23.《ネタバレ》 夢が叶わないことは悲しい。特に60年代を生きたサンディは残酷に夢を踏みにじられ、暴力と搾取の犠牲者。 女子同士の痛みを60年の時を超えてもひしひしと感じ取るエリーを演じるトーマシン・マッケンジーがハマり役。サンディを気遣い、暴力に対して怒りをあらわにするエリーは優しい。対をなすサンディは売れっ子アニャ・テイラー・ジョイ。目力の強い勝気な彼女は夢を叶えたいその一心でエリーとシンクロしたのかも。 アニャ、素敵でした。トップを盛った60年代のヘアスタイルが良く似合って、身体の動きも優美。主演女優二人の存在感と、血の色すら艶めかしく撮り上げた色彩の強さでこの作品は脚本の諸々の粗(殺人犯と思い込むミスリードがやや雑なことやエリーの母親の存在意義が思いのほか薄いことなど)を凌駕しました。 暴力と亡霊とでグロテスク味の強い本作だけども、エリーの彼氏のジョンが献身的な優しさを見せていて息抜きができます。エリーの不安定なメンタルパニックにけっこうな回数巻き込まれているけど彼女を見捨てないでくれている。ジョン優しいな。世の男子はこうであってほしい。「僕のおばさんもそっち系の人なんだ」がたとえ嘘でもかまわないのです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-11-23 17:31:01) 《新規》 |
22.《ネタバレ》 端的に言えば「ちょっと風変わりでお洒落なファンタジー・サスペンス・ホラー」とでも言いましょうか、結論から言えば気に入りました。ダブルヒロイン2人の魅力は勿論のこと、脇を固める出演者たちの存在感も半端ない。そしてカラフルで見事な映像とそれを盛り上げる音楽。大いに満足です。 評価点や疑問点は既に皆さんに殆ど語り尽くされている感がありますので、極力重複する部分を除いた自分なりの感想を以下に少々書かせていただきます。 エロイーズの「力」とは霊が見えるということなのでしょうか?郷里に居た頃のエピソードは特に語られておらず、彼女には鏡に映る亡き母の姿が見えるだけです。特に亡き母と語り合うこともないようです。 一方、ロンドンに来てからは夜毎いろいろと見えて来ます。見え過ぎちゃってタイムリープものかと見紛うぐらいです。そして、徐々に登場する助平オヤジたちは亡霊ですが、そもそも彼女を惹き付けたサンディは結局生霊だったのか?生霊となれば話が違う。生霊が夢に現れる?じゃ、サンディこそ強力な「力」の持ち主?だからオヤジ霊たちもサンディを恐れて祟ることなど到底出来なかったのかも。あんなにおどろおどろしくてエロイーズに物理的に接触するぐらい強かったオヤジ霊が、一転して無様な臆病者面になってしまうあたりは笑ってしまいそうでした。 また、考え方を変えればエロイーズの「力」の強さ故、階下に眠るサンディの悪夢を察して過去の物語を再現していたのかも。サンディが犯した罪を悔い無意識下で常に悔やみ続けていたのであれば、そこにエロイーズが入って行って過去の悲しくも忌まわしい事実を感じてしまったのかも。 結局サンディは今度こそ亡霊となってエロイーズの前に現れる訳で、とり憑いて悪霊化して欲しくはないところです。 それと、ジョンの叔母さんも「力」があるのですね。だからこそ彼は、自身は「力」がないまでもエロイーズの「力」を感じ接近して来たのかも。そして彼女の本質を理解出来るからこそ、殺されかけても近くに居続けてくれるのかも。ちなみに、彼が叔母さんを連れて来てエロイーズのピンチを救う、なんて月並みなオカルト物語にならなくて良かった。 それから、テレンスさん演じる謎の老人がジャックだとミスリードされることはなかったですね。彼が亡霊として登場していれば別だけれど、登場の仕方や雰囲気が基本的に善玉感ありありでしたし。まさか、サンディを救おうと声掛けした男だとは思いませんでしたが、後になって考えてみればそれ以外なしですよね。 戯言で失礼しました。 改めて感想を。古いビルに自らの人生を封じ込めざるを得なくなってしまったサンディが、期せずして現れた彼女の過去を視ることが出来てしまうエロイーズを、一度は消し去って現在の平穏を維持しようとしたものの、土壇場になって過去を悔い改め自らの全てを消し去る道を選んだということでしょうか。いずれにしても、ひさびさに満足できるホラーに出逢えました。8点献上です。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 14:29:37) (良:1票) |
