもの。メリル・ストリープではこうはいかない。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-12-04 20:20:53) |