★1.《ネタバレ》 うだるような暑い日が続く真夏のとある田舎町。肉屋の両親とともに暮らす少女サラは、幼い頃から肉ばかり食べさせられてきたせいで酷い肥満症に悩んでいた。その外見と大人しい性格のせいでクラスメイトから酷いいじめを受けていることも打ち明けられず、サラは牛追い祭りが開催されるその日も一人寂しく店番をしていた。自分だって少しは夏休みを楽しみたい――。サラは、いじめっ子がお祭りに向かったのを見届けるとたったひとり、市民プールへと出かけることに。水着に着替え、スイミングを楽しむサラ。だが、そこにいじめっ子3人が帰ってくる。面白がった3人は彼女に酷い罵声を浴びせると、服とタオルを奪って去ってゆく。ほとんど裸同然で泣きながら家路を急ぐことになったサラ。ところが途中で彼女はさっき自分の服を持ち去ったいじめっ子3人が、怪しげな男に暴行を受け、血みどろになって連れ去られるところを目撃してしまう。警察に全てを話し3人を助けるべきか、それともアイツらの自業自得だと黙っているべきか。その日からサラの葛藤の日々が始まるのだった……。何の予備知識もなく今回鑑賞したのですが、なんかすんごい変な映画でしたね、これ。演出がとにかくこってり濃厚で、主演を務めた女の子の存在感も凄くて、彼女に負けず劣らず個性的な家族もなんか圧が強くて、しかも見てるだけで汗が滲んできそうなスペインの田舎町の閉塞感もヤバくて、自分は途中から胸やけしそうになりながら観てました。でも、自分はこの雰囲気、嫌いじゃない。例えるなら、天下一品のこってりラーメンをたまに食べたくなるような、そんな感じ?冒頭、主人公に対するいじめっ子3人の胸糞悪くなるくらい壮絶ないじめも、この後こいつらに天誅が下りますよという分かりやすいフラグなんだろうなと思ったら、分かりやすいぐらいそーなったし。謎の男にボコボコにされ、拉致られたバンの中から血まみれになって助けを求めてきた3人を当然のように無視するサラに自分は、よーやった!と思わずガッツポーズ。と、ここまではなかなか面白かったんですが、問題は後半部分。さすがに脚本が支離滅裂すぎて、次第に心が離れてゆく自分がいました。主人公がやぱ3人を助けようと現場に戻ったり、いじめを知った母親が娘にダイエットを強制したり、凶悪殺人犯が何故かサラにアピールしてきたりと、全員何がしたいのかさっぱり意味不明。あの牛追い祭りから逃げ出した牛のエピソードは結局なんやってん!最後までグダグダのまま、血みどろ太っちょ少女が道で叫んで終わりって、どんなけテキトーやねん(笑)。でも、前半のこってりラーメンのような演出が妙に心に残ったのは確か。この監督、もしかしたら将来大ばけするかも? 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2025-03-05 14:08:53) ★《更新》★ |