21.途中までは 7点だった。事件の真相も予想を超えてきたけど、まとめ方が納得できなくて 1点減点して 6点。 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-07-28 08:57:13) |
【珈琲時間】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-04 12:52:02) |
19.《ネタバレ》 「アマプラで見ることができる《衝撃的なラスト》が待ち受けるおススメ映画15選。」という動画を見てこの映画を視聴しました。本当に衝撃的なラストでした。衝撃的というのは真相のことよりもむしろ私的には主人公の彼女が、あれだけの恐怖体験をしたにも関わらず、60年代のファッションをデザインして注目を浴びているといことでした。60年代をもう嫌いになってもおかしくないくらいの恐怖体験だったはずなのに...てなって衝撃を受けました。はい。まあある意味サンディの弔いの意味もあったのかな。 60年代のオールディーズとホラーを融合させて、恐怖映画というよりもヒューマンドラマみたく仕上げた作風には、ただただ脱帽です。まだまだアイデアの可能性を感じさせてくれた。ただちょっと中だるみを感じてしまったのが残念。それとあのお爺ちゃんをジャックだと勘違いしてしまうんだけど、彼をジャックだと観客にミスリードさせるのが弱すぎて、へ?てなってしまった。 ツッコミどころとしてはあれだけの死体を家中に隠して悪臭(殺害当時)とか大丈夫なの?とか、逆によくまあ祟られなかったもんだ、とか、当時の警察の捜査ゆるゆる~、とか、てかそもそもなんでジャックがサンディを殺そうとしたのか?とか、その辺ですかねw 主演のトーマシン・マッケンジーちゃんがとにかく美人で可愛くって、もう虜になってしまった(//∇//)マジで惚れた~...(〃▽〃) お母さんの自殺した件と彼女の悪夢が最終的にシンクロするのかと思いきやそうならなくて、じゃあ結局お母さんの自殺した設定て必要だったのってなった。自己紹介の時のちょっとしたことでしかいかされないんだもん。 |
18.《ネタバレ》 美女二人とネオンサインのパッケージと、予告映像で見るカフェドパリなどのシーンから、タイムスリップミステリー的なものを勝手に想像していましたが、思ってた以上に普通にホラーでした。女の子がどんどん追い詰められ病んでいく姿は「ブラックスワン」を思い出しましたが、あちらの方はスポ魂ドラマでもありメッセージ性もあるので私にははまっていました。こちらは主人公がグレーの男たちに追われ絶叫し逃げ惑うシーンの連続。正直飽きました。代わりに例えばホラー色は減ってしまいますが、気を取り直してパーティーに繰り出す際お互いにハロウィンメイクを施し合っているような可愛いシーンとか、裁ちばさみで刺されそうになった女友達が警備員になだめられるようなシーンとか、ひと間違いで交通事故にあってしまった白髪の男の安否とか、そんな場面があっても良かったんではないかと。ま、あくまでも私の好みの話ですが。守護霊的なお母さんは娘の危機を救ってくれるでもなく途中全く出てこないので、サンディ=お母さん?と一瞬ミスリードされたりして(私だけ?)、ん~何だかいろいろ腑に落ちない部分が多っかったです。ラストの火事で全ての事件が焼き尽くされ何事もなかったように終わります。そこに長年隠されていた多くの死体が焼かれる臭いも感じられないままに。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-02-25 15:40:29) |
17.けっこう楽しませてもらいました。中盤から終盤にかけては、精神疾患の精神状態を疑似体験させられるようで少々辛い感じもしましたが、いろいろ予想外の展開で驚く場面が多々。予想外といえば、一般的なホラー映画ならオドロオドロしい音楽や効果音を流しそうな場面でポップな曲を流すとか、なかなか斬新でした。何より2人のヒロインがかわいくて魅力的。対象的に黒人の彼氏君は、ほとんど付け足しのような存在感でしたが。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-07 03:08:46) |
