223.《ネタバレ》 まず二人が若くてかわいい。ウォーレンベイティには今まであまり縁が無かったのだが、シャーリーマクレーンの弟だそうで、どことなく似ている。どおりで可愛いわけだ。ヴィジュアルはさて置き、彼らの無責任、無鉄砲、無計画っぷりは、それが若さゆえだとしても全く共感できない。盗んだ高級車に足をかけ、葉巻をくわえて記念写真を撮るその行動こそ、ファッション感覚で非行に走り、犯罪を犯罪とも思っていないという証だ。行動を共にするクライドの兄夫婦もどうかしてるし、特にギャーギャーピーピーうるさい兄嫁は、強盗の分け前を要求してくる始末。今のところ気に入ったキャラは出て来ない。途中拉致られ同行したユージーン(ジーンワイルダー)たちとのシーンだけが楽しかった。 強盗を繰り返し殺人まで犯し逃亡する。こんな生活に不安を抱き始め、ママに会いたがるボニーはちょっとだけまともに思えたが、連れて来られたママは娘を慈しむ事もなく「若い人たちだけやってくれ、巻き込むな」的な事を言う。ママに見捨てられ泣くボニーだったが、泣きたいのはママの方だろう。 悲劇的シーンでアイロニックに響くバンジョーの音色は、彼らに共感しない視聴者の嘲りか。だがそれでもあのラストは、やはり切ない。共感は出来ないが、彼らがここまでの犯罪を繰り返すことになってしまったのは警察の落ち度でもあり、世界恐慌という時代背景もあり、こんな珍妙な言葉は使いたくないが、「世の中の犠牲者」だったんではないかと考えると、少しの同情の余地はある。いや無いか。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-05-09 14:35:50) |
222.《ネタバレ》 これが実話だというんだから、当時はすごい時代だったんですねぇ。 今の時代だったら絶対無理だろーなー。こんな行き当たりばったりの強盗が成功しちゃうんだもんなー。 この映画のこと、というよりかはボニーとクライドのことは、ちらほらと目や耳に入ってはいました。ずっと気になっていて、今回意を決して初鑑賞。鑑賞前は、クールな2人きりの強盗劇を想像していたのですが、そーでもなかったですね。 もちろん、クールな側面もあるんですが、思っていたより二人とも感情的になるタイプ。享楽的に見えて、家族の事、未来のこと、なかなかちゃんと考えている。 それにずっと2人きりで銀行強盗やりつづける物語かと思ったのですが、それも不正解。 仲間ができる。兄夫婦。C,W.モス。なるほど、犯罪者家系でしたか。親の顔が見てみたい。 この5人が一枚岩ならよかったのですが、兄の妻ブランチがとにかくうざい。そしてうるさい。この人がいるだけで不快指数が上がります。できればブランチこそ悲惨な死を遂げてほしかった。 それにしても、銀行強盗を成功させている割には、あんまり裕福にはなっていないようで。 大恐慌中だし、クライドも『しけてんなぁ』って言ってたくらいだし。銀行襲ったところでそんなに大金を手に入れられたわけではないのかなぁ。だとしたらハイリスクローリターンすぎますねぇ・・。 後半は逃げてばかりでしたし、どんどん追い詰められていく様子が何とも痛ましい。 まあ映画全体の印象としては、暗くなりすぎないためのポップな音楽。なんだか楽しそうな雰囲気。なんだかんだ言って仲間思い。そーゆーところは全部好きです。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-04 00:42:58) (良:1票) |
221.《ネタバレ》 題名と最後の結末だけは知っていて、しかしなかなか鑑賞する機会に恵まれなかった本作、ついに観ることができた。 さすがに名作だけあってとても出来は良いと思うが、いかんせん異常なテンションとともに銀行強盗を行い、挙げ句の果てに警察官を殺しまくった主人公二人に同情の余地はない。気分が悪くなるのが普通の人の感覚ではないかと思う。またアメリカ人もこういう体質を好む人ばかりではない。 途中から出てくる脇役たちが良いアクセントになっているのは感心した。また撃たれる直前に二人が見つめあって笑顔を浮かべるというシーンは良いが、エンドが唐突すぎる印象。 それにしてもモスの父親像は誰を参考にしているのだろう? 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-07 20:36:35) |
