★1.《ネタバレ》 聞こえる?これは〝地震鳥〟の鳴き声。いつも地震の後に聞こえてくるの――。辛い過去から逃れるように日本へとやって来たアメリカ人、ルーシー。大学時代から学んできた日本語という特技を生かし、日本で暮らすようになってはや5年。翻訳関係の仕事もそれなりに順調、アメリカや日本の友達ともぼちぼちいい関係を築いている。何より、蕎麦屋で働きアマチュア・カメラマンとしての顔も持つ日本人の彼氏、禎司と深い仲になっていた。そんな折、ルーシーはアメリカから着の身着のままでやってきた奔放な女性、リリーと出会う。ほとんど日本語も喋れず、明確なプランもない彼女をルーシーは何かと面倒を見てやるのだった。一緒に飲みに出かけたり、仲間のライブに参加したり、さらには彼氏の禎司と3人で旅行にまで出かけるほどの関係になった彼女たち。だがある日、しばらく消息を絶っていたリリーが急に東京湾で死体となって発見されるのだった。重要参考人として日本の警察へと連行されるルーシー。警察に問い詰められた彼女は驚くべき告白を始める…。日本を舞台に、ミステリアスな日本の彼氏と奔放なアメリカ人女性との間で揺れ動くある一人の女性を描いた心理サスペンス。人気若手女優アリシア・ヴィキャンデルが主演を務めたという本作、これがまあ近年稀に見るダメな映画でした。とにかく全編に渡って変な演出が延々と繰り返され、見れば見るほど失笑を禁じ得ないというダメっぷり。まず主人公が日本人の彼氏と付き合い始めるきっかけがそもそもおかしい。道を歩いていたら急に見ず知らずの男に写真を撮られ、怒るのかと思いきや、主人公はそのままその男と蕎麦を食べに行き、あろうことかその足で家まで付いてゆくんです。え、この主人公はビッチなの?と言うと特にそんなわけでもなく、その日は写真を撮られて終わり。いや、いったい何がしたかってん?終始こんな感じで、急に知り合いの日本女性が階段から転落死したり、主人公や彼氏の過去の話が急に出てきたりするのですが、それが物語の重要なキーになるかと言えば特にそんなこともなく…。タイトルにもなっている地震鳥のエピソードに至っては、もはや何の意味もなしてません。監督はきっとソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』みたいな映画を狙ったんでしょうけど、才能が遠く及ばず、出来上がったものは最後までまったく意味不明の退屈極まりない作品でありました。あと、最後にこれだけは言っておきたい。アリシアちゃんの日本語があまりにカタコト過ぎて、日本人としては聞けば聞くほど苦笑するほかありませんでした。周りにいた日本のスタッフはこのことに関して何も言わなかったのでしょうか?監督が「こんなもんでいいだろ」と判断したのであれば、あまりに日本を舐めた制作姿勢だったと言わざるを得ません。 【かたゆき】さん [インターネット(字幕)] 2点(2020-06-04 14:00:52) |