16.《ネタバレ》 これは映画館で観るべきだった。もったいないことをしたと後悔。 とにかく主人公のエロイーズが魅力的で、もうそれだけで映画として成立してしまいそうな勢いがある。筋立てもスリリングで、しかも想定外の幕切れ。 サンディのために犯人を捕まえようとするエロイーズを阻止しようとする亡霊たち……かと思ったら、全くの見当違い。いや、やられた。あの亡霊たちは、サンディの罪を暴こうと躍起になってたのね。 さすがエドガー・ライト。今回はコメディに寄せず、正統派のホラーで攻めてきた。 いや、いい映画。 |
15.Amazon Prime Videoで偶然見つけて視聴。 ホラーとも知らずに視聴してしまったので、展開に驚きましたが、見応え十分でした。 視聴後に『ショーン・オブ・ザ・デッド』の監督作品と知って、納得。 多少グロありですが、ホラー特有の怖さはほとんどないです。 ぜひ予備知識ゼロで。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-02 18:35:23) |
14.《ネタバレ》 伏線の張り方、ミスリードの仕込み方、意外な真相、どれをとっても脚本は一流です。凝った演出技法や、キャスティングセンスの良さも流石エドガー・ライトという感じ。出来の良い映画なのは間違いありません。ただし今回は手放しで称賛という訳にはいきません。エロイーズの悪夢を延々とみせられ閉口しました。前述したとおり見せ方は凝っていますが同じシチュエーションが反復されるのでどうしても単調になりがち。さらに妄想ともオカルト案件とも判別が着かない状況下、打開策や回避方法が示されぬ為ただ苦痛な時間を過ごす羽目になります。エロイーズもキツイでしょうが観客もしんどい。これがまさしく「無間地獄」かもしれませんが、苦行を課されて喜ぶ観客はいません。サスペンスやホラーで興奮や高揚感を覚えるのは、恐怖の先に希望をみているから。エロイーズの悪夢には絶望しかなかったので、言い方は変ですが「退屈」したのだと思います。 繰り返しますが映画の出来は悪くありません。良い映画です。しかし良い映画である前に、まず面白い映画であることが大事では。エドガー・ライト監督はそういう映画を撮る監督だと思っていたのですが、今回は違ったようです。是非また『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』みたいに、愛おしくなるような娯楽作品を撮ってください。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 6点(2022-09-02 01:54:18) (良:3票) |
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13.《ネタバレ》 設定としては、過去の亡霊や出来事が見えて体験できてしまう能力を持った女の子(自覚ナシ)がロンドンにやってきて、過去に起こった殺人事件の亡霊にアタフタする映画。なんだけど、60年代ファッションで飾ったヨーロッパのオシャレ風映画的なテイストが前面に押し出されており、ミュージカルな要素もあったりして、でも、沢山の亡霊に追いかけられたりするホラー的な部分もちゃんとあって、後半は過去の事件を解くミステリー的な部分もあって、あとこーゆう映画でありがちな今夜はパーティナイトだぜってシーンもしっかりあって、でも結局のところ、アニャとトーマシンの2人の女優の魅力がずっと全開って感じの映画でした。ホラーだけどポップ、レトロチックなおしゃれだけど狂気じみた幻想感、でも冷静に考えて、クライマックスの展開がちょっと強引やったかなー、映像的には見ごたえあったけど。 【なにわ君】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-08-31 02:35:30) |