220.《ネタバレ》 超久しぶりに再見。しかし終盤の銃殺場面を含め、まったく覚えていませんでした。記憶力の欠落を棚に上げて言わせてもらえば、とりたてて印象的なシーンがなかったことも一因かと。 お話としてはあまりにも有名ですが、インポな主人公の〝成長〟物語として見れば感動的でもあり、悲劇的でもあります。ただ本筋より気になったことが大きく3つ。 1つ目、当時のクルマは本当にあれほど簡単に盗めたのか。かなり高価なはずですが、野ざらし状態が多々。しかもキーとかロックとかもない様子。無防備すぎないか。 2つ目、やっぱり犯行の動機がよくわからない。当時は大恐慌時代で仕事もカネもなく、一攫千金を狙ったのはわかります。しかし偶発的とはいえ複数の殺人まで犯しながら、まったく反省することなく犯行を繰り返す心理が不明。もはやカネの問題ではなく、犯罪のスリルそのものを楽しむような描き方でした。だとすれば単なる異常者であり、少なくとも「義賊」ではありません。 3つ目、これは史実とないまぜですが、こういう主人公たちをもてはやす社会の風潮が恐ろしい。クソマジメなことを言いますが、どれほど自分が社会から虐げられたと感じていたとしても、銀行員や警察官を殺していい理由にはなりません。そんな当たり前のことを忘れさせるほど、大恐慌による不景気や社会不安は苛烈だったということでしょうか。 さて、好むと好まざるとに関わらず「成長」が止まったままの日本。大恐慌とまでは言いませんが、全員が貧しくなっていることは間違いありません。「俺たちに明日はない」のは、まさに今の若い日本人ではないかと。彼らがボニーやクライドにならないこと、またその登場を待ち望むような社会にならないことを願うばかりです。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-07-08 03:28:28) (良:1票) |
219.《ネタバレ》 -BONNIE AND CLYDE- “ボニーとクライド” 普通に名前を並べただけだけど、これだけで通じる辺り、ロミオとジュリエット並みに神格化されてたんだと思う。ボニー(女)が先に来ているのは、語呂の良さだろうか? 邦題の“俺たちに明日はない”は、かなり魅力的なタイトル。明日など無い。今日、いま、この瞬間を刹那的に生きた2人の生き様を見事に表現していると思う。 2人きりの犯罪者カップルだと思ったら、バロウ・ギャングというある意味身内で固めた犯罪者集団だったのは意外。 貧乏人からは金は取らないと、義賊的な活躍が神格化された原因かと思ったら、案外あっさり銀行員を撃ち殺したモンだから、これにもビックリ。ネットの時代なら盛大に手のひら返しをされてた可能性大。 新聞がメディアの中心だった時代、社会も彼らを過剰に持ち上げていたんだろう。実際の犯罪もあれば、疑わしい犯罪を彼らのせいにしたものもあったろう。 OPから斬新。無音にシャッター音(?)だけが響き、サブリミナル並みの速さで映されるモノクロ写真。フェイ・ダナウェイのセクシーな唇。見えそうで見えない裸。退屈な毎日から抜け出させてくれそうな運命的な出会い。銃を撫でる手のエロさ。突然始まる非日常。強盗してから名乗り合う2人。場違いにも思える陽気な音楽…この新しさは、当時相当ショッキングだったんじゃないかな。 ユージンを乗せてからの変な空気も面白い。本当にその日その場を楽しんでるというか、後先考えてないというか… あの有名な射殺シーンから、無音の THE END の流れ。あそこでブツリと終わるのも“俺たちに明日はない”感がとても良く出ている。 ボニーとクライドが出会ってから、死ぬまでを描いた映画、それ以上でも以下でもないと言う意味で、-BONNIE AND CLYDE-も魅力的なタイトルだと思う。 撃たれる瞬間の、お互いの表情を交互に映すカメラも良い。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-07 22:58:07) (良:1票) |
