8.《ネタバレ》 夫婦3組くらいに、独身の男女1人ずつを加えたグループで、独身男女をくっつけるための企画として、リゾート地への泊りがけの旅行に出掛けます。浜辺での、あるハプニングを機に、メンバーの女性1人が行方不明になっていることに気づき、残されたメンバーが右往左往するというお話です。序盤での親しい者同士での旅行の楽しい雰囲気、ふざけあい、中盤でのハプニング時の緊迫感、失踪後の、疲弊、後悔、思惑のすれ違いなど、役者は皆よく演じていると思います。また、映像の撮り方もうまいです。配役については、女性が、お互い違う人種かと思わせるくらい、違ったタイプの美人が揃ってます。それに比べると男性陣は全体的にむさくるしい感じですが、白人っぽい顔立ちの人が多い気がしました。さて、中盤までは、非常に良質な映画の雰囲気が感じられ、期待感が高まっていくのですが、中盤のハプニング以降、大の男たちが、バレーボールで遊んでいたという落ち度が、あまりに大きすぎて、悪いことが重なったとか、そういうレベルじゃなくなっています。登場人物達が、その落ち度がないこととしてふるまっているのも驚きです。このおかげで、その後も一展開あるのですが、すべて瑣末事に思われてしまい、中途半端に終わってしまったように感じました。いい雰囲気が出ているだけに、ものたりない、もったいない感じがしましたね。 【camuson】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-06-25 18:11:08) |
7.浅はかな考え、独り善がりなお節介、その場凌ぎのウソ吐き。三拍子揃ったセピデーに吐き気がする、だけの作品。くどい演出にも辟易。 |
★6.《ネタバレ》 「別離」「ある過去の行方」で唸らされたファルハディ監督のデビュー作ということで、期待をもって鑑賞。さすがに人間描写が上手いし、サスペンス性も高くてどうなるのかと最後まで引きつけられる。 楽しい旅行が一転して修羅場になる様がリアル。勧善懲悪ドラマにあるような悪人や正義のスーパーマンは一人もいない。良かれと思ってやったことが、歯車が狂ってどうしようもない結果に。実社会でも誰の身にも起こりうることだけに、身につまされる。 ただ、ラストは後味が良くないし、尻切れトンボの印象も。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-10-08 10:05:53) |
5.《ネタバレ》 海辺での仲間内旅行から1人が消えました、というたった一つの謎だけでここまで引っ張れる構築力に驚きます。しかもそれが、ちょっとした情報量や共有度の差が徐々に積み重なって、解決するつもりがかえって底なし沼にはまっている、とでもいうような緩やかな迷走を、必然性をもって紡いでいるのです。こういう丁寧な脚本だったら、俳優陣も演じていてやり甲斐があるんだろうな。ただし、最後の確認のシーンは不要で、あそこは謎は謎のまま余韻をもって置いてほしいところでした。それと、キャスティングにおいて、年齢層が合ってなさそうな夫婦が2組ほどいるのが気になりました(入れ替えるとちょうどよさそうな気がしたのですが)。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-08-24 02:13:21) |
4.《ネタバレ》 私はこの映画を同監督の「別離」と二本立てで見たので、この映画だけを見た場合よりも若干理解できたと思っている。西側(日本人)と大して変らない休日の過ごしからだんだんとイスラムの戒律が日常に影響してくることが良く分る。ハンディカメラで手ぶりしまくりの映像は映像酔いをしそうだが、それが逆に臨場感を出している。 【rosebud】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-05-03 10:15:00) |
3.《ネタバレ》 一つの事件をドンと提示される。その「ドン」の迫力と言うか、重みの圧迫だけで出来ているような映画だ。それがどういう意味を持つのかが、異邦のものにはよく分からない。イスラム圏における「婚約の厳格さ」は不幸を招くから、もうちょっと緩めよう、というメッセージなのか。あるいは逆に、若者たちにもうちょっと身を慎もう、というメッセージなのか。どちらにしても、描写の圧迫感に比べると弱い解釈の気がする。新聞の片隅に毎日載っているような「事件」も、ひとつひとつこれだけの内実があるんだな、という「日常」の重さみたいなものを突きつけられた感じが一番ある。「普段」と思って軽々と渡り歩いている日々が、これだけの危うさの上に成り立ってるんだ、って。離婚したアーマド(だったっけ)がドイツ人の妻に言われた言葉「永遠の最悪より、最悪の最後がマシ」ってのが、けっこう映画の低音で鳴り続けていたよう。これはそのままラストの砂浜にタイヤを取られた車(永遠の最悪に捕われているような)の姿に重なって見えた。後半は一種のディスカッション映画で、なにごとかを糊塗しようとしてどんどん事態をややこしくし、動きが取れなくなっていく状況も、砂浜の車そっくりだ。音楽がほとんど入らないのがいい、とりわけ事件のとき。ジョージ・クルーニーとしか思えないイラン人が一名いる。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-04-07 10:23:22) |
2.別荘に着いて事件が起こるまでが長く退屈に思えたが、実はそれまでの何気ない行動や会話が伏線となって重要な意味を持つ。何となく見ていた私は、人間関係理解を含めてもう1回繰り返し見直す羽目に。映画は実によくできているが、イスラムの厳しい戒律を知っていないとハテナということになるかもしれない。取り繕うための小さな嘘が3組の夫婦に微妙なずれを引き起こし、それが徐々に大きくなっていく、見事な心理劇である。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-03-16 23:11:17) |
1.《ネタバレ》 初イラン映画。バリバリのプロ俳優が出ているわけでもなく素人っぽくてドキュメンタリーのようなテンパり具合の演技がなんか新鮮味。微妙に余計なお世話をしてる人もいますけどエリは一体誰で一体どこに行ったのか、誰にもわからないこのミステリータッチで全く先の読めない展開がよかったなぁ。でもイスラム教がちょいとしたベースになってるので細かい設定やらなんやらはわかんないけどちょっとした思いやりが最悪の展開を産んじゃうんだよなぁ・・。この映画の一番の被害者は、婚約者やな。 |