12.“ソーホー”とは、ロンドン中心地に位置する1エリアのこと。古くは性風俗店や映画施設が並ぶ歓楽街として栄え、現在では高級レストラン、メディア関連企業が立ち並ぶロンドンにおける文化・ファッションの中心地となっているようだ。 そういうイギリス及びロンドンという街の歴史や、文化的な文脈に精通していれば、より一層この映画の魅力は増大したことだろう。 僕自身はそういったロンドンの風俗や文化に傾倒しているわけではないので、何となくの「雰囲気」のみでしか本作の魅力を感じ取ることはできなかったけれど、それでもこの映画世界が発する色香や艶めかしさ、そしてのその真裏に蠢く罪や闇は、如実に感じることができた。 往年のロンドンの歓楽街が発する輝きとそれに対する憧れ。表裏一体に存在する悲しみと憎しみ。 国内外問わず、過去の文化やファッションに対するリスペクトは尽きないけれど、それらが成立していた当時の社会の本質が、現代社会の価値観によって露わになったとき、そこには「恐怖」や「憎悪」として蘇る要素が溢れかえっている。 ファッションデザイナーを志す主人公の田舎娘が、上京に伴うあらゆる刺激と共に感じ取ったものは、長い年月の中で累々と積み重ねられた女性たちの“怨念”そのものだったのだろう。 描き出されるストーリーの顛末自体は、ありふれており、サスペンスとしてもホラーとしてもオーソドックスだと言える。 ただしそこには、監督エドガー・ライトのシネフィルらしいエッセンスが散りばめられ、必ずしもストーリー展開に依存しない映画的魅力が詰まっている。 現代と60年代の“ソーホー”という歓楽街自体が巨大な“キャラクター”として存在し、この特異な映画世界の骨格を担っている。 そして、その中で文字通りくるくると入れ替わるように立ち回る二人の若き女優が、互いに輝き、照らし、光と影を表現している。 トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイ、幾つもの話題作で印象的な存在感を示している両女優の競演こそが、本作の最大の魅力だと言ってもいい。 ストーリーの展開共に、合わせ鏡のような二人が置かれた立場と心象風景は交錯し、作品テーマとしての陰と陽を織りなしていたと思う。 前述の通り、練られたストーリーや深いドラマ性があるタイプの作品ではなく、歪に偏った映画であることは間違いないが、それ故に忘れがたきカルト性を備えた作品に仕上がっている。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-07-03 00:04:58) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 さすがは「ベイビー・ドライバー」の監督さんだけあって、音楽と映像の噛み合わせが抜群にいいですね。 主人公のエイローズとサンディの目眩くシンクロ映像がどれも見事で素晴らしく、 どういうふうに撮影してるのかなと考えずにはいられない。 謎の老人が悪者でないことは簡単に察したけれど、少し斜め上のオチは予想外で良かったです。 あの黒人の彼はちょっと可哀想だったけどね。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-06-07 15:00:45) |
10.《ネタバレ》 旅先で、とかキャンプ先で、とかでこういう目にあうのは、 たくさん観てきたが、田舎の子がファッションの学校で ロンドンに上京して、こんな展開になるというとこが新しい。 ピルドゥンクスロマンとホラーが融合! それをエドガ―ライトの持ち前の音楽センスで観せられると、 これはもう唸るしかない。 某映画雑誌で、この映画は「ファントム~」とか「ロッキーホラー~」とかと 同じようにカルトになるのでは、と書かれてあったが、後世に残ってもおかしくない 監督の音楽センス。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-06-04 23:06:41) |
9.煌びやかなネオンに街の喧騒、大都会への憧れと恐怖。何より人が怖い。 【TERU】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-05-08 19:54:32) |