218. 凶悪犯罪を繰り返し、破滅に向かう男女の逃避行を描いたバイオレンス劇。アンチヒーローや反体制的、暴力的な表現等、この分野の先駆けとして後の映画に多大な影響を与えた。 出演者も各々アクの強いキャラを演じており、特にF・ダナウエイの芝居は「いかにも」な感じの女性像を確立したと思う。ボニー&クライドの性格を基に人物設定した映画のなんと多いことよ。 後にA・ペン監督は本作に対する自省を語っているが、いつか誰かがこのような表現をやるだろうと思えば、先駆者として評価したい。 ボニーとクライドが蜂の巣にされるシーンは、それまでが二人のやりたい放題だっただけに因果応報で、観ている側は爽快感さえ覚える。悪党に対して寛大な雰囲気があるのは1930年代の大恐慌を背景にしているためだろう。凶悪犯を描きながらどこか滑稽味がある(音楽含め)。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-06-12 16:29:51) (良:1票) |
217.《ネタバレ》 悪事を働いてれば、その報いが来る。いわば因果報応である。本人達も分かっていたのだろうが、止められなかったバカップル。日本でも犯人にこのぐらい、ぶっ放して欲しいね~。日本は手ぬるいんだよ。いつからそうなったのか。我が国も、明治初期頃までは、斬首さらし首等やっていたじゃないか。 ※スローモーションを効果的に使用した初の映画。 |
216.《ネタバレ》 『明日に向かって撃て!』と本作を比べる必然性は何にもないんだけど(でもつい連想する)、アチラは「山の映画」で、コチラは「平地の映画」、これだけでもすでに、コチラに分が無い。ってのは言いがかりだとしても、あまり魅力的な光景は登場しません。「川」が目を引くぐらい。基本的に、主役2人にスポットが当たってて、それも、陽気な音楽に乗って田舎でチョコマカとミニ強盗やってるイメージ。仲間も兄夫婦と、頼りない男一名だけで、どれもこれも小人物ばかり(兄の妻とボニーとの間にはつまらないケンカが続く)。この映画ではむしろ、スペクタクル感というものは排除されています。 しかしいくら陽気でコミカルな音楽をBGMに流そうと、人を殺めた彼らは次第に追い詰められていき、ボニーの詠む詩にも彼らの悲劇的な最期が暗示されることになります。 冒頭、ボニーとクライドが唐突に出会って物語が始まったように、ラストも唐突に二人の死で幕を下ろし、観る者に鮮烈な印象を残しはするのですが、どこか「それだけ」という印象も無いでは無く。なんだか、起伏が乏しいんです。 その、前後の唐突さと、不思議な起伏の無さが、本作を独特のものとしている、と言えなくもないですが。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-14 12:45:16) |
215.《ネタバレ》 ボギー&ベスものの決定版。になるのかなあ。この映画の成功は、邦題の良さ。あと、フェイダナウェイが良い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-21 13:52:53) |
214.《ネタバレ》 見たのはかなり昔です。 ある女がある男と知りあい、いたずら半分で強盗ごっこしてたところが本当に人を殺してしまう。 そこから後に引けなくなり本当の銀行強盗になり、最後はハチの巣にされて死ぬ。 無軌道で刹那的な行動の積み重ねによりそれに見合った結果になるだけの映画です。 映画は人間の美しさを描かなければならないと思うのですが、この映画は逆に愚かさしか描いてないと思います。 ラストのハチの巣になるシーンで使用した銃弾の数が話題になっただけの映画。 【承太郎】さん [DVD(字幕)] 4点(2017-10-21 13:10:58) |
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213.《ネタバレ》 強さと美しさに惹かれあった2人だけど、クライドは兄貴とイチャついてばかりでボニーを素直に愛せない。困難を乗り越えるたびに少しずつ愛を確かなものにし、ついに愛しあうことができたのに蜂の巣。二人の運命はクライドが差し出した拳銃をボニーが愛撫した瞬間に決まっていたのだ。性と死の濃厚なメタファーが漂うあのシーンは本当に大好き。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-12 23:43:42) |
212.《ネタバレ》 50年近く前の映画だが、語り草になるわなと納得の出来。 音楽の使い方もなんか好き。 やはり衝撃のラストシーンが印象に残るが、それ以外のシーンも隙がないし、 ストーリーも引き付けられる。 実話モノだし、結末が有名すぎるので、なんか余計に破滅へ突き進んでいるのがせつなくもある。 初見で予備知識の無い人が観たら最後の蜂の巣にされるところはどんな気持ちで観てたのだろうか? その気持ちで観られないのが、悔しかったりもする。 【バニーボーイ】さん [地上波(吹替)] 9点(2015-12-07 22:02:26) |
