6.《ネタバレ》 日本では「うーんマンダム」で国民的スターとなったブロンソンとその妻ジル・アイアランドの共演作。本作では実妻ジルはローレンス・ジェフリーズ医師(アンソニー・パーキンス)の妻役(やたらとキレイ)。物語の発想自体はとても面白いものの、オープニング映像からの15分間ほどは意味が判らなくて、観客サイドとしては非常に掴みが悪い作品と言わざるを得ない。ブロンソンも彼のイメージからはかけ離れた役柄で、全体的に何だかちぐはぐな印象ばかりが目立った導入部でした。
しかし話が飲み込めてくるとコレがなかなか面白く、ローレンス・ジェフリーズ医師の微妙にネジがズレた感じが絶妙で面白い。アレですよアレ、、この医師は「サイコ」のアノ人なので、どうしてもサイコパスかもしれないというバイアスが働きます(オープニングの意図も何となく理解)。勝手な意見ですが、この映画をサスペンスの名手(例えばヒッチコックなど)が監督していればもっと面白くなったと思われます。そういった意味では非常に惜しい、本当に惜しい作品です。
ストーリーは非常に凝った作りで、”本番”が始まるまではハラハラさせられますが、その後終盤に向けては何となく別のベクトルの生々しい感じの流れになります。これは夫婦共演ならではといった流れで、個人的にはウハウハでしたし1973年当時としては結構衝撃的だったかもしれません。
最終的には良くまとまっていて悪くはないのですが、前述の通り、サスペンスの名手(例えばヒッチコックなど)が監督していればもっと面白くなったかもしれないという惜しい感が残りました。あと、他の方もご指摘ですが音楽がちょっと合っていません。