★8.《ネタバレ》 彼女の名は、エロイーズ・ターナー。ちょっぴり夢見がちな18歳の女の子だ。ファッションデザイナーを目指す彼女は、今回念願だったデザイン専門学校に合格し、ロンドンのソーホーへと引っ越すことに。だが、学生寮での生活に馴染めず、エロイーズは早々にアパートで一人暮らしを始めるのだった。古くからあるそのアパートは、年老いた女性が一人で暮らす館の屋根裏部屋だった。隣のフランス料理店のネオンが煌々と輝くその部屋でのはじめての夜、エロイーズは不思議な体験をする――。なんと彼女はきらびやかなネオンに彩られた1960年代のソーホーへと迷い込んでいたのだ。ノスタルジックな音楽が絶えず流れるその世界で、エロイーズはサンディという名の歌手を夢見る素敵な少女と出会う。夜ごと夢の中で彼女の姿を見つめていたエロイーズは、次第に彼女の意識と一体化し始めるのだった。夢とも幻想ともつかぬそんな魅惑的な世界にすっかりのめり込むエロイーズ。だが、サンデイが悪い男に騙され生活が荒んでゆくと、エロイーズの実生活にも良からぬ影響を及ぼし始める。やがて、彼女は気づいてしまう。サンディは60年代に実際に生きていた少女であることを……。自分が生まれる前に生きていた少女を救うため、孤軍奮闘する女子大生を幻想的に描いたサスペンス・スリラー。監督は、エンタメ映画界を牽引する才人、エドガー・ライト。いかにもこの監督らしい、拘りに拘ったであろう映像と音楽の使い方はすんごく良かったです。キラキラと光り輝くような美しい映像といかにも60年代らしい楽しげでポップな音楽が完璧に融合していて、もう観ているだけでワクワクしちゃいますね。そんな夢のような世界の中でシンクロする二人の女の子もそれぞれに魅力的で大変グッド。特にダンスホールで、二人がくるくる踊りながら次々と入れ替わるシーンは出色の名シーンでした。それがやがて悪夢のような残酷な世界へと塗り替わってゆくのも自然で素晴らしい。一言で表すなら、『マルホランド・ドライブ』のライト版とも呼ぶべき内容ですが、こちらは何処までもエンタメで最後まで楽しんで観ることが出来ました。ただ、残念だったのは、最後に明かされることの真相がいまいち腑に落ちないところ。特に物語の随所に登場する怪しげなお爺さん。恐らく観客のミスリードを狙ったんでしょうけれど、さすがに無理がある。また、肝心のサンディの正体もどんでん返しを狙いすぎて彼女の魅力が半減しちゃってて凄く勿体ない。とは言え、60年代の怪しげなソーホーの雰囲気やぞくぞくするようなミステリアスな世界観などは充分堪能できました。女性の社会的自立というテーマも今日的でいい。うん、7点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-05-06 08:06:48) |
7.《ネタバレ》 本作品は、個人的に注目株の、クイーンズ・ギャンビットでやっとメジャー方面の作品でヒットを飛ばしたアニヤ・テイラージョイのヒット後最新第1作が観れるぞ! という期待で観に行きました(そもそもそういうスタンスが、作品テーマ的にキモイと思われるのかもしれませんが、すみません)。 その期待は裏切られることはなく、あとで気づいたのですが、あのベイビー・ドライバーのエドガーライト監督作品で、相変わらずのポップでスタイリッシュな映像に、主人公が聴いてる音楽がそのまま映画の曲になる没入度を上げる音楽表現に、深刻になりがちなエピソードも明るく表現する手法で、あと主人公が相変わらずオタク的立ち位置の人物を前向きかつカッコよく描いてくれており、非常に居心地の良い作品で、楽しんで観られました。 ストーリーについては、正直、半世紀前のロンドンのソーホーと言ったら、そりゃそういう話になりますよねというのがそのまんまいった感じで、日本だったら吉原とか歌舞伎町とかの界隈の話みたいなのになるわけで、それが邦画だったり洋画でも以前だったら湿っぽく妖艶に描いてたであろうものを、主人公(現代)の青春成功物語にからめることで、カラッと明るく描く方向に振られてたので、話に深みがあるかと言えば「そんなに」という感じでしたでしょうか。そこまでの作品ではないかな。 主人公(現代)のトーマシン・マッケンジーについては、ジョジョラビットでユダヤの少女をやってた関係であまり垢抜けない素朴な印象しかなかったのですが、本作の変貌ぶりで、ちょっと面白い新人女優さんかもと思ったりなんかしました。今後の活躍にも注目したい。 