211.《ネタバレ》 映画だなぁって感じ。 昔の映画はシンプルで面白いですね。 ハチの巣になったボニー&クライド、必然なんだけど突然。 俺たちに明日はない、当時の邦題は良い仕事してますね。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2015-05-09 14:58:01) |
210.《ネタバレ》 ボニー&クライド物はフリッツ・ラングの「暗黒街の弾痕」の方が粋で好きなのだが、アーサー・ペンのこの作品も大好きだ。 街でバッタリ会ったボニーとクライドが次から次へと銀行を襲っては逃げ、そして滅んでいく様を描く。 実際に起きた連続強盗事件を元に描くが、前科のあるクライドはカタギでやっていくには辛い身の上であり、何よりも銃を片手に強盗に興じる日々に充実感を得ていた。 そんな時に出会ったボニー。 彼女は退屈な毎日から抜けるため、クライドの危険な日々に惹かれてしまう。 ボニーはホームシックになりながらもクライドを愛し、クライドもそんなボニーを元気づけながら硬い絆を結んでいく。 後半から登場する運転手のC・W・モス、クラウドの兄貴バック、兄貴のヒステリーな妻ブランチ。デコボコな3人が加わり益々騒がしくなる面々。 同時に滅びの足音も静かに聞こえて来る。 直接的な性描写をせずに、キスと事後の所作だけを描いた点が良い。 匂わせるだけで二人が互いを受け入れた事がよく解るのが凄い。 ボニー&クライド一味はワイルドバンチ強盗団の如き八面六臂の大暴れ。 何処に行ってもトラブル続きの毎日。 死を覚悟するような日も稀になってくる。 俺たちは何処で何を間違えたのか。 俺たちに明日はあるのか、ないのか。 ボニーの母親たちとの別れ。もう二度と会えないとも知らずに・・・。 ラストは強烈な光景だが、妙な静けさが画面を包んでいく。 因果応報な幕引きではあるが、世の中に縛られずに好き勝手に生き、好き勝手に死んでいった者たちの無言の哀しさが伝わって来る。 罪を犯してきた二人は、真っ赤なリンゴに祈りをささげる。 一つのリンゴを互いにかじり「あの世に行っても結ばれような」という願掛けか。 車に残ったボニー、外に降りてしまったクライド。 史実では二人っきりで車ごと、映画で離れた瞬間に二人の運命は決してしまう。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-27 21:33:20) (良:2票) |
209.初めて上映された当時のインパクトは大変なものだったと思いますが、今見ても全く共感できないストーリーながら結構面白い映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-30 20:28:20) |
208.《ネタバレ》 再見。静かに始まり、一瞬の爆発のあとひっそりと終わる物語。銀行強盗に自己紹介されて、照れる共犯者。恋人の本当の年齢を拉致されながら知り、憮然とする被害者。監督はコメディとして作ったのではないか? だとしたら、こんな奇形なコメディは今後ありえないでしょう。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-06-21 20:19:22) |
207.《ネタバレ》 その昔、テレビの洋画劇場の予告編で「衝撃のラストシーン、何百何十何発!」という、まだ未見だった私を完全に怒りにかられたのを覚えていますが、この映画、ラストシーン以外でも、全てにおいて完璧なのが理解できます。 毎回衣装が変わるフェイ・ダナウェイは、この時点で最高のファッションモデルでした。 映画評論家の町山智浩さんの本で知ったのですが、ウォーレン・ベイテイ演じるクライドが何故、女性と接することができなかったのかは、クライドがゲイだったということ。(勿論設定上の話し) この時代に、ハリウッドでは、さすがにゲイ描写はできず、こうなったそうです。 バンジョーのBGMが、古臭さを感じさせますが、当時のヒッピーやカウンターカルチャー世代が喜んだ背景が目に浮かびます。 若くして死ぬことの格好良さが上手く描かれています。 私はヒッピー世代ではありませんが、10代後半に60年代の古い音楽に目覚め、ドアーズのジム・モリスンに出会いました。 