あと、アニヤ・テイラージョイは、映画「vvitch」以来ホラーもの映画によく出てて、だから本作のようなホラー系の方が本流で、クイーンズギャンビットみたいなのはむしろこれまでの出演作としては異色かなあとは思ってたのですが、ただホラー系が多い+そこに恋愛要素を絡めてくる話も多い=ホラーで出てくる恋人役にはろくな奴がいなくて不憫、という扱いがあって、本作でもそんな感じで、たまには報われるベタな恋愛ものにも出させてあげた方が良いんじゃないかと思ったりなんかしましたが(クイーンズギャンビットもアレだったし)、最近出たらしい「エマ」という映画ではベタベタ甘々な恋愛ものをしてたので、まあいいかと思ったりなんかしました。 そんなところです。 【sim】さん [映画館(字幕)] 7点(2022-01-09 04:15:08) |
6.《ネタバレ》 エドガーライトの新作ってことで「待ってました!」と思いつつもなかなか時間が取れず、上映終了間際に何とか観賞。 「見えないモノが見えちゃう系」ホラーって決して好きなジャンルではないけれど、一粒で二度おいしい「音と映像の波に飲み込まれちゃう系」は大好物。 今回は、さ・ら・に! 主役を完全に喰っちゃってるアニャテイラージョイに痺れる! おまけにテレンススタンプにダイアナリグなんて…。 『ベイビードライバー』と同じく俳優陣を見てるだけでニヤニヤが止まらんよ。 肝心な物語自体は極めてオーソドックス。 好きな子がああなったらドン引きどころか絶対逃げ出すに違いないのに、同期のジョンが最後までイイ奴なのも現実的でないが、映画自体が夢物語なんでこれで良し! 【チャップリ君】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-01-04 12:30:23) |
5.総じて言えば充分面白かったです。もっとミステリーに寄ってるかと思ったが、作りとしては非常にオーソドックスなホラーですね。作中の音楽群に少しでも聞き覚えがある曲があればもっと楽しめたかと思うが、作品と同じ60年代に産まれた私は70年代の日本のフォークソング以外は全く聞いていないのでした。洋楽少女だった妻の方が楽しめるのかもしれない。妻は「Netflixに入ったら見る」とか言ってますが「不届き者。映画館に行かんかい」と言ってやりました(心の中で)。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-12-12 23:26:22) |
4.《ネタバレ》 部屋を照らすネオンサインの青と赤がエロイーズとサンディそれぞれのイメージを示すように、リアルと夢、現在と過去、光と闇、鏡の外と中、反する2つの要素が散りばめられて、でもそれぞれが対立して存在するのではなくて混ざり合って混沌としてゆく映画ね。 見ていて「エロイーズ、過去のサンディを助けて!」って思ったけどそれじゃSF映画だわ。オシャレでスタイリッシュな映画っぽいけれどワリとマトモにホラー。 ちょっと映画そのものはアンバランスな、イビツな気もしたの。キャラはわりと単純な造形って思ったし(思考や行動が定石を踏んでゆくカンジね)、60年代ロンドン(アレから見て65年かしらね)はこれ見よがし感が。テーマ的にはフェミニズムに寄りつつ映像はセクシャルに、そして女性に対して加虐的に描かれていたり。 でもクライマックスからラストにかけて、性的欲求に支配された世界の男達をきっちり否定してみせる描写に溜飲を下げたわ。真相を描くシーンはミサンドリー大爆発!みたいな感もあったけれど、アタシ自身そういう意識に支配されてきた人生だったから、やれー!いけー!って感じだったわよ。ラストカットも納得ね。 とにかく2人の主役が総て。美しく儚げなトーマシン・マッケンジーも良かったけれど、やっぱり売れっ子アニャ・テイラー=ジョイの存在感が大きいわ。彼女の目ぢから(そしてくちびるぢから)ったら。彼女がスクリーンに映ってるだけでバアアアア!って輝いちゃうんだからズルいわよね。 エドガー・ライト監督としては大人しめなカンジもするけど狂騒的でも困っちゃうオハナシだしね。最初に書いた混沌はそのままロンドンという街の姿なのかもしれないわ。あの家はそのままロンドンを象徴しているのかも。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-12-12 21:16:50) (笑:1票) |