当時の「30歳以上を信じるな」という言葉には衝撃を受け、ジム・モリスンの人生のように生きたいとさえ思いました。 今、30歳を遠に超えましたが、未だに私の中にはジム・モリスンが生きています。 この映画で彼を思い出しました。 「明日に向かって撃て」と比較されがちですが、あちらは常に未来を夢見た男性二人なのに対し、こちらは、まだ未来ある若者、実際には現実に未来を持てなかった若者二人の設定が、全く違う点だと思います。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-05-29 01:44:40) |
206.正直、脚本や演出はイマイチ。ラスト、銃撃される直前の緊張感が凄まじい。 【noji】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2013-09-21 17:39:16) |
★205.《ネタバレ》 アメリカンニューシネマを代表する『明日に向かって撃て』と共通点がいくつか。 ただ、切り口がまったく違うので好き嫌いが分かれるだろうけど、あちらのほうがずっと好みに合う。 それはキャラの違いが大きいのかも。 もともとはコンビニ強盗のせこい小悪党なので、大物感がない。 マフィアでもなく、銃のスペシャリストとか才能に秀でたわけでもない。 その分リアルではあるけれど、カッコいいとは思えない。
クライドが廃業になった銀行に押し入り、そこにいた行員をわざわざ連れ出しボニーに説明させるくだりは笑える。 そういうところは憎めないけど、写真のポーズからも感じる英雄にでもなったような自己陶酔がカンに障る。 暴走族や不良にあこがれる頭の悪い中高生みたい。 無軌道で稚拙だから、強盗の成り行きで人も殺してしまう。 そういう犯罪は今の日本でもニュースでときどき報じられるので、現実の嫌な気分を思い出させる。 物語の中だけで楽しむには、犯罪者という人物像の輪郭がはっきりしすぎているのだ。 それはマイナスだけでなくプラス面もあって、蜂の巣にされるラストシーンが生々しく活きてくるし、二人の最後にふさわしい名場面となった。 もしブッチとサンダンスのように銃撃前で終わっていたら、フラストレーションが溜まっていたところだ。 二人に好感を持つかどうかでラストの受け止め方が全然変わってくるだろう。 まったく共感を覚えなかったので、喪失感よりもスッキリしたというカタルシスのほうが大きかった。
警官サイドも人数をかけて何度も捕まえそうになりながら、素人のような寄せ集めグループに手こずりすぎ。 ボニーは母に会いたいと抜けたがるし、クライドの兄嫁とはよくある小姑のような仲違い。 犯罪組織の内部抗争というより、二世帯同居のトラブルでしかない。 実話ではもう少しプロらしい犯罪グループだったのだろうか。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-07-05 23:35:35) |
204.《ネタバレ》 強盗を繰り返した末に銃弾を浴びて死ぬ二人組。ほぼ同時期に製作された某作と同じです。実話が元になっている点でも同じで途中までは興味深く観られたんだけど、最終的な見応えはかなり違いました。アチラにはペーソスを覚えたけど、コチラは特に何も感じません。どこが違うのか。アチラは絶体絶命の状況にありながらオーストラリア(だったかな?)に次の夢を抱く。コチラは初めて男女の関係になった二人が自分たちの「更生」に夢を抱く。つまり「志」の方向性の違いです。「明日に向かって」と「明日はない」の違いと言っても良い。悪党とはいえ、一貫した生き様を覚えるアチラに対し、コチラにはコンセプトなど無かったことが良く分かる。マイノリティーな性向と欲求不満のはけ口で強盗殺人をやってた訳ですな。例えば、妻夫木が演じた悪人には共感できても、このストレートな悪人に共感するのは無理です。 製作後、半世紀近くを経ての鑑賞でした。リアルタイムで観ていれば(って、当時は幼稚園児だけど)違った意見を持ったのかも知れませんが、今の自分には価値を見い出せない作品でした。「タワーリング・インフェルノのおばちゃん」というイメージだったフェイ・ダナウェイが可愛く映ったことだけが収穫かな。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-29 01:48:11) (良:2票) |